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企業、業種、年代…「わく」を超えた同期ができる!(第1回 まちの同期)

長野県で面積の一番小さな小布施町。
人事という企業の課題に向き合うべく、この町で新たな取組が始まることになりました。

その名も「小布施 まちの人事部」

どのようなことをやっているのか、やろうとしているのか…
当日の様子なども踏まえながら、お伝えしていきます。


※もう一つの取組である経営層向けの「ひとづくり勉強会」に関しては、別ページをご覧ください。

「小布施 まちの人事部」とは?

多くの中小企業は「人材の確保と育成」という課題を抱えています。ところが、専任者を置けないなど体制を整えることが難しいのが実情です。

(出典)経済産業省 地域経済活性化戦略室

そこで企業同士、経営支援機関、金融機関、自治体や教育機関が地域ぐるみで力を合わせて、課題に取り組んでいくのが「まちの人事部」です。
小布施町を「はたらきたい!」と思える地域にすることを目指します。

具体的に今年度実施する取組は2つ。
①地域の企業の経営層が集い採用や人材育成を学び合う「ひとづくり勉強会」
②地域の企業の若手社員が集い「はたらく」についてともに考える「まちの同期」

※ 立ち上げ経緯や背景については、別途ご覧いただけるよう準備中です。

今回は、10月24日に第1回を開催した②「まちの同期」についてご紹介します。

「まちの同期」とは?

はじめに「まちの同期」とは何なのか?を一言で表現すると

小布施の企業の若手社員が会社横断で集まり、自分と向き合い、
同世代や会社の先人との対話を通じて「はたらく」を考える場

です。

これだけでは伝わりづらいと思うので、趣旨や概要、当日の様子もご紹介していきます。

〈背景・目的〉

小布施の企業で働く若手社員の方を取り巻く環境について話を聞くと、社外での出会いが少ない、悩みを相談できる相手がいない、働きがいを感じにくい…などといった声が聞かれます。こういった状況では、社員の方が企業にも地域にも定着しないのではないかと考えました。

「まちの同期」では、まずプログラムに参加することで、企業、業種・職種、年代など「わく」を超えて「想い」を分かち合い「はたらく」ことについて一緒に考え、「仕事」を通じて実践していく「同期」ができます。

同期と「はたらく」ことの価値観や想いを探り、言葉にして伝え合うことで、自分の大切にしていることがより明確になります(この感覚は、体感しないとわかりづらいかもしれません)。その想いを自分の職場、仕事で発揮していくことで「はたらく」のやりがいや楽しさの実感につなげていくプログラムです。

また、会社内で相談しづらいことや同期という存在がいない人にとっては、参加するだけで心強い仲間が得られる機会だと思います。

個人的な話をすると、新卒入社の企業で同期はいたものの全国へ配属がバラバラになり、転職を経ると同期がいない…という道を辿ってきた私にとっては、非常に羨ましい場です。

〈内容・日程〉

2023年10月〜2024年2月まで毎月1回(全5回)開催します。

  1. 「自分の価値観・大切にしているもの」を自身のストーリーを語り、探ります。

  2. 小布施で働いている先輩の話を聞き、「自分はどう?」を問い直します。

  3. これまでを踏まえて「こんなことできたらいいな」を言葉にします。

  4. 出てきた言葉を周囲の人に伝えていきます。

  5. 具体的に「これから何をしていくのか」を言葉にして、実践へと向かいます。

加えて、2024年2月7日(水)就活イベントにて「自分の想いを伝える」ことを実践します。

〈ファシリテーター〉

まちの同期は、学びと相互の対話を交えて、体験を重視しながらプログラムを進行していくので「講師」ではなく、「ファシリテーター」としてご紹介させていただきます。

菊野陽子(きくのようこ)さん

普段は、「人や組織の本来持つ力を引き出し、存分に発揮する」ためのご支援を主なミッションとして、企業の組織開発、社員育成研修講師、地域のまちづくりプログラムファシリテーター等を行っています。
また、2015年から、小布施町と森と都心をフィールドとして、「社会の中で自分を生きる」ことを探求するプログラム、"小布施インキュベーションキャンプ”を開催。普段は東京に住みながら、仲間と共同で小布施町に古民家を借りて時折小布施を堪能しています。

〈当日の流れ〉

さて、ここからは10月24日に開催した第1回の様子をお伝えしていきます。

▪️自己紹介ワーク
初めて顔を合わせる者同士ということもあって、みんな緊張気味…
というわけで、緊張で固まった身体をほぐすため動き回りながらの自己紹介からスタート!

長野県外の同郷、しかも徒歩10分圏内!という奇跡的な出会いもありました。
共通項が見つかると親近感がグッと増しますね。

▪️場で大切にしたいこと(対話のコツ)
近頃は耳にする機会が増えた「対話」。この場でも「対話」をしていくにあたり、お互い大切にしたいことを確認します。

 ①自分も人も尊重する … どちらかではなく、どちらの意見も大切にする
 ②声に出してみる … 湧いてきたことにはきっと意味がある
 ③耳を澄ます … 違った意見も、そうかもしれないと聞いてみる
 ④共につくる … 声を出し合った上で、枠を超えて一緒に進む

端的に言い表すのは難しいですが、このようなイメージでしょうか。
人によっては違和感を抱くかもしれません。
基準や正解があるわけではないので、とりあえず意識してみるのが大事だと思います。

▪️「自分の想い」を探る・知るワーク
意外と自分のことって「わかっているようで、わかっていない」ものです。
それは、自分が「当たり前」と思っていることが、他の人にはない視点であったり、持っていないものだったりするんです。
そこで周りの人と一緒に自分を知ることから始めていく、そんなワークを行いました。

【自分のことを知るワーク】
①これまでで一番嬉しかった・満たされたエピソードを思い浮かべてキーワードを書き出す
②3人1組になり、1人ずつエピソードを語る
③聞き手は、語り手が大切にしていると感じる価値観(例:誠実、独創性など)をポストイットに書き出す
④ポストイットを語り手に渡し、受け取った感想を話す

はじめの5分は、語り手が自身のエピソードを話す時間です。なかなか言葉が出てこなくて時間を余らせてしまいがちでしたが、

「その時どうしてそう思ったんだろう?」

といったように、聞き手の問いがキッカケとなり言葉がどんどん溢れてきます。

その人はどういう人なのか、どのような背景があるのか…冒頭の自己紹介ワークだけではわからなかった部分を一歩深く知ることができました。

相手を知るだけでなく、人の話から自分の価値観に気づいたという声もありました。

参加者の声

初回から4時間という長丁場、お疲れさまでした。
ただただ「自分のことを話す」、ただただ「感じたことを伝える」と、こんなにも新たな発見や相手の喜びにつながるという体感ができたのではないでしょうか。
自分が話す時も、相手に渡す一言を書いたポストイットを渡す時も、だんだん滑らかになっていったように見えました。

参加者からも下記のような声が寄せられました。 

  • 大切に想っていることが言語化できて良かった

  • 自覚していない価値観を人に見出してもらえて嬉しかった

言葉にして伝えることで得られる効果を早くも実感していたようです。

次回に向けて

第1回では、一番嬉しかった・満たされたエピソードを語ることで自分の価値観を探っていきました。
次回までの期間では、グループではなく一対一で30分ゆっくりと時間をかけて、さらに深掘り(相互インタビュー)をしていきます。

【相互インタビュー】
①2人1組のペアで、聞き手はインタビューシートに基づいて質問します。
②語り手は考え込み過ぎずに、思い浮かんだことを話していきます。
③聞き手は、語り手の話を聞きながら感じたことをメモして共有しながら、
 大切にしている「価値観」と「成功を支える要因」を一緒になって探します。

ペア同士でインタビュー日程を相談中

どんなものが出てくるのか…今から楽しみです♪

回数を追うごとに参加者が変化していく様子も綴っていきたいと思いますので、次回以降も引き続き読んでもらえたら嬉しいです。

執筆:橋本 緑
〈プロフィール〉
新卒で生命保険会社の事務、転職して住宅メーカーの営業を経て、現在小布施町の地域おこし協力隊へ着任。自分の生業をなにとするかは、ただいま探索中。
お絵かきと笑いを愛する人情派な人。


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