伝統芸能
伝統芸能と呼ばれるには
歴史が必要なんだろう。
創始者が、もうずーっと昔に存在して、弟子をとり、脈々と受け継がれてきた作品。それが伝統芸能ってやつなんだろう。100年、いやもっと長い年月が必要なんだろう。
では果たして僕の作品、キャラクターたちは、伝統芸能になり得るのだろうか。
答えはNOである。
そもそも僕は一生、弟子なんて取るつもりはないし、師匠と呼ばれる筋合いもない。
キャラクター達の知名度が全国区になるという事も、想像ができない。
僕の死=
例えば、ウォルト・ディズニー氏。彼が亡くなったあとでも、ディズニーランドは拡張し続けているし、映画も作られ続けている。すでに伝統芸能の域に達しているだろう。今後もディズニーブランドは数百年は続いていくはずだ。
僕の作品やキャラクター達は、僕が死んでしまったらもう、続編が描かれる事はないし、終焉を迎える。誰も僕の作品の跡を継ぐ人はいないし、させたくもない。
せいぜい僕が生きている間の数十年が関の山で、やがて忘れられていく。
でも、それで良いと僕は思っている。
伝統芸能の創始者が、現代に甦ったとして
「あれ、わしが作った時となんか違う…」
って、なってしまう気がするのだ。
後継者が、創始者の技術をアレンジしちゃったりして、そして次の後継者がまた少しアレンジして、そうやって伝言ゲームのように徐々に変わっていく。全く同じ完コピ品が引き継がれていくなんて、無理だと思う。
僕のキャラクター、白ねこおびちゃんが、もし仮に後の世代に引き継がれていったとして、白クマおにちゃんとかになってしまったらどうしよう。
後継者、何やってるのよ、と僕は草葉の陰で泣いてしまうだろう。
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