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【単巻5冊読書感想㉕】『地球星人』『下腹ぺたんこポーズ』『お客様の心をつかむサービスを、効率的に。』『食品廃棄の裏側』『七回死んだ男』

 実録怪談「恐怖箱シリーズ」を読破していたので、5冊読書感想は久々です。

 それでは、5冊行きます。

 


【1冊目】村田さん、飽きたので卒業します『地球星人』

※このタイトルはKindle Unlimited対象ではありません

 『殺人出産』を読んだのが三月。

 それ以降、「今までなんで読んでこなかったんだー!」と一気にハマりましたが。

 一気に、飽きがきてしまい。

 社会を面白い切り口で書くというのがこの方の特色なんですが、カニバリズムとかなんとかとかかんとかとか、描くテーマが同じなんですよね。

 6冊読んできたんですが、もう、飽きました

 というわけで、まだ出会って半年も経っていないですが、村田さん卒業します。

 読みたくなった時に偶に読むくらいの距離感で付き合うのがいい作家さんですね。  



【2冊目】宣伝9割、5分で読める『1日1分 寝たまま! 下腹ぺたんこポーズ』

 実際のポーズなんかは、見開き3ページ分です。

 四十代〜がターゲットみたいなので、そもそもそこから外れてますね。

 千円で宣伝本を売るのってどうなんでしょうねぇ……(遠い目)



【3冊目】だんだん本として崩壊していく『お客様の心をつかむサービスを、効率的に。』

※このタイトルはKindle Unlimited対象ではありません

 後半は崩壊する。

 文章もだけど、書籍デザインも。

 「出版社どこやねん、オイ」って思わず突っ込んで奥付けをペラリ。
 ほら、聞いたこともないところじゃん。

 あれですわ。
 団塊世代が聞きたい綺麗事や精神論を、IT化なんかにかこつけてビジネス書として書いてます、という本です。

 「正す」と書かずに「糺す」と書いたり、急な茶道推しとかで、まぁ、それだけで雰囲気は伝わりますよね。

 最後二章とかもはやポエムですよ。

正しいor正しくない、ではない。
儲かるor儲からない、ではない。
効率or非効率、ではない。
成功ではなく、成長。
あえて不合理なことを体験していく。

三枝 理枝子『お客様の心をつかむサービスを、効率的に。』p.190

 崩壊寸前の現場の人間がこれを読んで「どう思うか?」は考えてないんですね。

 「は? 知らんわ。質を低下させずに効率化する具体的ノウハウを、簡潔に教えてくれよ」

 そう、ターゲットもブレてるんですよね。

 タイトルとしては、接遇・接客を生業にする現場の人も手に取るようなものになってるんですけど。
 徒然と「上司としてはどう仕事を振ればいいか」とか「こういう講習をすればいい」とか急に書き出す。これはどっちかというと上の立場の人へのアドバイスになっていますよね。

 ブランディングがーとか言いながら、この本、ターゲティングができてませんか。

 いや、まぁ、急にポエムが始まるし、な。
 それ以前のアレかもしれん。

 上下の空白が大きいページデザインの時点で読むのをやめてよかったですね。

 って、この前も感想で書いた気がする……泣

 


【4冊目】今夏イチ怖い!『産廃Gメンが見た 食品廃棄の裏側』

※このタイトルはKindle Unlimited対象ではありません

 物流に興味があって、仕事に全く関係ないのに実務貿易の本を読んでみたりしています。

 物流の最終地点は、お店、つまり小売だと思っていたのですが、廃棄という静脈物流がある。
 上流から下流に流れるにつれ、アングラ化し、経済界でも政界でも蔑ろにされる。

 そう、不正や犯罪が横行してしまう土壌がたくさんある。

 まず、廃棄物に関する法律が欠陥品で、「廃棄物が何か?」という定義すらあやふや。
 現場ルールを作らないと回らず、かといって政府が介入ていないので、いい加減な利益重視のものになってしまう。

 また、食品のリサイクルには、廃棄物の厳密な区分が必要になるけど、分類などをする仕組みがない。

 そして、原材料や加工に資金が必要で、加工品を売って初めて利益が上がる工場と違い、廃棄物処理・リサイクルは受入れ時点で売上が発生する。
 つまり、その後の処理や加工で経費が掛かればかかるほど、廃棄物処理業者の儲けが減る。
 いちばん儲かるのは、穏便なところでマージンとって下請けに流す。非合法的に、積むだけ積んでお金を持ってドロン。あるいは、どこぞに捨ててしまう、不法投棄。
 そして、廃棄物を転売したらプラスにまでなってしまう。

 食品廃棄物を転売するのは、流石に無理だと思うでしょ。
 でも、メーカーや商社は、期限が三分の一残っている時点で廃棄とする。
 賞味期限が残っているものが流れてくるんだから、「これは本当に廃棄しなくてはいけないのか?」「まだ売れるんじゃないか?」と思ってしまう。
 そして……再び、小売に並んでしまう事件が、実際にある!

 「まだ食べれるものは捨ててはいけない」と法律で縛って仕舞えばいいんだけど、そういう法律はない。

 他にも政治の問題としては、環境省管轄の「土壌」よりも、農林水産省管轄の「肥料」の方が基準が緩い。
 身体に悪いとされる物質が、検出さえ許さないのが「土壌」。
 基準値以内なら許されるのが「肥料」。
 そう、基準値以内なら、肥料として田畑に撒かれてしまう、らしい。もとが食品であるから、有機であって、有機栽培に利用されたり……

 実録怪談をたくさん読んでるんですが、やはり事実が一番怖い。

 今夏、一番怖かったタイトルになりました!!



【5冊目】こんなのあっていいのか!? 面白すぎる。ループ×ミステリ『七回死んだ男』

 ライトノベル以外で初めてループものを読みました。  

 それでいて、本格ミステリで。

 1995年、平成の出版でありながら、語り口が昭和な感じ。

 で、それがいいんですよね〜。

 何を書いてもネタバレになりそうで語彙力がどっかにいってしまうんですが、

 ものすごく、面白かったです!!

 昼休みに別の本を読み終わり、
 「ちょっと時間もあるなー」とKindleで開いて、1分、3分、10分。 

 え。
 昼休み、終わるんだけど。

 これ、どうなるの!?
 読まなきゃでしょ!

 じーかんがなーい、あ! し! た! 絶対に読む!
 待ってろ!

 ってなるくらいに。

 成り行きで書いてるだろ笑 みたいな展開が続くんだけど、
 しっかり本格ミステリなんですよね。

 あーもう、これはずるい。

 いやはや、面白かったです。 



 それでは最後に。
 皆様の読書ライフの充実を祈って。

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