盗人にも三分の理
久方ぶりのツクールの記事であります。
前回、記念すべき初のダンジョンで初のボスキャラに負けた挙句、惡者になってしまった主人公ですが、氣を取り直して再挑戰致します。
前回、山賊に捕らえられた役人を助け出して件の山賊を倒すべく「ノコギリ山」に向かった主人公でしたが、助けるべき役人の「安藤様」が實は山賊の首領だった事が解ります。
敵は配下の山賊を束にして投入してきます。
まともに斗っては勝ち目はありません。
まずは戰力増強を圖らなくてはなりません。
そこで一度、銚子の町に戻って古道具屋で武器を賈ってきます。
仲間になったオッサンキャラにこの長尺武器を持たせます。
[打/長/両]とは打撃系の長尺武器で兩手で持つ物を意味します。
竹竿は「かの有名な國民的RPG」に於いて初の記念すべき主人公が最初に手にする「一番弱い武器」として後の世迄その名を残しております。
「ひのきのぼう」ではないのだよ「ひのきのぼう」では…!
しかし最弱武器とは言え、このオッサンは長尺武器を手にすると、この様に全軆攻撃が出來る様になります。
力の強いキャラクターなので雑魚敵は、ほゞこれで一掃出來ます。
…さて、こうして戻ってきた主人公達ですが、この山にはもう一つ忘れてはならない場所がございます。
「ノコギリ山」を名乗るだけあって、この岩肌に彫られた大仏様は外せません。
出來の惡いコラージュ画像の様ですが観光案内を讀むが如く當地を傳えられゝばと思っております。このRPGは旅情を第一に作っております。
ダンジョン内に鎮座しているこの大仏様ですが、この様に願をかける事が出來ます。
ここで2番目のお願い事を選択すると主人公達のレベルを一氣に4迄上げてくれるのです。
やはり最初のダンジョンなので、この位のサービス精神を以って然るべきなのです。
そしてボスの待っている石切場深部を再訪します。
しかし今回はじっくりと情報収集に努めます。
捕らえられている筈の「安藤様」がどう見ても捕らわれの身に見えない訳であります。
ここで「いいえ」を選択するのが正解です。
すると解り易く正軆を露見させます。さあ、ここからが本番です。
通常RPGでこう云う場合、取るべき戰術としては以下の2通りがあるものと思われます。
イ)取り巻きを先に片附けてからボスを集中攻撃
ロ)強力な攻撃を仕掛けてくるボスを先に始末してから雑魚を一掃する
どちらを選ぶかはプレイヤー次第ですが、今回は味方が2人しか居ないのでイ)の方針を選び、敵側の手数を減らす事を優先します。
レベル4になった主人公は必殺技を使う事が出來ます。
これで山賊達を一撃の下に沈める事が出來ます。
いちいち戰斗中の文言が古臭いのはこのゲームの大きな特色を成しています。語彙は大事です。
こうして取り巻きを全滅させたいところですが、そうは簡單に濟まさないのがこのゲームの厭らしいところです。
町の人の情報で「安藤様は部下に事を任せて自分は様子見を決め込む主義だ」と云うのがあります。
これを意訳すると「味方が1人でも生きていれば様子見をして何もしない」と云う事なのです。
つまり、敵の山賊を1人でも生かしておけば何もしてこないのです。
従って取り巻きを死なない程度に痛ぶって1人残しておけば簡單に勝ててしまうのです。
手下の山賊は残りHPが半分を切ると防禦を取って積極的に攻めてこなくなります。
逆に手下を全員倒してしまうと「安藤様」は本氣を出して強力な攻撃を次々に仕掛けてきます。
手下の山賊のHPを半分以下にするにはそれなりに工夫が必要で、やり過ぎると倒してしまうところが厄介なのです。
その辺はこうした思想が反映されているのでありまして、只單に「レベルを上げて物理で殴れば良い」と云う訳ではないのです。
…と云う訳で、様子を見て何もしてこない「安藤様」をボコスカ殴って成敗してから最後に1人残った山賊をゆっくり始末すれば樂勝なのです。
遂に最初のボスを撃破致します。
山賊の首領にとどめを刺そうとしますが、その前にどうしてこんな事をしたのか問い質します。
どうやらこうした背景が貧困層を山賊に仕立てたものらしいのです。
しかし、だからと言ってこう云う事をして良いと云う訳にはなりません。
良好な社會生活を營む上での大前提は「人様に迷惑をかけない」と云う事であるのを忘れてしまっている人は多いのです。
主人公はこの山賊の首領を成敗しようとしますが…
主人公は逃がすまじと刀を振り上げますが…
止められてしまい、この山賊の首領である「安藤様」を逃がしてしまいます。
斯くして、山賊の事件は一應の解決を迎えました。
しかし、これで本當に良かったのだろうかと云う事はゲーム内のお城の殿様も、画面の前のプレイヤーにも解らない事ではなかろうかと存じます。
そしてたとえこのゲームの創造主でさえ、これを解決するすべを持ち合わせていないのであります。
こうして最初のボスを倒して物語の序章は終わりを告げました。
この不毛な議論はこのゲームの行く末を暗示しているのです。
さて、ここ迄である一定の条件を満たしているとイベントが續きます。
オープニングイベントで助けた女の子と何やら會話するシーンが流れます。
(ここはデフォルト名に従って「あやめ」となっております。何分にも舞臺が千葉縣ですので惡しからず…)
こう云うイベントには過去の經驗が活きるものです。
「好きだから」ではなく「面白そうだから」と云うのが私にとって嬉しかったのです。
どうせもう何年も前の事ですから、もう時効です。想い出は有効的に活用しましょう。
序章を終えて、主人公は村の一員になり生涯の親友達と仲良く暮らす事になったのです。
持たざる不幸、或いは倖せか。それは誰にも解らない事であります。