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派遣保育「えくぼ」のこと

保育園や幼稚園に預けていない赤ちゃんや小さな子がいても、講座に参加して学びたい、みんなで事業をやりたいという、お母さん方の願いを叶えようと「派遣保育えくぼ」という事業を始めたのは、2005年です。

講演会や講座の主催者が、その会場と同じ建物の中に保育用の場所を確保して、お母さん、お父さんが学んでいる間、おばちゃんがお子さんを預かるという仕組みです。

おばちゃんちが主催する講座や講演会はもちろんですが、つながりのある品川区内の団体や区の部署、社協、幼稚園の保護者の会などからの依頼を受けて、多い年は1年間に150件以上、のべ600人以上のおばちゃんが1000人以上のお子さんを預かってきました。

保育する場所は、公共施設の会議室などのこともあり、その日に乳幼児が安全に楽しく過ごせる場に設え、おもちゃや絵本も持ち込み、その時だけの顔ぶれのお子さんを預かるということは、そう簡単なことではありません。
お母さんと離れる時に泣く子も少なくないですが、泣いていた子がやがて場や保育サポーターに慣れて、遊びに夢中になったり、抱っこされて眠ってくれたりする姿に、おばちゃん達は何とも言えないやりがいを感じています。

特に何週間か連続する講座や、継続的な実行委員会の保育は、その子の成長や預かっている場の変化が目に見えるようで、その気持ちはさらに大きいようです。

私達がいつもお母さん達にお願いしている大事なことが二つあります。

一つは、どんなに小さなお子さんでも、預ける前に預けることやその理由をちゃんとお子さんに伝えるということ。

二つ目はお迎えした時にたとえ泣いていたとしても「ごめんね」とお子さんに言わないでください、それはまるでお母さんが悪いことをしているようなので、「ありがとう」と言いましょう、とお話しています。このことは、親と子が信頼しあえるパートナーとしてこれからもずっと良い関係でいる土台になると思っています。

えくぼの保育は、一期一会ではありますが、預けた保護者と保育サポーターの交流の機会を持つことも工夫しています。

保護者と保育サポーターの交流会の様子

ほとんどが品川区内で暮らしているので、その後商店街や公園でばったり出会うこともよくあることです。大きくなった子どもの姿を喜んだり、喜んでいるおばちゃんの姿にお母さん達はホッと気持ちがゆるんだり、これがふれあいのあるまちづくり冥利だと思います。

この「えくぼ」で活躍するおばちゃんがみな受講した「子育てサポーター養成講座」(前「保育サポーター養成講座」)には、17年間で約300人が参加しました。この講座につては、次回お話することにしましょう。

(いく)

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「おばちゃんちの20年と これから」12月4日開催。
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