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【単巻5冊読書感想58】『愛されてんだと自覚しな』『昆虫の惑星』『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』『不潔革命』『シリアの秘密図書館』

 上半期ももうそろそろ終わり。

 読書の進捗、みなさまいかがですか?

 わたくしは今年はゆっくり読む、とか言っていたのに、400冊ペースで爆走しております。
 ちょっと疲れてきたかなーというところはありますが笑

 それでは、今回の5冊はこちら。





【1冊目】こういう河野さんもいい!『愛されてんだと自覚しな』

 正直。

 最初読み始めは物足りなかった。

 こういう描き口は、なんというか、河野さんの素じゃないというか。

 何か別のものに挑戦しているというか。

 でも、だんだん面白くなる!!

 昔、水神に惚れられた女性は、付き合った男性との恋愛を貫き通した。

 水神は激怒し、その愛を試すために、二人の魂を転生させ続けることにした。

 その生において愛が通じた時、全てを覚えている女性はその記憶を失い、忘れている男性はその記憶を再び得る。

 この二人の過去がだんだん……明かされるというよりは、漏れ出てくる?

 みたいな。

 河野さん味がどんどん漏れてくるんですよね。

 そして、ラスト。

 まさかの叙述トリック系ですごくいい!

 最初はどうかなーと思ったのですが、読了後は満足!!

 河野さん、『さよならの言い方なんて知らない。』はまだ完結してないんですよね。

 他の単巻を読んでいきたいと思います。 



【2冊目】広く深く! 昆虫のあれこれ『昆虫の惑星 虫たちは今日も地球を回す』

 2023年高校生の課題図書。

 昆虫の身体や、歴史、面白いトピックが盛りだくさん。

 女性でも昆虫を研究してもいいよねーという視点もある。

 ただ、個人的には、最後の方は意見が合わない。

 植物学・農作物という観点から見れば、遺伝子操作がなければ人類は食っていけないので、農薬と並べて悪というのはおかしい。

 マラリア撲滅のための蚊の不妊化に反対的立場なんだけど、ホモサピエンス優位でその次に多様性保全にならざるを得ない。
 理想がすぎるし、現実味が足りない。

 という感想を持ちました。

 総合的には、いろんな面白い知見が紹介されてて面白いんだけどね。

 さて。

 今年、2024年の読書感想文課題図書が発表されましたね。

 面白そうなものは読みたいんですが、小中高生に迷惑をかけずに図書館から借りるには、夏休みを終わってからの方がいいのか、6月なら大丈夫なのか……。 

 特設ページでも読みたい本に登録できる、読書メーターのページが便利でした。
 皆様も、ぜひチェックしてみてください。




【3冊目】コンサル以外も! 新卒から中間管理職まで『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』

※Kindle Unlimited対象

 表紙に惹かれて。

 ビジネス書は、大抵1時間で読めるようになっているのだけど、こちらは2時間かかりました。

 コンサルには全く関係ない仕事ですが、とっても勉強になる。

 し、新卒から中間管理職の心得まできっちりと描き切っているビジネス書は珍しいと思います。

 どんな社会人でも参考になること間違いなし。



【4冊目】ゆるーく読みたい時に、SF短編いいよね『不潔革命』

 Kindle Unlimitedで読んだんですが、アドレナライズの対象傾向は不規則なので、対象とはせずに置いておきます。

 で。

 SFじゃねーだろというラインの、SFのつもりですみたいな短編なんだけど、疲れている時にゆるーく読むにはいい。

 心に残ったのは、最後の「創作者」

 「何のために創作するのか?」と問うた短編なんだけど、色々読んでいるわたしにはグサグサ刺さった。

 詳しい感想はこちらから。 



【5冊目】政府軍による街包囲。そんななか、図書館を作る人たちがいた。『シリアの秘密図書館 瓦礫から取り出した本で図書館を作った人々』

 NDC攻略のための選書。

 イスタンブール在住のフランス人女性ジャーナリストが、シリアで政府軍に包囲された町ダラヤの青年たちとSNSを通じて交流し、彼らの図書館について取材した一冊。

 一般人しかいないのに、イスラム過激派のテロリストというプロパカンダのもと、爆撃が続けられる町。

 瓦礫の中から本を掘り出して、地下に秘密の図書館を作った写真を見て、住民にインターネットを介して連絡を取り始めます。

 図書館の取材を通じて、独裁国家や武力包囲の残酷さ、国際社会の無力さ、が描かれる。

 こういう紛争をテーマにした本って、実は初めて読んだかも。

 あえて、紛争の中心となっている政治や宗教ではなく、図書館、本を読むという切り口から語られる。
 でも、それでもどうしても政治とか宗教、爆撃や生死の話題が絡んでくる。

 たぶん、この本のタイトルに惹かれる方は、図書館や読書、本が好きだと思う。

 だからこそ、独裁国家による一方的な武力包囲の残虐非道、国際社会から支援もない絶望がより伝わってくる。

 独裁国家では、彼らを讃える本しかなった。だから、読書の習慣はなかった。
 でも、瓦礫から掘り出された本は違った。独裁者の称賛本ではなかった。
 社会学や政治学の本を読んで、もっと自分たちは学ばなければならない。

 という部分が、一番印象に残っています。

 ぜひとも読んでほしい一冊です。



 それでは。

 今回はここまで。

 それでは、みなさまの読書の充実を祈りつつ。

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