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「ぼぎわんが、来る」澤村伊智

映画化もされたホラー小説。
映画では”ぼぎわんが、”は無くなってて、「来る」というタイトル。
小さい子供がいる夫婦の元に、怪異が襲って”来る”という話。
ピンクの髪の毛をした小松菜奈が、なんか可愛くてよかった。
映画はよくできていて、原作に描かれている人の闇が表現され、かつド派手な除霊シーンを加えることでアクション映画のようなエンターテイメントに仕上がっていた。
映画館で見ると迫力があって、でもストーリーもきちんとしているのでDVDでも楽しめました。

原作を語る前に、自分的ホラー小説のイメージを書きたいと思う。
ホラー小説では、幻想的な雰囲気を味わうもの、恐怖・怪異に襲われる人々を描くもの、恐怖・怪異に立ち向かう人々を描くものがあると思っている。
前者2パターンは短編で描かれることが多く、長編では後者が描かれるイメージ。
立ち向かうパターンにも3パターンあって、1つが怪異の力と霊能者の力とのぶつかり合い、「立ち去れー」って頑張ってはねのけるもの。
1つがなんか結局愛とかの力でなんとかなるもの、霊は消えないでなんかもういいやって感じでどっか行くパターンが多い。
最後の1つが、霊と対応する人々が、なぜ怪異が存在するのか、怪異がどんなロジックで人を襲うのか、それを回避するためにはどうすればいいかを、いわば「捜査」して真相を追求していく、というパターン。
ミステリ好きな為、このパターンのホラーが好きだ。
メジャー作だと「リング」(貞子のやつ)、あれも呪い死ぬロジックの解明、なぜ呪いが起こるのかの推理を行い、対策を見出すというものだった。
こういうホラーというのは、真実が判明するカタルシスと除霊のアクションシーン、そして全体を流れるおどろおどろしい雰囲気と、最高に面白いジャンルなのだ!!

本作は3人の視点で描かれる。
夫婦の夫、夫婦の妻、そして対処を頼まれたフリーライター、それぞれ視点が変わるたびに、だからこそ見ることが出来る隠された事実があらわになり、おいおい!!そういうことだったんかい!!となる。
最後のライターの視点では、怪異発生の正体が判明、物語の底に流れる不快感の理由がわかってくる。。

本作は、霊能力者、比嘉琴子とその妹でちょっとだけ霊能者の比嘉真琴、ライターの野崎が活躍する、比嘉姉妹シリーズの作品。
この3名がキャラたっていて、特に真琴(前述ピンクの髪の小松菜奈)が好きなので追っかけており、大好きシリーズの1つになった。

映画見た人も絶対楽しめると思うので、ぜひ読んでみて欲しい!!

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