門前の小僧、習わぬ和歌を詠む

私の専門は大雑把に言うと物理である。
物理学に出会ったのは14歳のときで、私にとって、それまでに出会ったどの学問よりも学んでいて楽しく、わからないことに突き当たっても絶対わかるようになりたいと強く思わせてくれるものだった。
そのまま専門に選び、今に至る。

それとは別に、私は7歳のとき、百人一首のかるたに触れることで日本の古典文学に出会った。
私は3年ほどで100首の歌をすべて憶えたようだ(家族談)が、しかしこのとき、歌の意味も何となく理解しながら憶えたが故に、文語文法もぼんやりと身につけてしまったらしい。
中学に上がる頃、源氏物語(訳)に手を出し、須磨帰りを2度も繰り返したが、最終的にはなんとか原文で通読した。
中2のとき学校の課題で作った短歌では、しれっと係り結びを使っていた(高校生になってから気付いた)。
15〜17歳頃には、勅撰和歌集ばかりか平安時代の歌論(どういう歌が優れているとかダメだとか書いてある)まで読んで和歌を作っていた。
あまりに歌詠みに熱中し脳を乗っ取られるので、大学受験の年には歌詠みを自ら禁止した。

結局、大学に合格した後も歌詠みを再開することはなかったが(あれはけっこう、日々やっていないと詠めないものなのだ)、今でも古典文学を読むことは時折楽しんでおり、間違いなく人生を豊かにしてくれている趣味のひとつとなっている。

門外漢が好き勝手に読み、書くだけの記事ではあるが、自分の考えるいたことの備忘録としてだけでなく、もし私の記事をどなたかがお読みになるようなことがあれば、少しでも原文に親しみを感じていただけるものになればよいと思っている。

#古典 #古文 #和歌 #百人一首

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