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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:32 浪江町の今

7年ぶりの浪江町は、ずいぶん変わっていた。JR常磐線は2020年に運転が再開され、浪江駅の線路にもうもうと生えていた草はない。廃校になった浪江小学校、浪江中学校は更地になり、役場に程近い6号線沿いには真新しい道の駅がオープンして観光客を招き入れている。地震の影響でガタガタだった道路は綺麗になり、帰還した町の人も多くなっているようだ。しかし、玄関先に草の生えた空き家も目立ち、町のあちこちに原発事故の傷痕が残っている。
 
請戸海岸に向かう。営業再開された請戸漁港から福島第一原発を望遠すると、真新しいコンクリートの堤防が真っ直ぐに伸びていた。以前に撮った崩壊した集落の名残は“震災遺構”として残された請戸小学校だけだ。
 
7年前と変わらないのは、今もトラックで続々と運ばれてくるガレキの仮置き場とそれを粉砕するための処理施設。波の音に混ざって重機が金属を潰す音が鳴り響いている。

映画公式サイト
https://saibancho-movie.com

宣伝費を募るクラウドファンディング
https://motion-gallery.net/projects/saibancho-movie


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