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「ネオデビルマン」アンソロジー

新装版は上下巻だそうだが、俺が読んだ時は全3巻だった。
デビルマンを題材にした漫画作品、いろいろな作家が書いたアンソロジー短編集だ。

主要登場人物が登場する話もあれば、デビルマンの世界観で、主人公たちではないが、この世界に翻弄される人々を描いた話もある。
読み応えのある短編集だ。

元祖のデビルマンを紹介せず、こちらを紹介するのは、なによりこのデビルマンという作品がその世界観、醜悪な人の業をあぶりだしている作品だからだ。
そんな作品だから、本編の他にも広い世界が存在すると想像せざるを得ない。
その想像を自分たちのような素人ではなく、プロ作家が書いていると思うと、こっちの方が読みたくなってしまう。

まずデビルマンのあらすじから。
不動明という青年がいる。
デーモンと呼ばれるかつて地球を支配した悪魔と合体してデビルマンとなる。
てっきりスーパーマンとかバットマンとかって感じの〇〇マンだと思いきや、デーモン族(デビル)と人間(マン)が合体したことをあらわしているそうだ。
世界は甦ったデーモンによる侵攻と無差別合体により発生したデビルマン、そしてデビルマンを人間の仲間だと信じられない人々による暴走、そしてそれらすべてより上位の天使という存在の戦いを描いた物語だ。

この世界のキモは、人間たちがデビルマン勢力を信じていないこと。
だから善と悪という単純な構図にならないのだ。
そしてこの疑心暗鬼にとらわれた人間の醜いこと醜いこと。
自分の隣人が実は合体したデビルマンかもしれないと思った人々は、武器をとり魔女狩りを始める。
狂気の虐殺が繰り広げられる。
このカオスな世界観、週末に向かう世界を舞台に、有名漫画家たちが自分なりのデビルマンを描く。

こんなにわくわくすることある!?

もちろんデビルマンのストーリーを知っている方が楽しめる。
今はネットフリックスで、原作準拠したアニメがあるそうなので、古い絵が受け付けない、みたいな人はこれを見てみた方が良いかと。

古本でしか読めないとか。。
もったいない。

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