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「◯◯文字以上書く」よりむしろ「どこまで削れるか」が文章の勝負どころ

「SNSで文章を書くとき、適切な文字量はありますか?」というご質問をいただいた。

「旧Twitterは140字ギリギリまで」「インスタは20文字以内に」など、色々な人が色々なことを言っている。

だが表現の基本は「自分の伝えたいことを、相手が受け取りやすいように伝える」、あるいは「自分だけに見えたものを、みんなにわかるように伝える」ことだ。
だから本来、何文字書かなければいけない・何文字が適切ということはない。書きたいものを書きたいように自由に書けば良い、以上。

・・ここで終わると明らかに尺が短いので、もう少し書いてみよう。

私が最初noteを書き始めたとき、1本の記事で1000文字は書くようにしていた。
「SNSやブログは背筋を正して読む人より、だらっとゴロゴロしながら読んだり、電車に乗る隙間時間に読んでいる人が多いので、3分くらいで気軽に読める1000文字前後が望ましい」という誰かが言ってた説を採用したのだった。

そうやって日常のエッセイを書き始めているうちに、さまざまなテーマが浮かび上がってきた。

苦しかった家族とのこと、寂しかった10代・20代の時のこと・・そうした自分の内面に深く関わるテーマを描くとき、1000文字では到底足りず、3000字、4000字超す時もあった。
しかし長くなるときは必ず「読ませる工夫」も忘れないようにしてきたせいか、不思議と長すぎると言われたことはない。

読ませる工夫とは、例えを一つ挙げると「必要ないことは一切書かない」ということだったりする。

あれもこれもと書きたくなる気持ちはわかるが、読者とて活字が得意な人ばかりではない。同じメッセージなら映画の方がいい人、音楽の方がいい人、色々いる。さまざまな人に届けたいのであれば、なるべくメッセージはシンプルな方がいい。

プロ作家さんは長編作品では一般的に原稿用紙300枚、12万文字書くという。だが必要ないことは何も書かない。むしろ削れるところはとことん削って、なるべくシンプルにしたものが12万文字だったりするので恐ろしい。

もちろんプロ作家さんには編集・編集長・校閲・出版社の営業部など多くの人が支えており、チーム戦でやっている。だから1人でコツコツとnoteやfacebookなどで長文を発信していくのであれば、1000文字くらいがちょうど良いのではないかなあ、というのが持論である。

4~5行で改行する、たまに写真も混ぜてみるなど、読み手を飽きさせない工夫はいくつかある。しかし「読ませる工夫」の本質はそこではないのだ。

関係ないことは書かない。

書いたものもギリギリまで削って「これでは削りすぎだろうか」「いや削っても伝わるはずだ」「ここだけは絶対に削れない」といった書き手の心の中で起こる激しいせめぎ合いこそが、結果として読者の手を離さない文章になっていく。
それらを無視して「バズるためには〇〇文字以上は書きましょう!」と一概にいうのは、どうも違う気がするのだ。


ここまで書いて1200字ちょっと。
どうも文章の話になると熱くなって長くなってしまいます。いつもスイマセン。





「読ませる工夫」の全貌はこちらの講座で全てお伝えしています。

対面での講座もします。




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