特異的・母

私の母はナチュラルに面白い
ナチュラルに凄まじい　勝てる気がしない

以前帰省した際、机の上に小さな緑色の石、もっと言えば砂のように小さく細かい何かを見つけた。丁寧に小皿の上に何十粒も乗せていて、まるで手芸屋に売っているビーズのよう。小さな宝石のようにも見える。何これ？と聞いてみると
「あーそれはね、お母さんの宝物！可愛いでしょ！拾ってきたんだよね」
とのこと
拾ってきたと言うことは、何かの鉱物か？と尋ねてみたところ

「いや、近くで車の衝突事故があってさ、事故車は撤去されたんだけど、なんか落ちてないかな〜って散歩に行ったのね。そしたら！めっちゃ道路キラキラしてて！何これ何これ！！ってよく見たら、フロントガラスの破片が散らばってたのお！やーん！！素敵！！って思って、夜中に箒とちりとり持って回収しに行ったの〜。流石に日中に道路掃いてたらやばいかなって。夜中に一人で！で、土とか砂が混じってたから綺麗に洗って、今そこで乾かしてるの〜！！可愛いでしょ！！」

満面の笑みで「みてみてえ〜〜！！」と言っている母。いずれこのフロントガラスの破片を使い、ネックレスと指輪にするらしい。指輪の輪の部分は、ギターの弦のゴミを使う予定だ。
凄まじい

以前は犬の散歩中に、公園に生えている何かしらの草を味見してみて、見事にアレルギー反応が出てしまい高熱を出していた。体に蕁麻疹的な反応も出てしまっていた母に「草食べる時は気をつけてね〜」と言われた。凄まじい

母は本当に面白い
本能的に面白い
ナチュラルにやらかしているのが素晴らしく、もはや憧れてなれるものではない
ナチュラルにぶっ飛んでいる人間は、その特異さに自分では全く気づいていない為、ほんとお母さんっておもしろいわというと「えーどこが面白いの！？めっちゃ普通ー！」と言う

羨ましい