小原浩靖

TVCMなど映像広告の監督作700本以上。2020年ドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』で第26回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、第38回日本映画復興賞奨励賞を受賞。2022年9月映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』公開。

小原浩靖

TVCMなど映像広告の監督作700本以上。2020年ドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』で第26回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、第38回日本映画復興賞奨励賞を受賞。2022年9月映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』公開。

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  • 『原発をとめた裁判長』監督日記集

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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:120 5月の農場

2023/5/18 快晴  5/19雨。久しぶりに二本松の農場で撮影。 撮影ということは続編のためか?と思う人もおられるだろうが、資金の問題と映画としての企画問題があるので現時点で続編は未定である。未定ではあるが、撮るべきものがあるので撮影してきたというワケです。 真夏のような日差しに映えるのは見事な小麦畑。小さな花を咲かせてすくすく育っている。収穫は7月上旬とのこと。 黄色の花を咲かせたカラシナは、イエローマスタードになって二本松営農ソーラーのネットショップで売られるは

    • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:119 上映会登壇

      2023/4/23 曇り。 2月から始まった自主上映会は現時点で全国から59のお申込が来ている。本日までに30の上映が終わり、3,300名超のお客様にご覧いただいた。 樋口英明元裁判長、河合弘之弁護士、二本松の近藤恵さんをトークゲストにお招きいただく上映会も多い。 自分もたくさんの主催者さんからお招きをいただいている。 大変うれしいことに上映会でご覧になった方がさらに上映会を開催してくださるという連鎖が生まれている。こういうことがあると本作には確かな力があるのだと自信を持て

      • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:118 伊方原発抗告審

        2023/3/24 広島は曇天。 映画のクライマックスで残念ながら却下となった伊方原発差止仮処分。その即時抗告審の結果が3月24日に出ると樋口さんからお知らせいただいたのは、ひと月ほど前。これは撮りに行かねばと、ひとり機材を背負って広島へ向かった。 裁判所前には早々とメディア陣が集まっていた。原告団の方に結果発表後の段取りを訊く主要メディアの記者は、どこも20代と思しき若い人が多かった。あとで原告の哲野さんに聞いたところ、若い記者ほど熱心に取材してくれるらしい。 樋口さんが

        • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:117 12年

          2023/3/21 晴れ。12年前の 2011年3月11日14時46分18.1秒。自分は何をしていたかというと、東京港区の北青山で撮影をしていた。正確に記すと、揺れが始まったのは国道246号に停めたロケバスからスタッフとキャストが降りた時だった。地下鉄青山一丁目駅の出口から大勢の人が出てきて騒動が始まったと感じたが、自分たちは撮影のためにロケ場所であるレクサスのショールームに入っていった。 不思議なもので、どんな騒動が始まろうが撮影は毎度一刻を争う作業だから次から次へと撮ら

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          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:116 自主上映会 a go-go!

          2023/2/28 晴れ。 全国27の劇場公開が終わった。これからも劇場で公開されることもあると思うが、自分としては、自主上映会を増やすことに注力し始めている。 自主上映会は昨年末に募集してから既に全国34団体からのお申込みをいただいている。すごく沢山でありがたい!自分は劇場で70回近く舞台挨拶に登壇して来たが、パンフレットをお買い求めの方にサイン会をすると毎回最低でも2名から「自主上映はいつからできますか?」と質問を受けていた。これはもの凄い数で、自分が把握するだけでも15

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:115 東京凱旋結果

          2023/1/31 晴れ。シモキタ興業回想。 1月4日から26日までの下北沢のエキマエ-シネマK2の東京凱旋公開が終わった。 先の日記で目論んだように毎日映画コンクール受賞は成らなかったが、自分にとっては努力が報われた興業だと言える。 トークゲストの人選は正解だった。登場人物の樋口英明元裁判長、河合弘之弁護士、二本松の農場長・塚田晴さんはもちろん、ピースボート共同代表の畠山澄子さん、ピーター・バラカンさん、NO YOUTH NO JAPAN代表の能條桃子さん、ジャーナリストの

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:114 メインストリーム

          2022/12/27 晴れ。 第77回毎日映画コンクールのドキュメンタリー部門賞にノミネートされた。 7つのドキュメンタリー作品が選出されていて結果発表は2023年1月末、表彰式は2月14日だ。ノミネートされた時点で新聞やSNSなどに本作のタイトルがたくさん出たので良い宣伝になっている。 その効果のほどは1/4(水)から公開の下北沢のエキマエ-シネマK2に表れるはずだ。 K2の公開は1/17(火)までの2週間を予定されているがお客様の入り具合によって延長も大いにあり得る。1週

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:113 なかにし礼さん

          2022/12/15 晴れ いかに今年がアッという間に過ぎたのかというと、まだ夏の感覚でいると表現すればわかってもらえるだろうか?気分はあのクラファンに必死になりながら劇場営業に精を出し、宣伝に懸命になっていた暑い季節のままだ。 つまり公開から3ヶ月を過ぎても必死のパッチでこの映画を広めようとしている。 気分は暑いが気温は冷たい。web用の広告を作ったり、自主上映会のホームページを作ったり、興行収入の精算をしたりしてパソコンにかじりついてると、暖房をかけるのを忘れて手足の先

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:112 お正月映画で東京凱旋

          2022/11/23 実家は雨。全国26館公開の本作はすでに20館が上映終了している。地域によってバラつきはあるが、概ね平均点以上の動員で喜んでくださった劇場さんが多い。3月から劇場への営業を始め、暑い夏へと向かうにつれて公開館が増え始めた。自分は夏が好きなので気持ちも昇り調子で秋に差し掛かると26館まで増やすことが出来た。新人映画セールスマンとしては、まずまずの仕事ぶりだと自負しているが、巨大映画会社の配給作品が300館も開けていることを考えるとささやか過ぎる。 好きでは

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:111 舞台挨拶 a go-go!

          2022/10/22 快晴。映画公開から今日で52日目になる。ありがたいことに各地でご好評をいただいていて、地域差はあるものの劇場さんからは概ね平均点以上をいただいている。 舞台挨拶は、今日の横浜ジャック&ベティで36回目の登壇。自分ひとりで話す場合、約15分の間に映画その後の裁判のこと、農場のこと、樋口さんの著書の紹介、パンフレットの紹介をする。この喋りがなかなかウケて本やパンフレットを沢山お買い上げいただいているのだが、なんだか面白トーク度が上がってきて、ちょっと胡散臭

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:110 公開4週目突入

          2022/9/30 晴れ。 東京の劇場ポレポレ東中野での封切りから20日目を迎えた。初日と2日目は満席。その後もありがたいことに好成績ではあるが、満席には至っていない。2度も満席のお客様を見てしまうと、またあの光景を味わいたいと思うのが健全な欲求で、それを実現しようとして宣伝を工夫しているが、思うようにいかないのが興行というものなのだろう。 監督であり映画宣伝・配給マンでもある自分は、地方4都市へ舞台挨拶に行った日以外は毎日ポレポレ東中野で舞台挨拶に登壇し、お客様と触れ合い

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:109 キネマ旬報で高評価

          2022/9/22 キネマ旬報10月上旬号。服部香穂里さんによる『原発をとめた裁判長』レビューは、監督小原が舞台挨拶後にお客様たちと会話して得たご感想をギュッと凝縮したような純度の高さ。圧倒的筆力が輝いています。 <映画サイト> https://saibancho-movie.com

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:108 初日満員札止め

          2022/9/10 晴天。ポレポレ東中野での封切り日を満席で迎えられた。本当にうれしい。札止めでお帰りいただいた方々も沢山いて、わざわざ劇場にまで来てくださったのに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。急いで来られた方も多かったのにと思う。 映画は娯楽だが、劇場に来ることは行楽だと思う。到着までの道中、”どんな作品だろう?”、”いい席とれるかな?”、”おもしろいかな?”と巡らせる思いは、キャンプに行ったり、旨いもの食べに行くまでの気持ちと一緒だろう。 また、本作をご覧になっ

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:107 週刊プレイボーイ!

          2022/9/5 快晴。 本日発売の週間プレイボーイに原発をとめた裁判長・樋口英明さんと古賀茂明さんの対談が、なんと4ページにわたって掲載されています。これは古賀さんから映画へ贈られた猛烈なエールです。雑誌が売れない昨今において、書店はもちろん、コンビニや駅売店で売られ続けている週刊プレイボーイ。読者のみなさんはもちろん、それを超える宣伝効果は計り知れません。樋口さんの本気×古賀さんの本気はどこまで波及するのか! ぜひ、ご購読ください! それにしても本作ご紹介の記事には美女

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:106 パンフレット成る!

          2022/9/1 晴れのち豪雨。パンフレットが出来た!ウチに京都の印刷工場から1000部届いた。ポスターをデザインしてくれた杉山聖吾さんと2人で作ったパンフレット。本を作るなど初めてのことだ。届いたダンボール箱を開けるとインクの匂いがフワッとしてきて嬉しかった。出版業の人はこの匂いで達成感を持つらしいが、本当だった。 構成を考え、ご登場いただいた方々から寄稿してもらい、自分が感じた登場人物のことを書き、自分のことも書き、樋口理論や自然エネルギーのデータを添え、杉山さんと一緒

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:105 映画興行を知る

          2022/8/26 曇り。 9/10(土)の公開初日が迫っているので日記を書く時間が取れずにいる。現時点で公開決定館は19館。まだまだ増やしてクラウドファンディングで応援くださった方々の期待に応えなければならない。公開をご検討いただいている劇場からの返事を待っている状態だ。配給活動を始めてから、ミニシアターの運営がいかに難しいのかを肌身で感じている。支配人さんの元では常に100本くらい新しい映画が公開決定を待っている。 ミニシアターは、ほとんどがスクリーン1つか2つ。小さな