うそ　VS　ふたりのおばちゃん【思い出】1

7.8年前のうそみたいな本当の話。

週2回ほどバスケットボールサークルで老若男女、混ざり楽しく汗を流していた。

SNSの募集からやってきた新メンバー！ピチピチぎゃる19歳！！
とは程遠い感じの背が高くて短髪のボーイッシュな女の子『那奈（なな）』那奈は、いつも皆のつまらない冗談に不敵な笑みで返す。
無言の笑みは少しブキミだった。

そんなことは気にせず、練習の合間にはよく下ネタ大好きなおじさんおばさんが強烈な下ネタを披露していた。
『まだ純粋な那奈の前でそんな話しないの』と､まりりん（おばちゃん2）。

ちなみに（おばちゃん1）は、私。

きっと、那奈は今まで彼氏ができたこともないであろうと皆勝手に思っていた。

那奈は、聞こえているのかいないのか
ちらっと顔をあげて…　やっぱり無言。
恥ずかしがっているんだろうか…

こんななんでもない、いつも通りの練習が終わり
こうして次の練習日…

電話をしながら体育館に那奈が入ってきた。

『ホテルにイヤホン忘れたかも…　探してみる…　じゃ、またね。』

『どうしたの？』

『いや…　　ラブホ行ったときに、イヤホン忘れたみたいで…』

『ええええええぇぇぇぇぇ！！！彼氏いたの？？？』

みんな驚きを隠せず、怒涛のおばちゃんインタビュー開始

『どこで出会ったん？』

『どこの人？』

『何歳？』

『イケメン？？』

『名前は？』

『…　かみや　るか　　です…』

『いやいやいや…
　六本木の高層マンションに住んでて…
　高身長で…
　名前は【かみや　るか】…
　マンガの主人公かい！！』
　と…

心の中でつっこんだ。

那奈の彼氏騒動で帰り道まりりんと勝手に盛り上がっていた。

『那奈やるなあ。どこでそんなイケメン拾ってきたんやろなあ…』

先日、那奈を『純粋な女の子』扱いしたことがプライドを傷つけていたこと…
そしてまさか、これがうその始まりだったとは、おばちゃんたち
全くきづいていませんでした…

ここから『　うそ　』と『おばちゃんたち』の壮絶な戦いが始まります。

この日はおばちゃんたちの惨敗です。

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