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嵐が丘 (映画 1939)

エミリ・ブロンテの小説を映画化。
高校時代に本を読んだが、映像化作品は初めて見た。知ってる俳優はローレンス・オリヴィエのみの白黒作品だったが、1時間45分のちょうど良い長さで最後までダレずに見れた。

ヒロインのキャサリンは、「風と共に去りぬ」のスカーレットを少しおとなしくした印象。原作は「嵐が丘(1847)」の方が90年ほど出版が早いので、もしかしたらマーガレット・ミッチェルはキャサリンを原型にしてスカーレットのキャラクターを作ったのかも。

見ようによっては「ロミオとジュリエット」や「金色夜叉」「牡丹灯籠」風な箇所もある。そして現代日本の昼ドラにも、今作を踏襲したような作品がいくつか作られていたようだ。

様々な見せ場のなか話が進んでいく。電話も携帯もない時代ならではの"人と人とのすれ違い"が、物語の悲劇を演出する。そう思うと、人の感情がそのまま人生に直結するような、本能が人を動かしていた時代に思えてくる。

とはいえ、150年以上経っても人の想いが紡ぐ物語は普遍なのだと思わせる作品だった。今も昔も、結局は人の想いが人の生き方を決めるのかもしれない。


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