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「よつばと」あずまきよひこ

「よつ・ばと」ではなく、「よつば・と」なのだ。
”よつば&”という意味。

よつば、という天真爛漫な少女が日々の暮らしに喜び・楽しみをみつけ、エンジョイするという話が描かれる。
いわば”日常系”と呼ばれるジャンルだ。

あらすじ、というほどのものでもないのだが、、
主人公のよつばは父ちゃんと二人暮らし。
新しい街に引っ越してくるところから話は始まる。
よつばと父ちゃんは引越先で、生活を整えたり、ご近所と仲良くなったり、父ちゃんの友達と遊んだり、海に行ったり山に行ったり祭りに行ったり、買い物に行ったり、東京に行ったりする、というお話。

よつばが何にでも楽しみを見出せる素敵な性格をしているので、父ちゃん曰く「無敵」なのだ。
よつばはタイトル通り、よつばと〇〇の〇〇を全力で楽しむ!!そこが見ていて非常にほほえましい。

そして絵が!!
写実的ではない感じなんだが、日常のあらゆるものが手抜きせず、デフォルメして記号にすることなく、しっかりと書き込まれている。
それがすごいリアルで、いつのまにかよつばと父ちゃんの同居人になっているような感覚まで芽生えてくる。
なにも特別なことが無くても、異世界に転生しなくても、宇宙人が襲撃してこなくても、普段の生活にもこんなに素敵な冒険が隠れているっていうことを気づかせてくれる。

コメディ要素も非常にテンポが良くて、面白い。
よつばが、東京に行って満員電車に乗った時「これは使い方あってるの?使い方あってますか?!」と叫ぶシーンには笑った笑った。
あと父ちゃんと父ちゃんの友達と焼肉に行った時の、よつばの乾杯の音頭が「はっけよーいのこった!!」だったりとか。
コメディ漫画としても楽しめるのだ。

ちなみに父ちゃんの職業や、よつばが実は拾われた子供だったり、とちょっと癖のある事実が少しだけ描かれてはいるのだが、詳細は語られない。
そんなことよりも子供の目から見る日常のすべての方がエキサイティングってことを言いたいのか、あくまで子供の目で見ると大人の知っている事実はわからない、でもそんなことどうだっていいんだってことなのかな?って思った。


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