見出し画像

400年も待てないよ!祝ネトフリ化、読む?観る?聴く?これが究極の三体問題!

*ネタバレに注意を払いましたが、そういった事に敏感な方はネトフリ版を最後までご視聴のうえで読んで下さい。ネトフリ版を観て「よくわかんないなー」と思った人も読んで下さい。

ネトフリ版、最高でしたね。「キャラ増やして分けて、全部いっぺんに進めちゃえばよくね?」ってアレンジ。小説で初めて読んだ時、中国読みの漢字の名前を覚えるのが本当に大変で…「誰だっけコイツ」で一々メモに戻って、「ディンイー!」っちゅーのが本当に大変だったんですけど…あの苦労はなんだったんだ!ってゆーね笑。「ハァ?それってお前が一人で一遍に出来る仕事なの?」とか「じゃあこの中にルオジーがいるの?」って言いながら観るのが最高に面白かった。
でもさ…
「三体問題、提起されてねーじゃねーかよ!」
三つ太陽があると何がどうやばいの?一日に三回日の出があるってこと?別によくね?って思っちゃいますよね。僕は思っちゃう。そんな人にこそ原作をチェックしてもらいたい。僕は原題のゲームパートが長すぎてあまり好きではなかったのですが、「三体問題まじやばい!」とはなった。原作で唯一好きだったゲームパートが人間コンピュータなんですけどね、これは歴史も理数も苦手で結構。僕は仕事でちょっとPLCをいじるだけなんだけど、ITとかFA、ちょっとコンピュータやる人になら大受けすると思うんですよ。あと『キングダム』好きな人とか。ここがネトフリ版だとひっじょーに残念。「コンピュータって賢い人間が中にいて、物凄い桁を数えているわけじゃないんだよね。0と1を数えられる人を集めて回路やユニットを作っていくのさ。つまり黒/白の旗をあげるだけ」とコンピュータの父。「えー、朕(俺っち)の兵に白旗あげさせんのとか嫌だなー」とか言いながらも「大人数を纏めてこんな大きな知恵を生み出せる朕すごくね」結局ノリノリでコンピュータフォーメーションだー!つってデッケー剣振って3000万の兵隊を陣列させる秦の始皇帝。ニュートン「うわ!まじこれコンピュータ?これで俺三体問題解けんじゃん!」っとゆー「もしも」の三人が集まった、もしも三体問題がネトフリ版でいう第三話なんですね。それをグレートカーン、プロフェッサーテューリングって、誰だよ!

次に、「ラダープロジェクトじゃねーのよー!」
これはもうね、小説のルビがめっちゃくちゃかっこよくて、面壁者ウォールフェイサーとか執剣者ソードホルダーなんて言っちゃってね。僕はハリーポッターを英語で読んで「英語が読めてよかったなー」とも、日本語でドラゴンボールを読んで「日本語が読めてよかったなー」とも思わないんですけどね、三体を読んで初めて「漢字とカタカナが読めてよかったなー」と思えたんですよね。これはつまり、(或いはオリジナル版にもカタカナ的なルビがあるのかもしれないけど)日本語翻訳でしか楽しめない体験なのではないでしょうか。
で、今回、ネトフリ日本語字幕版にはルビがない。主よ!どうして!なぜ?そりゃそうだ、だって英語訳された時、ルビと全然違うんだもん。 "Staircase project"これ、階梯計画ラダープロジェクトの事です。「ボリューミー」って言葉は英語にはないんだよ、って知ったあの日の衝撃ですよね。「ドラコ」が「ドレイコ」で「ドラゴン」が「ドラゲン」で「ユマ・サーマン」がウマ…って、もういいか。

はい最後、イエのドラマが短い!」
ちょ、まてよ!お前なにやってんの!ってか、葉ァ?言葉通じるの?って感じでバババ葉ッと文革/紅岸編が終わっちゃうけど、本当に辛くて長い時代が小説『三体』ではたっぷり描かれています。「あゝ、毛沢東ね、知ってる知ってる。ヒトラーより全然多く殺してる人だよね?」ぐらいの知識しかなかった学のない僕、カン殿?チューリング教授?となっている僕には衝撃的な噺ばかり。葉の絶望、そして辿り着いた答え、信念、まじカッケー葉。

ここまでくると、原作読みたくなっちゃいますよね。400年も待てるか!って話です。文庫化もして、第二部、黒暗森林も四月末には文庫でるよー、と訳者の大森望氏がラジオでおっしゃってました。第二部、まーじで面白いっす!原作だと四名なんですけど、もーね、面壁者達が凄すぎる!映像にできんのか?って仕掛けやネトフリはこれをどうアレンジるんだ?っていうかなりディベイタブルな発想や展開。この「どうすんの?」を皆さんと共有したいんですけどね、僕の周りには「長いよ」「ムズそう」って奴ばっか。そんな事ないです!「こんなこ存在すんの?」って所とか村上春樹みたいだし、著者自身が言っている様に明らかに新海誠にインスパイアされているセカイ系やっているし。kindleや文庫なら、絶対読みやすいです!なんなら専門的な理数の会話はすっ飛ばして読んだって充分楽しめる。


はい!第三部の話もついでに!これはもー、前半セカイ系やってんなー、とか、なんだよその”度”!笑とか思ってたら後半ハーコーすぎる。第二部の(下)まで読んだ人は、「宇宙戦争すげー!」「ガンダム嘘じゃん!」「スターウォーズ嘘じゃん!」「宇宙で編隊を組むってこーゆーことなの?」になっているはず。『銀河英雄伝説』の引用をしたかと思ったら、『ソウ3』がさー、とか言っていた著者からは想像もできないぐらい今までのエンタメ的宇宙戦争のイメージをぶっ飛ばしてきます。本当にすごかった。三部、死神永生は、その黒暗森林を更に超越してきます。

宇宙戦争などミサイルの応酬で 、アッという間にケリがついていただろう 。それができず 、宇宙での白兵戦が現実のものとなり 、モビルス ーツなどという昔のマンガにでも出てきそうな人型のマシ ーンが 、宇宙を跳梁跋扈する戦争が行なわれるようになった 。

—『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン (角川スニーカー文庫)』富野 由悠季, 美樹本 晴彦著

↑この富野由悠季のモビルスーツ否定よりも断然上をいく破壊力です。これが俺の宇宙の真実なの!ついて来れねーならいいよべつに、って感じ。これは、間違いなくここまで三体を追いかけてきた人でなければできない体験です。
ついでのついでに考察。ネットではめちゃ嫌われている三部主人公の程心ですけど、ネトフリ版では名前が違うんですよね、ジンチェン、同じアジア人女性なのになぜ名前を変えたの?って事ですよね。で、汪淼ポジの女性主人公オギーもシーズン2に出る気満々。今シーズンでチェンはオギーの代わりにゲームをプレイした。ここで破壁人鳩尾はこう思った。「ははーん、程心と汪淼を足して2で割ったのだな」この仮設が正しいのならオギーにもチェンの代わりにやるべき仕事があるというこ…そーゆーことか!早く続きみてええええええ!第三部死神永世の文庫は六月末らしいです。

そんなに待てねーんだよ!時間がないの!前進あるのみ!って、ウェイドみたいな事言ってる人の為に…あ!そうそう、「前進あるのみ!」も小説だとちょっと違いますね。ははーん、さてはDef Tecにロイヤリティがあるんだな、と僕は思う。ウェイドは三部(上)から登場です!…話が逸れた。要するに、三つ目の楽しみ方、Audibleです。『三体』一部~三部、前日譚のゼロ(*原題ではシリーズになっていないが『俺たち~』『沈黙の~』よりは全然繋がりがある)、同人作品のエックス(*『男たちの挽歌4』が4してるよりもエックスしている)、その他劉 慈欣氏の作品、蝿の王SF『超新星紀元』、三体シリーズの朗読者ナレーターが続投する蟻と恐竜のドラマ『白亜紀往事』などが全部聴き放題。初回30日無料。一ヶ月もあれば余裕で全部聴けます。

ってゆー僕も大量の専門用語、中国人名にいっぱいいっぱいになって、途中からAudibleで三体を制覇したくちなんですよね。初めは文章が読めないって大丈夫?って思ったんですけど朗読が上手いしスイスイ進む。人物名と計画名も、しっかりとPDFがついてくるんです!
その他僕のオススメでいうと、これも宇宙スゲー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』上下、新幹線で聴きたい伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『グラスホッパー』から最新作の『777トリプルセブン』まで。これ全部聞き放題。Audible、今、世界で一番お得なサブスクです!
話が逸れた。要するに、三体!二部以降は映像ではないからこそ楽しめる仕掛けが満載です。事前知識無しに映像での驚き体験を待つのもいいですが、今から原作をチェックして、あれをどうやって映像化するの?と思いをはせるのも一興ですね。ってか、一緒に思いをはせましょう!そんでもってDef Tecを一緒に口ずさみましょう。
地に足つけ~頭曇抜け~進む前へ前へ前へ~


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?