見出し画像

【朗読日記】青空文庫『アリ・ババと四十人のどろぼう』についてと朗読所感

下手くそな素人朗読で、青空文庫の『アリ・ババと四十人のどろぼう』(菊池寛) を読んでみました。
自分としては6こめの朗読になります。

今回のMy朗読モード

今回イメージしたMy朗読モードは、深夜ラジオ風、または病人さんなどの、誰かの枕元で読む感じでした。

元祖千夜一夜物語みたく――といいたいけれど、このお話は千夜一夜物語としては「あとづけ」のお話で、もともとのペルシアの民話集には含まれていないお話だったとか。

ちなみにこのお話に限らず『千夜一夜物語』は後付けの話だらけで、追加したのは後世のヨーロッパ人だそうです。

動画モード

今回はちょっと遊び心(?)のあるものにしてみたけれど、さすがに疲れてしまいました。

Youtube用-菊池寛-千夜一夜アリババ-p10

もっとも遊び心というと楽しそうだけれど、実際のところは句読点以外はそのまま読んでいる私の朗読で伝わるかしら……?という不安から、補足がわりに動画にしてみたという感じかな……。

(甕……「亀」と発音しそうだった!)

お話の概要

このお話は大きくは前編後編、そしてそれをそれぞれ2パートに分けられるといっていいと思います。

前編は、洞窟と宝の秘密を知ったばかりでなく、そのうえお宝まで盗んでしまったアリ・ババ兄弟が盗賊の恨みを買うお話で、後編は、そのために盗賊に命を狙われることになったアリ・ババがその盗賊団の襲撃をかわしてみせるという内容。

簡単にまとめると、こんな感じですかね……。

前編 Part1:アリ・ババ、宝を盗む
前編 Part2:欲張りな兄の死と復活
後編 Part1:復讐編①盗賊団の襲撃計画
後編 Part2:復讐編②盗賊のかしらの仇討計画


以下は個人の感想文です。

お話の感想

このお話のなかで一番気になってしまったは、後編部分におけるアリ・ババの兄夫婦の存在です。

後編は賢い召使モルジアナさんの大活躍で、アリ・ババは盗賊のかしらの復讐を切り抜けることができる――というお話になっているのですが、実は前編部で、アリ・ババは兄夫婦と一緒に暮らしはじめているのです。

そしてこのモルジアナさんというのは、そもそも兄夫婦の家の召使だったはずなのですよね……。

にもかかわらず、後半の復讐話に兄夫婦が一切でてこないのは何故でしょう
……?

その点、ちょっと首をかしげてしまうストーリーでした……。

~素人読み手のつぶやき朗読所感~

今回読んでみたお話の”朗読”についての所感です。

朗読の所感⓵:接続詞「そして」の連続に辟易!

”朗読”にかかわらず、声に出して読んだときに顕著にあらわれてくるのが、同じ接続詞を連続して使用したときの文のリズムの悪さです。

だから自分が文を書く時には、できるだけ同じ接続詞が連続しないように気をつけていますし、小学校の作文の時間にも、同じ意味の違う接続詞を使うようにと、先生が口をすっぱくして言っていたものです。

例えば、「しかし」「だが」「けれども」などです。

だけどもこの菊池寛さんのアリ・ババ話には、「そして」「そして」「そして」と、接続詞「そして」が次々と現れてくるのです――!

その連続度は半端じゃなく、これには本当に辟易してしまいました……。

このお話を読む前には、次はアラジンのお話にしようかなと思っていたのですが、このお話で「そして」の接続詞の多用に出会ったことで、”この菊池寛”はもうムリそう……と諦めてしまいました。

こういうのは、上手にリズミカルに読める人じゃないと、本当にすごく難しいと思います――。

朗読の所感②:「」(会話文)で声を変えようとしてしまう!

「」に引きずられて、声を変えようとしてしまうのですが、これが自分でも嫌でたまりません。

この”声を変えよう”とする読みを、止めよう止めようと思っているのですが、どうしても「」(会話文)がでてくると、それを伝える必要がこみあげてきて、オカシナなつくり声で読んでしまいます。

だけど自分で普通に読んでいる時でさえ別段心の中で声を変えて読むわけでもなし、そもそも台本ではないのだから、セリフの前に、

Aさん:「そうですね」

なんて、記述がなされているわけでもありません――。

だから<本>を読んでいる以上、「声を変える必要」なんてないのだと頭ではわかっているのです――というか、むしろ人物像に偏った影響を与えかねないから、やらない方がずっといいとさえ思っているのです。

……まぁ、うまい人なら変えたってかまわないでしょうけど、自分の場合は本当にひどいものだから、絶対にやらない方がいい――、
自分でさえそう思うのだから、聴いた人は猶更のはず――、
は……恥ずかしい……。

……と、常々思っているにもかかわらずついつい反射的にやってしまうのは、声を変えずに”「」(会話であること)” をうまく表現できない”へたっぴ”であることも理由なのですよね……。

しょ、精進しよう……と思います……。

おわり

青空文庫 作品情報

【作品情報】

青空文庫「図書カード:No.43123」の作品です。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000083/card43123.html

作品名:アラビヤンナイト
原題 :ALI BABA AND THE FORTY THIEVES
副題 :03 三、アリ・ババと四十人のどろぼう
著者名:菊池寛

底本:アラビヤンナイト
出版社:主婦之友社
初版発行日:1948(昭和23)年7月10日
入力使用版:1948(昭和23)年7月10日初版
校正使用版:1948(昭和23)年7月10日初版
入力者名:大久保ゆう
校正者名:京都大学点訳サークル
TEXTファイル作成日:2004-11-02 (修正日:同日)
XHTMLファイル作成日:2004-11-06 (修正日:同日)
備考: 表紙には「アラビヤンナイト物語」と記される。

青空文庫ボランティアのみなさんに感謝感謝です。

この記事が参加している募集

読書感想文

眠れない夜に

”サポート”してもらえたら、自分のしていることにほんのちょっとでも”価値がある”ような気になれて、人生癒されます……。