見出し画像

不安の中で出来ること。南海トラフ注意情報を受けて

アフリカの草原で、1匹のウサギがライオンに追いかけられています。
お腹が空いたライオンと、生き延びようと逃げ惑うウサギ。なんとかライオンから逃げ切ったウサギは、まず何をするでしょうか。

答えは「震える」だそうです。

ああ怖かった、死ぬかと思った、あのクソライオンめ・・そうした恐怖の感情をしっかり味わい、まずは1匹で十分に震えます。

その後、群れに戻ってウサギの仲間に「怖かったよう、エーン!」と身体をすりすりして、仲間も「おお、それは辛かったであろう!」とすりすり返しする。
この「感情を自分+誰かとを味わう」のプロセスをきちんと実行しているのが、動物にはトラウマがない理由。。だそうです。

言いづらいけど、そこは君の別荘じゃないんだ。



8月8日に日向灘を震源として地震が起こりました。被害地域にいらした方は、大丈夫でしたでしょうか。さぞ驚かれたことと思います。
気象庁からは南海トラフ注意情報が発令されました。今、不安の中にいる方も多いと思います。

社会が大きく揺れるようなことがあった時、たとえば3.11やコロナの時。
私が自分によく言い聞かせていたのが「私より辛い人はたくさんいるんだから」でした。

3.11の時は就活がうまくいかなかったり、コロナの時は狭い家に家族とずっといるストレスだったり、何かしら心理的に辛いものは確かにあったのに「私より辛い想いをしてる人はたくさんいるんだから」と、当時の自分は自分の気持ちをなかったことにしていた気がします。

でもそれは先ほどのウサギの例で言うと「鹿さんだってこないだ追いかけられてたし、鳥さんのご主人なんか捕まって食べられてたし、自分の不安なんか大したことじゃない・・」と、死にかけたウサギさんが震えるのを我慢しているのに近い感じがします。
私たちは自分より他人を優先することを美徳としがちですが、自分の感情を味わうことは、生き延びるための大切なプロセスのようです。

不安やストレスを感じたら、まずはそれを「今、自分は怖いみたいだ」と自分で感じる。深呼吸したりジャーナリングしたり、自分の気持ちを味わってみて、そしてそれを誰かそばにいる人にそれを話してみる。
「ついに出ましたねえ、南海トラフ。ちょっと怖いですよ」「急いで備蓄品を点検しましたよ」など、世間話や雑談の延長のように誰かに話してみる。

ちなみにどうしても話す相手がいない場合は動物や植物だったり人間以外でも、あるいは街のカフェやお店などで人の気配を感じる、だけでもいいそうです。
対話でしっかり話し合う、言葉にしていくというよりは「自分以外の誰かの気配」をぼんやりとでも感じることが、神経学的には人が癒される上で大事な過程のようです。

最後に、ちょうど今読書会で読んでいる本『ずっとやりたかったことを、やりなさい』の中で、タイムリーだなと思った文章があったので、抜粋してお伝えします。

心が痛んでいるとき。例えば将来のことを思うと不安が止まらなくなったり、過去のことを思い出して辛くなるとき、私たちは今に集中してみると楽になることがある。
今わたしたちがいる「今」は、常に唯一、安全な場所なのだ。過去でも未来でもなく「今」、この瞬間は誰でも皆、常に大丈夫なのだ。

昨日は結婚が破談になったかもしれない。明日は誰か死ぬかもしれない。心待ちにしている恋人からの電話は永遠に来ないかもしれない。だが少なくとも今この瞬間、私たちは大丈夫なのだ。息を吸い、吐いている。生きている。

人は基本的に過去か未来に生きていると言われています。人は常に過去の情報を参照して、慎重に行動する生き物です。

でももうどうしようもない過去や来ないかもしれない未来はともかく、少なくとも今は生きていることに意識を戻すと、ちょっと我に返れる感じが、私はあります。

自分にできる備えをして、感じた感情は大切に、縁あって出会えた人とのご縁も大切に。
とりあえず今できることを淡々と。ですかね。











「書く喜びを思い出す」、秋から文章講座がニューオープン。
土日クラスは、まだまだ余裕ございます。

書くのが苦手な人にこそ来てほしい!
書かない入門クラスは毎月実施中。


最後までお読みくださり、ありがとうございました。
週末お勤めの方も、お休みの方も、素敵な時間をお過ごしください。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。