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「柳生忍法帖」山田風太郎

柳生三厳(みつよし)、通称「十兵衛」。
柳生新陰流の後継者。
徳川家光の剣術指南役(兵法指南役)だった父と同行した際、家光に気に入られて、でもその後なんか嫌われて、あっちいけってされた。
その後、故郷に何年か戻ってたって話だけど、諸国漫遊・修行の旅をしてたって話もあったりする。
原因は不明だが、片目を失明して眼帯してたとか、死因が不明だったりと、謎多き剣豪。
そのへんが魅力的なのか、昔からいろいろなフィクションの主人公を張っているお方。

映画にもなったということと、高校時代の友人の勧めで「魔界転生」を読んだことから、山田風太郎のファンとなり、山田風太郎が描く柳生十兵衛のファンとなった。
「魔界転生」「柳生忍法帖」「柳生十兵衛死す」は三部作らしく、なので最初の「柳生忍法帖」をご紹介させていただく。

そもそも山田風太郎は実際にあった歴史的な事象に対して、忍術・忍者・剣豪などの大冒険をプラスして、手に汗握るアクションに昇華する人。
忍法帖シリーズが代表的なんだけど。。すごい力をもった忍者よりも、極限まで昇華した剣豪の方が強いっていうシーンがシリーズ中たびたび出てきて、それがもうなんというか。。良いんですよ!!
歴史的なリアリティと、怪しげな忍法、ヒロイン・ヒーローの活躍が楽しめて、最高にエンターテイメントしている作品たちなのです!!
エッチなとこも多少あるが。。
ちなみにエッチなところも、それを特技としている人が登場するって感じで、ヒロインは清楚という属性を維持し続ける傾向にあり、安心して読めるのだ。
だから大丈夫!

本作は、実際にあった「会津騒動」を発端としている。
あほ大名に愛想つかして出て行った家臣が処刑される、本作ではあほ大名の部下である会津十本槍という怪しげな連中が、家臣たちを皆殺しに。
さらに男子禁制の尼寺に押し入り、かくまわれている妻・娘たちをも皆殺しにしようとする。
それを、尼寺のバックにいる家康の孫娘「千姫」が間一髪で止める。
ただ、女たちの気持ちはおさまらない。
なんとか自分たちで敵を討とうとする。
そこで、女たちを鍛えることになるのが柳生十兵衛という流れ。

非力で戦闘経験のない女たちが、いかに十兵衛の稽古と与えた策によって、敵討ちを達成していくのか、ハラハラ・ドキドキ手に汗握る展開。
そして、女たちがピンチになった時、素性を隠すために般若の面をかぶった十兵衛があらわれる。
そして訪れる「十兵衛」と名を明かす大見得シーンと大活躍!!
本当に恰好良い男なのだ。

個人的に一番好きなシーンは、片目がつぶれていることと、剣の実力とを合わせると「柳生の十兵衛」だとわかってしまうから、なんと両目をつぶって戦うシーン。
もうかっこよくてかっこよくて!!
絶対作者も柳生十兵衛に対して思い入れがあるはず。
最強という位置づけにしたかったから「柳生十兵衛死す」があんな結末になったんだろうなぁと思っている。
気になる人は読んでみて!!
あ~このまま「魔界転生」のことも語りたい!!
でも気づけば長文になってたので、またの機会とする。。

あ~俺、山田風太郎の柳生十兵衛に惚れてるわ。

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