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大企業「島津製作所」が大麻業界で注目されています

株式会社島津製作所といえば東証1部上場の大企業で、従業員の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞したことでも話題となったメーカーですよね。
この島津製作所が海外の大麻産業界では、現在とっても注目を集めている企業のひとつなのです。

※こちらの元記事は以下となります


でも、どうして島津製作所なの??って思いますよね・・。

◉株式会社島津製作所について

ホームページ:株式会社 島津製作所

・島津製作所は京都市に本社を置く大手機械メーカー。分析器や計測器、産業機器、医療機器、半導体、バイオ、環境系などを手掛けています。
資本金266億、連結売上は3765億円、従業員約12000名の東証一部の企業。

IR資料を見ると、売上も利益も順調に伸ばしています。
アメリカの航空機メーカー「ボーイング社」にも計測機器などを提供しているそうです。
海外売上比率はちょうど50%程度で国内と半々ですね。

主な機器は以下の内容となります。

■分析・計測機器
水質や大気汚染などの環境分析や食品・製薬産業における品質管理、そしてライフサイエンスなどの最先端の研究を支える、クロマトグラフ、光分析装置、組成・表面分析装置をはじめ、様々な分野の研究・開発・品質管理において不可欠な分析機器を幅広く提供しています。 また、計測機器は機械、輸送機、都市構造物などの安全性評価に使用され、人々の安全な暮らしを支えています。

■医用機器
デジタルX線システム、PETシステムなどの医用画像診断機器を幅広く提供しています。病気の早期発見と治癒率の向上に貢献しています。その他、放射線治療を支援する動体追跡システムや、乳がん被験者に痛みを与えない乳房専用PET装置を提供しています。また、最新鋭のIT技術を駆使し、検査画像を含めたさまざまな情報をデジタル管理するシステムを提供することで病院・診療所のIT化をサポートしていきます。

■航空機器
航空機の安全運行や搭乗者の快適な空間確保のためのさまざまな機器を提供しています。航空機の姿勢を制御したり安全な離着陸を支援するフライト・コントロール・システム、機内の温度や湿度を調整するエア・マネジメント・システム、パイロットに必要な情報を提供するコックピット・ディスプレイ・システムをはじめ、エンジン始動システム用機器、電子制御装置などその領域は多岐にわたっています。ほかにも、油圧・空気・燃料系用の各種搭載機器の機能試験装置、 航空医学訓練装置などの地上支援機器を提供しています。

■産業機器
半導体の製造装置をはじめ、油圧機器やデバイス・コンポーネントなどの各種産業機器を提供しています。携帯電話やパソコンのキーデバイス製造に必要なターボ分子ポンプや成膜装置をはじめ、半導体や液晶パネルなどの品質管理を支える検査機器などを開発・提供しています。 また、産業車両や機械のキーパーツである高品質な油圧機器を提供し、産業の発展にも貢献しています。

◉アメリカ&カナダの大麻業界で島津製作所の分析器が人気

島津製作所のアメリカ子会社「Shimadzu社」が、2017年から大麻分析、カンナビノイド分析器を販売しており、これが凄く売れているのだそう。
北米における計測機器セグメントの売上高(2018年4~12月)は前年同期比で約10%増加で成長が続いている。

島津製作所のIR担当者も「大麻(カンナビス)の分析装置の需要が売り上げ伸長の背景のひとつである」と説明されている模様。


下記がカンナビス向け分析器のようですね。

カンナビスアナライザー

ヘンプアナライザー

ちなみにアメリカの子会社Shimadzub ホームページでは、下記のような記載があります。

Shimadzu’s Cannabis and Hemp Testing Solutions cover a broad range of applications,from accurate potency testing and terpene profiling to contaminate testing for pesticides, residual solvents, heavy metals, and mycotoxins/aflatoxins.
We supply the instruments, methods and experience necessary to get you up and running quickly.
Shimadzu scientific instruments have been applied to natural products, food sciences, pharmaceuticals and environmental testing for decades. Whether you are a chromatography expert or a novice, our platforms and training ensure that your laboratory will generate quality results from a wide variety of cannabis samples.
Our easy to use platforms save you time and money, maximizing the profits of your laboratory.
Shimadzu can help you with your QA/QC testing, peak harvesting analysis and cannabis research.

「アメリカでは医療用大麻と嗜好用大麻のマーケットが拡大を続けてはいるが、分析器で計測することで、エンドユーザーは汚染物質を含まない安心できる製品を入手することが可能となる。Shimadzuはさまざまな研究室や実験設計の手伝い、大麻ビジネスの可能性を加速するために分析機器の貸出しも行っています」と記載されています。

このカンナビス分析装置により、大麻の効果効力の測定、テレピンなどの分析、殺虫剤や溶剤の残留について、重金属検査、含有水分量などのような項目において、正確な重量測定なども可能なのだそう。

ちなみに島津製作所では、危険ドラッグの分析器なども販売しているとのこと。


◉カナダやアメリカで島津製作所の分析器が人気である理由

では、どうしてアメリカやカナダの大麻産業界で、島津製作所の分析器が人気なのでしょうか?


まず分析器の販売拡大の理由は大きく2つあります。

1つ目は、法的な大麻合法化による大麻需要の拡大
※詳細は下記を参考にしてください
カナダで嗜好品の大麻(マリファナ)が合法化された理由とは?

2つ目は、大麻需要の拡大により粗悪品なども出回ってきたので
きちんとした製品を発売する(購入する)必要性に迫られてきたこと

その中でも島津製作所の製品は技術的にもサービス的にも最高水準であったことが理由ですね。

大麻(ヘンプ)の成分分析では、これまで扱ってきた薬や食品の分析を行う分析装置のものが応用され、島津製作所は物質を成分ごとに分離させるクロマトグラフィーの技術に強みがあり、同社が手がける液体クロマトグラフなどの分析装置は、似ている成分でも細かく分離させて分析することができることで高い評価を受けているのだそう。

精度の悪い分析器では、本来有効成分ではない成分までもが、有効成分に混じって計測される恐れがあるのだそうです。
誤った成分分析に基づいて実施してしまうと、使用が禁止されるべき大麻成分が出回ってしまったり、有効成分が含まれていないのに医療大麻として使用されてしまったりする可能性がありますよね・・。

また、多くの分析器他社メーカーが機械だけを販売したのに対し、島津製作所は分析器だけではなく、分析に必要な研究室、実験室の設備、消耗品などの使い方を含めたトータルサポートで正確な分析ができるようアドバイスしたとのこと。

さらに、大麻の分析に特化したソフトウェアも開発して搭載し、分析を実施した人物の記録が残るなどセキュリティー面も強化したことが受け入れられている大きな理由とのことですね。

日本が誇る大手メーカーが、カナダやアメリカで売上を伸ばしていることは良いニュースだと思います。
大麻産業の波が将来的に日本に押し寄せてきた場合、この島津製作所の分析器も必ず必要とされるでしょう。
また、この大麻分析、カンナビス分析器は、北米やカナダ以外でもヨーロッパなどの世界各国からニーズが強くなることも予想されますね。

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