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サービスの値付け、いくらにする?思い出すカウンセラーさんのこと

自分の名前で仕事をしていると「値付け」という問題にたびたびぶち当たる。先日リリースした自分の講座も、最後まで悩んだのはいくらにするかという点だった。

以前ビジネススクールに通っていた際、そこでは例えば自分が講座をするとき、いくらにするかはこうして決めるとよいと習った。

希望する年収÷開催可能な講座回数=その講座の値段

例えば年収1200万円を希望していて、月に1回の講座ができるようであれば1回100万円の講座にする、というもの。これは単純明快な考え方である。

しかし、何だかこの計算式にはあまりしっくりいかない自分がいた。自分の希望する年収と、講座に参加してくださる方の因果関係がよくわからない。

マッサージの仕事をしていたときは、全身汗だくになって親指の感覚を失くすまでお客さんの身体をほぐして、60分3,600円の料金を頂いていた。あの時代を思うと、話すだけで何百万ももらっていいのかと自分の場合は思ってしまう。

そんなとき思い出したのが、以前たまたま何かのネット記事を読んでいて見つけた、こちらのスピリチュアルカウンセラーさんである。

https://www.asahi.com/and/article/20210526/404735195/

彼女のエピソードをかいつまんで紹介すると、前職はいわゆる家政婦さんの仕事をしていた。
本当は他の一般企業から内定が出ていたが、大学卒業の直前に父親が事故を起こし、内定取り消しとなる。
雇ってくれたのは3K(きつい、汚い、危険)を地でいく家事代行の仕事だけだった。

それでも彼女は母を亡くした雇い主のお子さんに寄り添ったり、アルコール依存症の雇い主が依存症を克服するプロセスを支えたりするうちに「人の心に寄り添う仕事がしたい」と、家事代行の仕事からスピリチュアルカウンセリングの仕事に移行する。

彼女は自宅兼サロンで生活し仕事している。すごいのが生活臭を一切出さないために家ではプロテインや豆腐、野菜鍋など匂いのするものしか絶対に食べないようにしているところだ。
「相談しに行ったサロンで料理の匂いがしたら、家族のことで悩んでいるクライアントさんはどう思うか」という徹底したプロ意識で仕事をしている。

余談だが私はリラクゼーションの会社を退職後、自宅アパートでマッサージの仕事をしていた時期があった。
その際このカウンセラーさんに憧れて施術前は豆腐だけ食べる生活をしていたのだが、施術中にお腹が鳴ってしまうので泣く泣くやめた、ということがあった。

彼女は1時間相談するのに1万円の料金を設定しているらしいが「1万円の重みが誰よりもわかるから、その責任は果たさなねばならない」と話し、上記のような徹底したプロ意識で仕事をしている。

講座の値付けのことで悩んでいた時、ふとこのカウンセラーさんのことを思い出した。そして1回の講座にお一人1万円だったら、私もマッサージの時のように命がけで自分のクライアントさんにコミットメントできる、と確信が持てた。そして3回の講座なので3万円とした。

この値付けのやり方が正解かはわからない。実際に自分の名前で仕事をしている先輩からは「3万!?安すぎるでしょ・・」と呆れられてしまった。

物価高が続く現在、値段は今後変更するかもしれない。
でも値段がいくらになっても、名前も顔も知らないこのカウンセラーさんに恥じない仕事をしていきたい、と思っている。






・・そんな経緯で決まった値段の講座は、土曜クラスが残3席ございます。
春から新しいことにチャレンジしたい方は、ぜひぜひ。




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