oboemasa

スウェーデンで学び、チェコの楽団員を経たオーボエ奏者。好奇心を音にする人。

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スウェーデンで学び、チェコの楽団員を経たオーボエ奏者。好奇心を音にする人。

最近の記事

音楽するのはアナログかデジタルか

『スマホの電話に出たところ、ベートーヴェン第7交響曲の1stオーボエを 吹かないかとの依頼だった(デジタルの恩恵を受ける。以下D)。久しぶりのオーケストラ演奏に心躍った(デジタルと無関係。以下ND)。詳細は決定 次第メールにて連絡(D)、楽譜は郵送してくれるとのことだった(ND)。  スコアを見ようと思ったが、息子に貸していて手元に無いのでIMSLPのサイトにアクセスする(D)。自筆譜も載っていると軽い気持ちでダウンロード(D)した後、それが第2次大戦前ドイツから疎開措置でポ

    • 太陽が眩しくて思うこと

      あんまり暑くて夏はキライだと呟いた時、太陽がいけないんだ燃えたぎり過ぎているからと考えたオーソレミオ。 私には始まりと終りがあり、どうやら何でももそうらしいと気付いたのはいつものオンザソファリビングアットホーム。 暗黒の中に浮かぶオアシスたる地球の未来は50億年だかの時が経つと末期の太陽に飲み込まれてメルトアップ。 私らのセンパイが始めたとかの戦争だかが負けに終わって79年位が過ぎた今、目につくAIの能力ってものが既にライクアシンギュラリティ。 そんな僕らのコーハイの

      • AIと隣のアルファケンタウリ

        天文学にご興味お有りですか。そして宝石とそのきらめきや輝きについて。 あと何でしょう、自分達の素敵な家を爆破する予定なのか?というような現在の一部の人類の振る舞いによる状況変化への関心とか。 それとは別に昨日、ダイヤモンドの屈折率が真空の2.4倍ということを知りまして。故に中を通ってきらめく光の速さは真空の4割くらいに遅くなるのだと。その時の思いつきはこうです。 ①地球危うしのメッセージを宇宙人に伝えてアドヴァイスをもらおう。 ②ここから最も近い恒星系アルファケンタウ

        • 映像と音楽

           クラシック音楽を演奏する時に大事なのは楽譜です。そこに書いてある音符や記号から作曲者の意図を読み取り再現するのが演奏者の仕事、という解釈は王道だと思います。暗譜で演奏するときでも間違ったり飛んでしまったりするのを防ぐために楽譜を映像として記憶して、それを見ているということもあります。その意味で奏者は、演奏時に視覚を使っているとも言えます。  音楽が聞こえた時また聴いている時に映像が浮かぶということがあるかもしれません。そして映画に使われる音楽、音響⇔視覚効果という関係。ま

        音楽するのはアナログかデジタルか

          伴奏オーボエの可能性

           オーケストラポジションとしてセカンドオーボエという席がある。私がこれまで思っていた性格として、出しゃばらず控えめに縁の下で力を発揮、というような点が挙げられる。これは一理あるので誤りではないだろう。しかし最近想いを新たにした。もっと主張してみよう、時にはファーストを引っ張ることすら否定せずにということだ。もちろん節度をもってであることは当然であるが。  これを協奏曲やソナタにも適用してみよう。ついていくだけではなく、ソロパートの唄心を引き出すような伴奏。影の濃さでソロの輝き

          伴奏オーボエの可能性

          ブラームスから浪漫に触れる その3

          ブラームスについての個人的な記憶を挙げてみた。文字にすると自分のことなのに面白い。きっかけ、キーワード次第で記憶は蘇るのだと実感している。 ⑦2枚目のCDタイトルを《Oboe=Dance》として選曲していく中でブラームスのワルツを入れた。勿論好きな曲だったけれど、みんな聞いたことあるだろうからという程度の軽い気持ちだった。ブラームスを演奏するなら何事も熟慮の末に決定すべきではないかと今なら思う。とはいえ凄い人が考え尽くした結果があるのだから単純に使わせてもらうのも有りかなと

          ブラームスから浪漫に触れる その3

          ブラームスから浪漫に触れる その2

           私の個人的な記憶。ブラームスのことを考えていたら、沢山昔のことが思い出された。断片、瞬間的だけれどその時の気持ちや声音も思い起こされて、時間旅行した気分になった。   ①高校時代に吹奏楽部のトロンボーンの同級生と何気なく話していて「ブラームスの交響曲って4つとも全部良いよね(何のことだか分からないなあ、そういうものなのか)」。早熟!ブラームスは人生経験の多少に関係なく魅力があるということか。 ②二十代半ばでスウェーデンに留学を決める時に師匠がサービスで吹いてくれた交響曲第

          ブラームスから浪漫に触れる その2

          ブラームスから浪漫に触れる その1

           ブラームスは好きかと聞かれたらすぐに応えられない。オーボエ奏者なら、オーケストラに関わるなら、クラシック音楽を聞くなら、ブラームスを避けて通るのは難しいだろう。私は避けるわけではないが、特别な想いは無しに勉強してきた。オーケストラの有名パッセージ集をさらったり、学生オーケストラの授業、ヴァイオリンやクラリネットソナタの分析などであるけれど…これから分かるのは、私はブラームス好きなんだな、ということだ。  なのに即答できないのはなぜだろう。著名過ぎる、王道すぎる、重厚過ぎで時

          ブラームスから浪漫に触れる その1

          シューマンのオーボエ協奏曲を吹くと決めた。その5

           クラシック音楽とどう付き合うべきなのか、以前から考えていた。未来を考えてもよく分からないから歴史をたどっていた。私に見える過去はこうだ。数百年前にキリスト教の典礼に音楽が使われ出してから時は経ち、今から千年前に楽譜が使われるようになった。それから700年ほどして西洋音楽の最盛期が200年位続いた。その間たくさんの技術的な発明があり、音楽を記録することが出来るようになった。同時期に映像も加えた表現が可能となり、それはデータとして簡単に世界中に発信できるようになった。現在コンピ

          シューマンのオーボエ協奏曲を吹くと決めた。その5

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その4

           クラシック音楽とは何ですか?と問われたら、今の私は「冒険です」と答えたい。地球が小さくなった今日秘境を旅するのは難しいだろうけれど、クラシック音楽を用いると地理と歴史両方の軸で旅、さらに冒険をすることが出来る。楽譜や楽器をきっかけに作曲者の活動していた場所と時代に飛ぶのだ。通常の曲を真っ当に演奏するだけでも、誰の曲をどの楽器でどのように演奏するかによって旅の楽しみ方が変わる、と私は思う。ある曲をこれまで演奏されたことのない楽器で演奏することで、オリジナルとは違った雰囲気や気

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その4

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その3

           シューマンについてそれほど思い入れもないのに、なぜ協奏曲を演奏すると、いや「実現する」と決めたのか?  まずそのような曲は存在しない。当然ながら誰も演奏していないので、実現するという言葉を使った。とはいえ元にするべき曲はある。チェロ協奏曲である。当時演奏されるにあたって一騒動起こった曲、そして喜ばしいことに全く素晴らしい曲。  そしてシューマンの特性として、演奏される楽器の音色にそれ程こだわりが無いこと。どの音色で奏でられようと、私の音楽が伝われば良いのだというような方

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その3

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その2

           シューマンの一番有名な曲は何だろう?多分トロイメライ(子供の情景の七曲目)だろうか…そうだこういう時こそAIに聞くべきだろう。マイクロソフトのBingのチャットモードとやらで確かめてみたところ、「子供の情景」や交響曲第一番・春とかクライスレリアーナ等ということで私の予想も外れてはいない。と同時に私のシューマンに対する知識がほとんど無いということも明らかになった。これではいけない、タイトルの方向と真逆に向かってしまうのは。  確かに私はシューマンをよく知らない。そして前のn

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その2

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。

           1ヶ月程前に図書館からCDを借りた。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲とシューマンのチェロ協奏曲のヴァイオリン版のカップリング。借りてはみたものの返すときまで聴かなかった。何となしに気が乗らなかったのだ。ショスタコーヴィチ…ロシアの、いやソ連の作曲家で、あとはよく知らない。シューマン…室内楽でいくつか曲があるのと、もちろんトロイメライと、あとはよくわからない人だ。そうだ、メロディの繰り返しの多い人!なので歌い方とかよくわからない曲を書く人、かなあ。

          シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。

          タンパク質由来の音を聴いた私の身体が健やかになる

          ①イメージ                                メタバースにアクセスした22世紀の私。巨大な夕焼けを背景にゆったり漂うように大陸間移動するビークルを操りながら、クラシックの壮大なピアノ協奏曲を聴く。視覚・聴覚・触覚から生身の素晴らしさと同時に宿命としての儚さを認めながら疲れをいやす。曲の背後に聴こえるもう一つの調べはタンパク質の配列から生まれた音であり、それが薬効を持つことは21世紀の後半に科学的に明らかとなった。 ②事実            

          タンパク質由来の音を聴いた私の身体が健やかになる