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ヴォイニッチの科学書

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#宇宙

天の川の「向こう側」に隠されていた数百個の銀河を発見



夜空を見上げると空気のきれいで街の明かりの無い地域では美しい天の川を見ることができると思います。天の川は天の川銀河に含まれている太陽の仲間の星々の姿ですが、天の川銀河の外の宇宙がどのようになっているのかを観測しようとすると、天の川方向はこれらの星々が邪魔になって観測することができません。そのため、これほどまでに天体観測技術が進歩した現在であっても、天の川の向こう側に何があるのかはわかっていませ

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球状星団で人を探そう



地球外知的生命探しは今も熱心に行われていますが、最近注目されているのが球状星団です。米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの発表によると、球状星団には非常に長い歴史をもち、高度に発達した文明が存在するかもしれないとのことです。

球状星団の星のほとんどは誕生してから100億年もたっていますので、長い期間安定して惑星をはぐくむことができます。その結果、生命が誕生して高い技術を発達させること

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宇宙最大のブラックホールはこいつだ

下の画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した巨大楕円銀河 NGC 4889 です。画像の真ん中少し下に丸い中心部分があってそこから画面一杯に白いもやが広がっているのがそれです。NASAとESAの観測によって、ここに宇宙最大のブラックホールがあることがわかりました。

ブラックホールの大きさといえば地球よりもはるかに小さいというイメージがありますが、このブラックホールは太陽系の15倍もの大きさがあって・・

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連星系の惑星形成も割と普通っぽい



Saxton (NRAO/AUI/NSF); ALMA (NRAO/ESO/NAOJ)

この写真は地球から450光年離れたところにある連星系「HD 142527」です。ドーナツのような真ん中の黒い部分の中心にぼんやりと赤い小さなかたまりがありますが、その中に2個の星が入っています。その周りを取り囲むドーナツの「身」の部分はガスやチリです。この連星系をアルマ望遠鏡で観測したところ、写真の上部、

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8月11日には登りたい、標高4000メートルのライト山@冥王星

このうれしさはサラリーマンにしかわからないっっ!

という新制度が今年スタートします。そう、新たな休日「山の日」8月11日です。

8月11になった科学的、歴史的根拠は無いそうで、意外と休めないお盆休みに長期休暇を取りやすくするために設定されたのだそうです。だったら、日付決め打ちじゃなくて、柔軟に動かしてくれないと、土曜日や会社指定の盆休みに重なったら泣くしかない・・・・。
#祝日が土曜日になっ

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Chapter-586  ブラックホールは明るかった

2016年1月30日 Chapter-586  ブラックホールは明るかった

ブラックホールと普通の星がペアになって連星系をX 線連星といい、ブラックホールに向かってペアとなっている星からガスが流れ込み、降着円盤というガス円盤が形成されます。

X 線連星の中でも、不定期にアウトバーストと呼ばれる急激な増光現象を起こす天体をX 線新星といいます。その内の一つである「はくちょう座V404 星」は

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金星に縦縞を発見

2015年12月に金星周回軌道への投入に成功した金星探査機「あかつき」が赤外線で撮影した金星の様子がJAXAから公開されました。波長 2000ナノメートル(人間が見える可視光線は600ナノメートル付近)で撮影された画像で初めて、金星の南北方向の模様が発見されました。

この波長で撮影すると雲の厚さを反映した画像を得ることができます。明るい部分は雲が厚いことを示していますので、自転に伴う東西方向の大

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月の内部構造がだいぶわかってきた

これまで月の中心部分がどのようになっているのかはよくわかっていませんでした。

40年にわたり続けられている月の回転のレーザー観測や、月の重力分布を超精密に測定できるNASAの月探査機「グレイル」の観測結果から、月の内部構造がわかってきました。固いマントルの下には想像していたよりも厚い柔らかなマントル層があるようです。

グレイルはNASAが2011年9月に打ち上げた双子探査機で、2012年3月か

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最も遠くの高エネルギーガンマ線天体



東京大学、京都大学、東海大学などによる国際共同研究において、高エネルギーガンマ線天体としてはこれまでの観測史上最も遠くにある「PKS1441+25」を発見しました。75億光年彼方で発見されたこの天体は活動銀河核と呼ばれる超巨大ブラックホールで、上はそこの天体を近くから見た時の想像図です。

観測にはスペイン領カナリア諸島にある双子のチェレンコフ望遠鏡「MAGIC」が使用され、この天体から放出さ

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宇宙最大のブラックホールはこいつだ

下の画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影した巨大楕円銀河 NGC 4889 です。画像の真ん中少し下に丸い中心部分があってそこから画面一杯に白いもやが広がっているのがそれです。NASAとESAの観測によって、ここに宇宙最大のブラックホールがあることがわかりました。

ブラックホールの大きさといえば地球よりもはるかに小さいというイメージがありますが、このブラックホールは太陽系の15倍もの大きさがあって・・

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