真夏のソーダ水のような幸せ

コロナ禍の中、色々な思いはあるものの、息子と共に実家に帰省している。

私を産み、育ててくれた父と母が、2人にとっては孫となる息子を、これでもかと可愛がる。その様子を見ているだけで、胸がぎゅっとなるのは、どういう心の仕組みなのだろう。

息子の誕生日パーティーをしよう、ということになり、実家の和室を、ダイソーで買ってきた風船やガーランドで飾り付けをした。和室にそぐわない色とりどりの風船。漆塗りの渋めなテーブルの上の、バースデーケーキ。決してインスタ映えはしないその光景を、私はきっと忘れない。

ふと、家のベランダにプールを設置して、息子と遊んだ日のことを思い出す。海外製のまぶしい水色の簡易プールに、真夏の太陽が降り注ぎ、水はすぐにぬるくなった。太陽の光が反射して水がキラキラと光っている。ソーダ水みたいだな、と思う。そのソーダ水の向こうに、笑う息子の顔が見えて、胸をぎゅっと掴まれる。

幸せは、そんな日にどこか似ている。


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