月の内部構造がだいぶわかってきた

これまで月の中心部分がどのようになっているのかはよくわかっていませんでした。

40年にわたり続けられている月の回転のレーザー観測や、月の重力分布を超精密に測定できるNASAの月探査機「グレイル」の観測結果から、月の内部構造がわかってきました。固いマントルの下には想像していたよりも厚い柔らかなマントル層があるようです。

グレイルはNASAが2011年9月に打ち上げた双子探査機で、2012年3月から3ヶ月弱をかけて月を周回しながら重力の精密測定を行いました。双子探査機が並進する場合、月の重力が大きな部分・・・つまり、月の地下の密度が高い部分・・・上空では両探査機が月に引っ張られるために距離が近づきます。一方で、密度が小さい部分上空では、軌道がわずかに上昇するため二機の間隔が広がります。これを利用して両探査機間の距離を精密に測定することによってグレイルは月の重力マップを作成しました。

ちなみに、この双子探査機、「エッブ」と「フロー」と名付けられていますが、「チノ」と「ココア」だったら良かったのに、と心の中で思っている男性諸氏も多いことでしょうね。


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