大庭和佳子の子育て人生4

4,結婚と仕事と出産と子育て
1992年、名古屋で新婚生活を始め、中部支店で営業に配属。1994年第一子を出産、育休を1年間取得して、復帰後が本当に大変であった。当時時短勤務はなく、定時が17:45で、19時までに保育園にお迎えに行くわけだが、仕事は中途半端になっても定時で切り上げるしかなく、お迎えに行けば、我が子はいつも一番最後でせつなく、本当に涙が出てきた。集団生活で息子は高熱をよく出すし、休んでばかりもいられないので、遠方から母が駆けつけてくれたこともあった。基本私が送り迎えで、どうしてもお迎えできない時は夫が都合をつけていってくれた。
仕事を終えて急いで保育園に向かい、子どもを連れておしめやお昼寝用の布団を肩にかけて、帰宅しながら見上げた星空を、今も思い出す時がある。言葉にしがたい疲労感とやるせなさで、今も胸がきゅんとする。

当時は男女雇用機会均等法が施行されて、育休が1年取れるだけでもラッキーだと思っていたが、現在では2年3年の育休取得も可能であるし、時短勤務やテレワーク導入などもあり、良い時代になったと思う。ただ、未だに時短勤務や育休は女性がとるものであり、男性の育休取得も日本では広がっていない。
反面、子育ては片手間に出来ることではないとも思っている。大人の都合で、預けっぱなして有能な良い子が育つとは思えない。これまで子育てのために母親だけが多くの年月を費やしてきたのを、父親と母親が平等に担いつつ、男性も女性も仕事を実現することが理想であるが、極めて難しい問題であるし、私もすぐに結論が出せない。保育園を増やすだけでは、この問題は解決しない。例えば男性も子育て中、時短勤務をしながら昇進できるようにできないものだろうか。考え始めると、行きつく先は、政治家や企業の経営陣に男性しかいないことが原因としか思えない。女性の抱えてきた問題を男性が解決できるわけがない。本当に困った経験のない人に、本質的な問題など見えるわけがない。

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