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徒然1日1冊 Kindle unlimitedタイトル紹介 #159『穂高小屋番レスキュー日記』

今日の一冊!

山と生きた男の、命の教科書

穂高の山小屋に暮らし、誰よりも深く穂高を知る男・宮田八郎。
人気漫画「岳」(石塚真一著)に登場する小屋番「宮川三郎」のモデルにもなり、穂高の遭難救助に欠かすことのできない人物だった。

2018年4月に海難事故で不慮の死を遂げてしまったものの、
「山で死んではいけない」というメッセージを
多くの登山者に届けたいテーマとして、彼は書き残していた。

現場に長く居たからこそ経験できた山岳遭難救助の実態について、具体的な体験談をもとにレポートし、
「防ぐことができたはず」の遭難が二度と起きないように、現場からの貴重な声を登山者に届ける。

山岳遭難の現場ではいったい何が起きているのか。
長年、穂高岳山荘を基点に、遭難救助の最前線で活躍し続けててきた宮田八郎が、
山岳レスキューの実態をつぶさに紹介。

遭難救助の初体験から、霧の中の危機一髪のヘリ・レスキュー、季節ごとの遭難歳時記等、心に残る遭難救助の数々が描かれる。

穂高の小屋番であり遭難救助隊員でもあった宮田八郎が登山者に向けて残した、厳しくも暖かいメッセージ。

(「はじめに」 より)
穂高の山に生きて三〇年になります。
三〇年という歳月は人間にとっては決して短いものではありませんが、自然の時の流れから思えばほんの一瞬であるし、ぼく自身も「もうそんなに時が過ぎたのか」と不思議な感じもします。
ぼくが生きてきた穂高は、悲しい事実ではありますが、ことさらに遭難の多い山です。
そのなかで長く仕事をしていると、遭難救助の現場に立つこともずいぶんとありました。
そして救助経験を重ねるにつれてぼくは当然のことながら、人は山で命を落としてほしくはないと願うようになりました。

ぼく自身は、ことさら人より正義感が強いとか親切心に富むとかいうことはありません。
むしろ世の平均から考えると、やや(あるいはかなり)いい加減で不真面目なタイプの人間であろうと思っています。
そんな自分が、曲がりなりにも人助けをし、あまつさえ人命救助に携わってきたのは、ぼくが生きてきた穂高という世界では「人が人を救う」のがごく当たり前だったからだと思います。

(中略)

そのために穂高でぼくができること、ぼくにしかできないこと、そしてやらねばならないことはまだあります。
それはたとえば、これまでの遭難の記憶と経験を広く語り伝えることもそのなかのひとつではあるまいかと考えるに及び、このたびこのように駄文をしたためるに至った次第です。
ぼくのこれまでの山小屋暮らしにおいて、多少なりとも登山者のお役に立ったことがあったとすれば、それは、これまでに救った命の数よりむしろ、喪わせずにすんだ幾多の命があったことでしょう。
ささやかながらも、それこそを誇りたいと思います。
これから語ることが、穂高を歩く人たちの安全に少しでもお役に立つのならとてもうれしいかぎりです。

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 穂高の山と生きた著者が、命の大切さ、山への想いをつづいた本タイトル。山好きなら、絶対読むべき一冊となっています。
 この著者の方は、山に生きて海の事故で命を落とした方です。この事実を踏まえて読むと、


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