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【マガジン・エイトデイ】       ひらがな表作成依頼を受けずるずる10日経った、娘の一言。


お願いされて
良いよと言ったのは私。

目処1時間の案件だ。
気安く受けたのに、10日経った。
仕事の合間を見つけられず、
5日後には依頼すら忘却。

依頼は机の前に貼る、ひらがな表である。
買ってくれば良いのだけど、
貼りたいものを探すより
書いてしまった方が
5歳の求めるものになるし、
私が手間隙かけたものを喜ぶ。

なにより私も書きたいと
その時は思った。

お布団に潜った時に
ひらがな表の話が出て
放置してる事に気がついた。

あわてて布団から出る私。
紙とペンのありかを探して
隣の部屋で作成しようと
思案段取りしているところに
娘はこう言った。

娘「ママ、いいよいいよ。
今日じゃないくていいんだよ。
ママが書きたいって思った時に
書けばいいんだよ。」

私は、寝るモードを切り替えて
仕上げることが優先だと思った陳腐さを
娘の言葉で、切り替えることができた。

10日間、彼女はどんな気持ちで
待ってたのだろう。
ママ忙しいかな。
今日はどうかな。
漢字の名前知りたいな。カタカナも。
「きょ」ってどう書くかな。
ママ、ひらがな表書くの楽しいって
言ってたから楽しみだな。
まだかな。

バスに乗っても、お店に入っても
文字を見つけては質問されてたのに。
「この中にカタカナのジはある?」
「(ゆ)って漢字はどう書くの?」
(漢字に種類があることを知らない)

その度に、早くひらがな表書いて
漢字のドリル買っておこうって
思ってたのに。

待たせる時間は
相手の時間も使ってる。
エネルギーも。 

しかも待たせた分
エネルギーが重たい。

身体もどこかこわばっている。
血流も詰まってきている。

相手と相手の時間とエネルギーを
大切にできていないということだ。
(ということは自分にも雑だ)

5歳はいつでも気づきをくれる。
あと、人に言われて動くのって
結構もう遅いのよね。

待てる人が相手だと、特に。

「すみません、お水ください」って
言われる前に、会話途切れさせず
気配を消して、すっとお水を注ぐ。

言わせてしまうと、流れが途切れる。
場面が変わってしまう。

カフェでバイトしてたときの
アンテナはどこへ置いてきたのか。

仕事で素早さ迅速さは、武器になり
信頼につながるとわかっているのに。

家族にそれができないのは
違うぞ、私。

私は次の日、優先順位をあげて
部屋を整えて、ひらがな表に
取りかかった。

模造紙ではなく、和紙を選ぶ。
娘の好きな青で描きたいけど
ペンがないので、絵の具の青と筆を
持ち、水差しを用意する。

線と文字に夢中になる。
印刷物や習字のように
綺麗にはいかなくとも
丁寧さと、楽しさを。

壁に貼っておく。
続くまでのお楽しみ。
帰ってきてすぐ気づくかな。

ワクワクしている頃
身体のこわばりはほどけ
詰まりは感じていないことに
気がついた。

私と娘は2人でいると
ワクワクをつかまえることが
得意だったと思い出させてくれた。

いつだって立ち返る。
ありがたいなあ。
じんわり。

「ママー!!!!
ひらがな表貼ってくれたの?
キレイな青どうやるの??」

呼ばれたので行ってきます。
彼女はいつも私が大事にしてる
ポイントを掬うのが上手だ。

遅れたことを謝りながら
優先順位を教えてくれたことが
どれだけママに必要だったかを
伝えてきます。

では、また。

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