桐壺更衣が背負わされていたもの
源氏物語のテーマは数多あれど、そのうちの1つは、主流から一度外れた貴族が、いかにして天皇の外戚となり、復権するかということのように思う。
桐壺更衣は光源氏の生母で、大納言の娘という、本来ならば低くない身分の女性でありながら、父を亡くし(有力者の養女になることもなく)入内したがために、様々な苦労をすることになってしまった。
女御にすらなれず、立后などできる見込みもないにも拘らず、幸か不幸か帝の寵愛は限りなく深く、帝の第二皇子である光源氏を授かるも、心労故か、光源氏3歳の年に帰