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【モバイルハウス型移動図書館】はじめます!

テラソもとうとうはじめます!移動図書館!
それも、誰もが様々な用途で使ってほしいという願いを込めて、
多分(?)公共図書館としてはこれまでにない「モバイルハウス型」の移動図書館です。
軽トラックの荷台に乗る動く秘密基地みたいな小さな箱サイズ。

2022年2月からはこの企画が本格稼働。
はじまるまでのお話と、はじめるうえでの想いを、noteに少しばかりしたためていこうかなと思います。

最初のさいしょ

館長になって間もない頃、ある方がテラソにやってきました。

『福祉施設の者ですが、今度よければ是非、除籍本を譲っていただけませんか?』

もちろん良いですよ!よろこんで!とお答えし、その次の月のこと。
溢れんばかりの笑顔で、お世話になります! と数名のおばあさまがたと一緒に、またテラソにいらっしゃいました。

おばあさま方が和気藹々と、施設に連れて帰っていただく本を選ばれている中、その方からは色々なお話を伺いました。

そこで伺ったのは、、、

『この方々は、今になってやっと本が読める!ってテラソから本をいただけることをとても喜んでいらっしゃるんです』
『幼い頃は戦時中だったり、若い頃は家業を支え、とてもじゃないけれど本を読んだり楽しんだりする余白が少なかった。でも、今になって足や腰は不自由になったけれど、時間はあるし、頭も元気。だからやっと本が楽しめる歳になったんだ、っていつもおっしゃってるんですよ』

ということ。


私は少しびっくりする気持ちと、ハッとする気持ちが湧いてきました。


テラソのご利用者の多くはご高齢の方です。
カウンターで来館者を見ていると、ご高齢の方、ご高齢の方、小さな子ども連れの親子、ご高齢の方、小学生、小学生、ご高齢の方、小さな子ども連れの親子…
くらいの頻度でご高齢の方がいらっしゃいます。


でも、確かに実際に足を運んできてくださる方以外にもたくさん町にはいらっしゃるはずで。
小さな町でも数キロは歩くのが難しかったり、もう免許を返納されていたり、或いは図書館で静かに過ごすことに難しさを抱えていらっしゃる方がいたり…色々な立場の方がいらっしゃるよな。と、その時はじめてハッとしました。


今思えば、多分それが最初の「移動図書館つくりたい」の原点だったと思います。


それから約1年。


テラソのことを勉強し、設立時のコンセプトが
『交流と創造を楽しむ文化の拠点』
だということを活動を通じて理解できるようになってきたころ。
思うようになったのは、

交流が図書館で生まれるのを待ってる。
図書館に来てもらって、図書館で交流をする。

にこだわらなくても、もういいんじゃないか。ということ。

交流が、どこででも、だれとでも生まれる。
図書館が動いていって、動いていった先に人が集まる。

待ちの姿勢から、赴く姿勢に変わっていっても良い頃かな…と思ったとき、

『そうだ!!!!移動図書館作ろう!!!!!』

につながりました。


何を大事に、どうつくる?


移動図書館をつくりたい想いも、つくる理由もできた。

じゃあそれってどんな移動図書館なの?
というコンセプトを考えはじめて、パッと浮かんできたことはこんなこと。

①  全ての人に知的交流や好奇心の刺激を届け続けたい
➁  緩やかな繋がりをつくれるものでありたい
➂ (図書館だけでなく)みんなが使えるものでありたい
④ (図書館だけでなく)みんなで作るものでありたい


やっぱり図書館として「知的交流を届け続ける」情報編集者としての矜持は守っていきたいし、緩やかなつながりのセーフティーネットを守り続ける存在でもありたい!

かといって、勝手に図書館で企画して、はいできました!は、絶対嫌!


そこで目を付けたのが、「モバイルハウス」です。

… モバイルハウス?
もしかすると、初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。


モバイルハウスって何?


平たく言うと、

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↑こんなのです。(写真提供:千葉恵介)

軽トラの上に乗せられるサイズの動く小屋。
軽トラなら、役場の公用車としてもありますし、なんなら小布施町の多くのご家庭にあります。


いつでも軽トラの上に乗せておく必要はなく、着脱も非常に簡単だし、

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↑ジャッキで持ち上げて、ウマをかませたりパイプをかませれば、普通にそのまま自立します。移動させるときは、またジャッキでちょこっと持ち上げて荷台にそのまま積むだけ!(写真提供:千葉恵介)


なにより!中も外も自分たちの理想を詰め込んでのDIYがしやすい!

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↑ サイズの規定はあるものの、目的やコンセプトに応じて素敵に変身できます。こんなレコード聞きながら窓の外を見てコーヒーが嗜める小空間いいな~(写真提供:千葉恵介)


そして、安い!
(ピンキリではありますが、中古のミニバスを改造したブックバスを購入するのの10分の1くらいの値段で出来てしまう!)


想像以上にいろんな人が関われて、想像以上に「本を運ぶ」以外の用途としても多目的に使える変身可能なものになるんじゃないかなと思ってからは、もう!ワクワクが止まりません!!!!


モバイルハウスを持っていた人、つくった人、移動図書館やったことある人、親和性ありそうな人、興味ある人に片っ端から「やろうよやろうよ!」とお誘いして、

令和4年1月、やっと!素敵なチームがたちあがりました!


これからのこと


ここから約半年間をかけて、テラソ流『モバイルハウス型移動図書館プロジェクト』が地域協働ではじまります!

大雑把なスケジュールはこのような感じ。

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2月~3月 みんなでデザイン検討 『模型制作ワークショップ』

4月     設計図・施工図の書き起こし

5月     パーツ切り出し・9月までの制作スケジュールUP

6月~9月 毎週テラソで移動図書館をDIY

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作る過程や成果物、かかった費用、作り方のノウハウなども、全部まとめて大公開予定。

大人も子どもも、みんな混じって、過程全体を楽しんでいけたら…!
と願ってやみません。


一緒にやりたいかた、いつでもご連絡お待ちしています。

今後の本プロジェクトに、どうぞご期待ください😊



次回記事 → 「この図書館、どんなふうに使っていく?妄想大会」

お楽しみに!



記事をお読みいただけるだけでとても嬉しいです。ありがとうございます。 もしもサポートをいただける場合は、図書館企画の運営費として大切に使わせていただければと思います。図書館の進化プロセスを今後もご一緒できたら幸いです。