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思った映画じゃないけど、ソーにアベンジして、あれからミョルニルが…そしたら面白くね?

 あれは9年前に遡る。9年と言えば世間知らずの鳩尾が夜中にリンチにあって顔面神経を狂わせ、ボルトとプレートで頭を補強する前の噺である。KAƵMAが池田で、井浦がARATAで、King Gnu(なんて読むんだよ!)がSrv.Vinci(は?)で、今やDTM界のインターセプター、平田義久が作曲家デビューする前の噺。
 スターチャンネルの招待を受けた(抽選に当たった)鳩尾は、友人の平田と『チャイルド44森に消えた子供たち』の試写会へ向かった。-このサーガはどうでもいいか-
 要するに、もー!すーっごくて!その後に観た本命、チャイルド44の事なんか憶えちゃいなわけです。イモーーーーターーーーーン!!通り過がりのバスやトラック運転手にV8ハンドサインを送って帰りました。
 9年ぶりにそれが帰ってくる!それも本当は描きたかったナンチャラ隊長フュリオサが誕生するまでの物語!こりゃ観ない手はねえ、ってんで絶対帰り道に非力に思うんだろうなーなんて考えながらもアドレスV125で雨の天気ヨーホーを無視してトーホーへゴー。
 
感想:価値のある二時間半ではある。考えさせられる映画でもある。でも、何回観ればいいの?何回考えればいいの?

なにより、CMまーじーで、うそ!うそを信じるな!


 もうね、CMじゃ言わないけどね、あの9年前の馬鹿騒ぎの二番煎じではないですよこの映画。勿論ど派手なカーチェイスはありますよ、前作に負けないぐらいバカなアイデアも破壊もある。でも明らかにディレクションが違う。怒りのデスロードの延長線を期待して行った人はそりゃあがっかりしちゃう。「観ない奴は殴れ!馬鹿が観る映画だと言う奴は轢け!」と天啓を受ける映画だった前作に対し、「教養も金も時間もないお前」と、体言止めで皮肉を言われている気分になる映画。「映画館に何度も来い」「元ネタをディグレ」「もっとよく考えろ」そんな余裕こっちにはねーわけで、今やピンクナンバーのスクーターで毎日仕事にいくサラリーマンなわけで、みんながショート動画シェアしている時に、なんで俺、9年前の映画の前日譚を回らない頭でずっと考えているわけ、とこうなる。
 *「フェミニズム」や「蔑視」「ミソジニー」、「独裁」や「民主」…その他「環境」だって「神」だってあなたが訴えるモノなんだって…を考える必要がないと言っているわけではない。
 トーホーではLサイズについてくるポップコーンカップのキャンペーンやってるんですがね、ポップコーンなんてまぁ進みやしませんよ、辛すぎてね。まぁ、私は顔面の怪我のせいでただでさえ唾液が少ないのだけど笑
 言いたい所、よかった所は…多少ネタバレを含みますが…BLACKHOLEの面々が言っている事に尽きると思います。この話聞くと、もっかい観たくなっちゃうんで事前にチェックしておくのがおすすめ。IMAXが2600円で、一上映2時間半ですからね、私には何度も鑑賞している程余ありません。

https://www.youtube.com/live/jmLLK1PXeqQ?si=9tUv32RWFKbX8DQ2

 つか二時間半の映画観る為に二時間の動画観るやついないか笑
 要するに…いい所を言うと…フュリオサがめーーーちゃかっこいい。↑の開始32分頃で高橋ヨシキが言っている通り、この映画はリベンジモノの究極を突き付けているんですよ、「奪ったもの返せよ」と。
 私も叫びたかった、「俺の顔面神経を返せ!唾でないんじゃ!障害者手帳も貰えねえってのはなんでだよ!」と。でもこれって、仕様がないんですよね。砕けた骨はボルトとプレートでもって固めるしかないし、腕を失ったならば義手を着けるしかない。死んだ神経或いは人ってのは戻って来ない。ってーと、加害者のあなたには刑務所に入って…或いは命をもって…償って頂きませんとね、とこういう事で復讐を遂げたという事とする。復讐が成功できてよかったね、ざまーみろ。いいや矢っ張り復讐はなにも産ーまナイザー?単四電池買ってきてー。とこう締め括るのが大抵の物語でしょう。
 しかしこの映画、最期の対峙で散々搾取してきたこのクリヘム悪役、ディメンタスはチャッキチャキのオーストラリア訛りで言います。
 フュ「返せよ!」ディ「できない!」
 そりゃそうだ。そりゃそうなんだけど…
 と、ここでフュリオサが導き出した答え。観た人は「はー」とか「かー」となる筈。これはポリティカルな話をしても、映像としての話をしても、とてもディベートの甲斐があるパートだと思う。この時、この世の体制に心底絶望しているフュリオサが、未来、怒りのデスロードのその先までもをしっかりと見据え…はたまた私の様に心の整理が出来ていないファンをも見据えて…出した答えが、まー最っっっ高!ここで私は救われた。一旦、何も考えないでいい。この「一旦」が最高だった。ここでこの映画の、映画館の大画面で観る価値がビンビンに上がった。とはいえ忙しい人は配信やDVDを待って全然いいと思います。再々言いますが、これ、怒りのデスロードではないですから。それなんなの?という人の為、最期にネタバレも置いておきます。

 今日は今の気分にピッタリ、梶井基次郎の『桜の樹の下には』の一文を引用してお別れです。青空文庫はタダだからね笑
 


 今こそ俺は、あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、花見の酒が呑のめそうな気がする。

桜の樹の下には https://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/427_19793.html


 

以下、私が憶測するナレーターとフュリオサの会話


 「所で、そのずーっと大事にしてきた種、どーすんのフュリオサ?」
 「ソーのオチンチンから木が生えたら面白くね?映画館で観たいっしょ」
  
 って事は映画冒頭で馬鹿な男達が荒らしに来る緑の地に育っていたあの木々の下には…
 

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