シューマンのオーボエ協奏曲を実現すると決めた。その2

 シューマンの一番有名な曲は何だろう?多分トロイメライ(子供の情景の七曲目)だろうか…そうだこういう時こそAIに聞くべきだろう。マイクロソフトのBingのチャットモードとやらで確かめてみたところ、「子供の情景」や交響曲第一番・春とかクライスレリアーナ等ということで私の予想も外れてはいない。と同時に私のシューマンに対する知識がほとんど無いということも明らかになった。これではいけない、タイトルの方向と真逆に向かってしまうのは。

 確かに私はシューマンをよく知らない。そして前のnoteにもつい本音を書いてしまったように、分かってもいない。ここでもう一つの軸を持ち出そう。興味の有無だ。私のオーボエ奏者としての経験から「3つのロマンス」を挙げることにしたい。この曲は知っているし、オーボエ奏者ならレパートリーに加えるべきであり、つまり興味がある。そしてやはり本音でいうと理解出来てはいない。ある程度の分析はしてはいるのだが、不足だ。というのはこの曲を演奏してみれば分かるのだが、同じパッセージの繰り返しが多いので、どうしたら素敵に聞こえるのか分からないのだ。
 吹いてみたら分かる、などと書いてしまったのでもう少し本音をお伝えしよう。この曲を吹き通すのは、しんどい。長いパッセージでありかつ休息もとりにくい。そもそもオーボエは細い吹き口に、圧力の高い息を吹き込む必要がある。それに打ち勝つ口周りの筋肉が必要なのである。短時間でもそれなりに筋力を要するのに、それが長時間になると辛いという感想になる。
 そこでもう一つの指標、好き嫌いについて敢えて書くと、演奏するのは嫌いだが聴くのは好きということになる。トロイメライの雰囲気、夢のような柔らかさ、しみじみした心の内側をな覗き込むような雰囲気が、シューマンらしくて好きなのだ。

 何だかあちらこちらに飛んでしまった。さらに進んでみよう。人の気持ちというのは、自分自身のことでさえ、そして自分だからこそはっきりとは決められないのかもしれない。般若心経の世界が思い起こされた。それはずっと以前から明らかだったのだ。


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