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「団地のふたり 3」 (ドラマ BS NHK)

初回放送日:2024年9月15日

ネットのフリマに出した昭和レトログッズのバブルが終わったものの、相変わらずまったりと食卓を囲む野枝(小泉今日子)と奈津子(小林聡美)。そんな中、昔団地に住んでいた同級生で野枝の初恋の人だった春日部(仲村トオル)が、母親の恵子(島かおり)を連れて戻ってきた。恵子はかつてPTA役員を務めるなどしっかり者だった女性。みんなで再会を喜ぶが、恵子は認知症を患い、息子のことも認識できなくなっていた。
(以上 公式サイトより)


第1話から毎回楽しく懐かしい気持ちで見ているが、老いた親との関わりを描いた今回は特に秀逸だった。

日頃お気楽に過ごしている(ように見える)、団地住まいの幼なじみ女性ふたり。
初回では近隣お一人様老女宅での網戸張り替え、2話では捨て猫騒動。
そして今回。懐かしの初恋相手との遭遇で恋物語になるのかと思いきや、痴呆症の母親をどうすれば良いかというとてもシリアスなテーマを提示する。

私は主役二人に近い立場なので、その目線で毎回大笑いして見ていた。が、そうよ人生そんな楽しい事ばかりではないと、改めて真面目な議題を突きつけられたような気がした。
堅苦しい討論番組ではなく、気楽に見られるドラマの中で、このように避けられないテーマをさりげなく提示する方が、むしろその問題を真面目に考えられるのではないだろうか。
主役のキョンキョン&小林聡美が演技ではないくらい自然にドラマを展開していくので、歳の近い視聴者はなおさら自分ごととして共感してしまう。凄いなぁNHK!

イケメン新選組&クドカンの野戦病院が終わって、ドラマフヌケになりかけたところに、スポッと入り込んできたこのドラマ。良いよぉ、凄く良い。
先出のドラマに負けないくらい、こっちも名優ぞろい。
さらに懐かしい昭和のネタも満載で、ノスタルジーに浸りつつも現在の問題点にもふれているところが、凄い。
今回はキョンキョンと小林聡美が出だしにサイモンとガーファンクルをハミングしてるのに、自然に「夜明けのスキャット」に変わってしまう。
中盤には「夜明けのスキャット」が持ち歌の由紀さおりが、ドラマの中で「君といつまでも」や「銀座の恋の物語」を歌う。
いいわぁ、こういう演出。勝田夏子さん天才!

NHKのプレミアムドラマは、丁寧なつくりが本当にプレミアムな感じで良い。
このドラマは更にその上をいく、映画のようなつくりが本当に素晴らしいと私は思う。



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