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しごとしている人の想いを聞いてみよう!〜第2回じぶん・しごとLAB 開催レポート〜

2024年1月に、学生が「はたらく」を考えるイベントを開催した「じぶん・しごとLAB」

第2回目のイベントを2月7日に開催しました。
今回は、すでに働いている先輩たちに話を聞きながら、その人の想いを知り、自分の想いを探るということをしていきます。

登場する先輩たちは、小布施の企業で働いている若手社員たちです。
この先輩たちも、2023年10月から毎月「まちの同期」というプログラムに参加しています。
価値観や想いを伝えられるように、まわりへ話を聞いたり、自分と向き合う時間をとって、言葉にして実践するということを繰り返し行ってきました。

「はたらく」ということについて考えてきた学生と社会人。
どのような場になったのか、当日の様子をご紹介していきます。

「じぶん・しごとLAB」とは?

「じぶん・しごとLAB」とは、地域企業の若手社員と学生が語り合う場や、自分の「好き」を探るワークショップなどを通じて、企業と学生が想いを共有しあうコミュニティです。
第1回のイベントでは、雑誌を切り抜いて貼り付けながら、自分の名刺をつくるという「好き」を見つけるためのワークショップを行いました。
詳細については、前回イベントの際に書いた記事に記載があるので、こちらをご覧ください。


「まちの同期」とは?

こちらの説明は、第1回の記事にて掲載していますので、下記リンクをご覧ください。


小布施町で「はたらく」ということ

今回のイベントは、小布施町はどんな想いでつくられているのか、そこで働く先輩社員(「まちの同期」メンバー)たちはどんな想いを持っているのか、その人たちと語らうことで自分自身の想いと仕事について考える場です。
本日は、大きく分けて2部構成となっています。

①学生のみのパート
 まち歩きをしながら小布施町を知ってもらう
②学生と「まちの同期」メンバーが交流するパート
 お互いの想いについて語り合う

まずは学生に町を知ってもらうために小布施町の概要からご紹介していきました。

◾️小布施町ってどんな町?

長野県の北部に位置する小布施町。面積は県内で一番小さく、直径5km以内に町が収まります。
名産の栗や葛飾北斎が晩年訪れた地としても知られており、町人口1万人に対して毎年100万人の観光客が訪れます。

町民、民間企業、行政、金融機関などが話し合いを重ねながら「まちづくり」に力を入れた結果、いまの小布施町があります。
こちらではご紹介しきれないため割愛しますが、詳しくは書籍になっているので、ご興味ある方はぜひご一読ください。

◾️まち歩き

小布施町に来たのは初めてという人がほとんど。
前日に 30cmほど積雪し、その雪がまだ残るなか中心街を歩きました。

  • 2人横並びが不可能な建物と建物の間をすり抜けていく道

  • アスファルトと白線といった一般的なデザインと異なる駐車場

  • 個人の持ち物をリノベーションまでして場所を提供してもらった飲食店

  • 栗菓子御三家と呼ばれる栗菓子屋が100年以上共存できている理由 など

小布施町へ来たことがあった人も、初めて通った場所や初めて聞く話に興味津々の様子でした。

このあと社会人の先輩たち「まちの同期」と顔を合わせます。
その際、最初のアイスブレイクのなかで「栗菓子御三家を買って帰りたい」といった、まち歩きをした体験から町の名産に魅力を感じている人もいました。

◾️「想いを持ってはたらく」体験シェア

「まちの同期」メンバーと合流して、ここからメインに入っていきます。

どんな働き方やどんな仕事をするのか、これから考えていく学生は
・好きなことを仕事にしていいのか?
・やりたいことが現時点でわからない…

といった悩みを抱えているようでした。

いよいよ「まちの同期」メンバーが、自分の想いと体験を初めて会う学生に伝える番です。
3〜4人の5グループに分かれて、語り手(「まちの同期」メンバー)の持ち時間15分のなかで以下のことを行います。

①語り手:「どんな想いを持ってどんなことにチャレンジしているか」
      について体験を語る
②聞き手: 語り手が大切にしている価値観をポストイットに書き出す
③聞き手: ポストイットを読み上げ、理由も添えて語り手に渡す
④語り手: 受け取り、感想を話す
             → お互いに、感想や質問を重ねる

序盤は少し緊張していたようですが、話し出すと徐々に表情や声に明るさとハリが出てきました。

  • 好きなことを仕事にして、ツラいことがあっても好きだから乗り越えられると仕事への愛情が溢れて周囲へ意図せず伝わる人

  • 生活のため、会社のためにも経営を成り立たせなければ、と社長と密にコミュニケーションをとっているからこそ経営者と同じ目線で話をする人

  • 社長の人柄に惚れて入社したら、一緒に働く人も人柄がよくて自分の感じたことや考えが言いやすく実践しやすい環境でいられることに感謝する人

ここまで自分を探求し、実践をしてきただけあって、それぞれのキャラクターがよく出ていました。
まったく異なる切り口、変遷、価値観であっても、学生には響いていたようです。

そして「まちの同期」メンバーは、とても堂々と話をしていたように思います。
「まちの同期」第1回の時と比べても頼もしさが感じられました。

◾️自分はどんな思いがあるのだろう?

働く先輩たちの話を聞いてみて、今度は学生たちが自分の想いを探ります。
学生はゼミや研究、アルバイトや趣味などを通じて、どんな想いを持っているのかを一緒に考えていきました。
やることは、先ほどの語り手を学生、聞き手を「まちの同期メンバー」へと交代します。

おもに学生は授業やゼミ、研究、アルバイトや趣味などから、なぜこれを選んだのか?やってみて何を感じているのか?について話していました。
ひとつの事柄から話が広がる人もいれば、大学での機械工学研究と接客アルバイトの2つの経験から自分の好きを探っている人もいました。

自分の好きを語っているときの学生たちは、とてもキラキラして楽しそうでした。フィードバックとしてもらったポストイットから元気をもらったようで、笑顔で大切そうにしまっていました。

◾️全体で感想の共有

「宴もたけなわ」とは、まさにこのこと…話に熱が入り、まだまだ聞きたい!というところで終わりの時間が近づいてきました。

最後に全員で車座になって、過ごしてきた時間を振り返りました。

学生からは

  • 「好き」を仕事にしていいのか悩んでいたが、まさに好きなことを仕事にして輝いている人を見て、勇気がもらえた

  • ポストイットでフィードバックをもらってみて、こういう部分も自分にあるのかと新しい発見があった

といった声があり、仕事について知るだけでなく、モチベーションアップや自己理解につながったようです。

「まちの同期」メンバーは

  • 伝える側になることで考えなければならないことが今までと変わり、よい機会になった

  • 学生からの言葉が素直に嬉しかった

  • 学生と接することで新たな気づきを得たり、初心を思い出せて刺激になった

メンバー同士では、「わかってくれている」という安心感が生まれてきているように見えていた初対面の学生と接するこの時間。今月末の最終回を迎えるにあたり、気持ちを引き締める良い効果を及ぼしたかもしれません。
また、伝えたいことをうまく伝えられなかったという反省をしていたメンバーもいました。それだけ伝えたいものが、自分にあるという証拠なのだと感じます。

【筆者のつぶやき】
筆者自身は、新卒で「好きなこと」を仕事にしたわけではありません。
転職もして巡りめぐって、いまはやりたいことに関われて幸せです。
たとえ、最初の選択肢が「好きなこと」ではなかったとしても、それを忘れず、大事に持っておくことは、きっとこれから先のどこかにつながると思っています。


執筆:橋本 緑
〈プロフィール〉
新卒で生命保険会社の事務、転職して住宅メーカーの営業を経て、現在小布施町の地域おこし協力隊へ着任。自分の生業をなにとするかは、ただいま探索中。
お絵かきと笑いを愛する、人情派な人。





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