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新プロジェクトX (ドキュメンタリー NHK)

旧作アンコール 命の離島へ 母たちの果てなき戦い

初回放送日:2024年6月29日

終戦後、沖縄では水道施設が壊滅。川の水を生活用水にすると感染症がまん延した。医師は軍医に駆り出されて亡くなり、極度に不足した。窮状に立ち上がったのは100人以上の女性たち。現在の保健師にあたる「公衆衛生看護婦」となり、各離島で島民の命を守る。結核の疑いがあっても「周囲に知れると困る」と追い返されるが島民に誠実に向きあい、信頼を得ていく。79回目の沖縄慰霊の日を迎え、女性たちの奮闘秘話をアンコール。
(以上、公式サイトより)

6月23日は沖縄戦慰霊の日である。
8月6日の広島原爆の日、8月9日の長崎原爆の日、そして8月15日の終戦記念日。これらに比べると少し影が薄い印象を受けるが、6月23日も日本人が決して忘れてはいけない日なのである。

2005年5月に放送されたものを今回アンコール放送をしたそうだが、本当に衝撃を受けた。
なぜなら「公衆衛生看護婦」と言う存在も知らなかったうえ、戦争で壊滅的な状態にあった沖縄の医療を女たちが支えていたなんて。そんな事実はこの番組を知るまで全く知らなかったからだ。

アメリカ軍政府の女性官僚ワニタ・ワータワース氏の指示であったとはいえ、それに必死でしがみつき誠実に向き合った金城妙子をリーダーとする女性たちの誠実な姿勢は、まさに日本の戦後医療を支えたと言えるだろう。

当時看護婦であったもの、教師や養護教育師であったものなど、100名以上の沖縄の女性が集まったと言う。その中には、夫兵隊に取られ、女手ひとつで家族を養わなければならない立場の者もいただろう。

今のように車や携帯電話など便利なものもない。
戦争でめちゃめちゃにされた沖縄の土地と人とその心を、希望へと繋げたものは、彼女たちの志に他ならない。
我が子を亡くしても、公衆衛生看護師として職務を全うした女性もいた。
患者の心に寄り添って全身全霊で医療にあたるその姿勢に、「真心」とはこういうものかと胸を打たれた。

働く母の背中を見て、子ども達もつい信念を持って、生きていったと言うサイドエピソードにも感動した。長男は医療関連の技術を研究し、病気の後遺症で障害を持つ次男は単身アメリカで医者になった。
子は親の背中を見ている、というのは真実なのだ。親でなくても、人としてちゃんとした背中を見せるのが大人の役目だと、改めて強く思った。

こういう番組は何度でもアンコール放送して欲しい!




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