【ライフコーチ専業で飯が食えるまで⑤】 売れてからが本当のスタートだぞ編
連載5回目。長期セッションを45万円で売ることに成功した駆け出しコーチなおと。さあここから、というところでプロデューサーから激が飛んできて…
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「これで満足するなよ、死ぬぞ」
初めてのクライアントと契約書を交わし終わって、プロデューサーの口から出た「死ぬぞ」という言葉に困惑する僕。
なんたって45万円だぜ。会社員時代の月収の3倍の金額が即日入ってきてるわけで。これで3ヶ月、いや5ヶ月は暮らせますよ。
そりゃあ満足もするでしょう。 プロデューサー(以下P)は続ける。
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P「いいか、その45万円は給料じゃないんだ。会社員の時に振り込まれる数字とは根本的に違うんだよ」
僕「言ってることはわかりますけど…具体的に何が違うんですか?イメージできないです」
P「まず、その45万円は来月も入ってくるわけじゃない」
僕「確かに」
P「そしてお前はその売上の中から経費と税金を払う」
僕「経費と税金」
P「そうだ。そしてお前が受け取ったお金はまだ完全にお前のものではない」
僕「僕の口座に入ってるのに?」
P「そのお客さんとトラブルになったらどうする?返金対応の可能性は0か?」
僕「確かに、何があるかわかんないですもんね」
〜〜
P「そしてもう一つ忘れちゃいけないことがある。お前今日ここまで辿り着くまでにいくら金使った?」
僕「入塾費用、個別プロデュースの代金、上京にもけっこうお金使ってますね」
P「それは事業を作るための経費だ。回収しなくちゃいけないだろう?」
僕「確かに。少なくとも彼女に30万円借りてるし、税金のことも考えたらもう1円も手元に残らないです」
P「そういうこと。本当の意味でお前が成功したと言えるのは、それらの精算が全部終わったあとなの」
僕「やばいっすね、45万円稼いだと思ってたのに、普通にまだ赤字じゃないすか自分」
P「ここで多くの人は満足しちゃうんだよ。個人で事業やると入ってくる金額も大きいからな」
僕「確かに。僕だって45万円入ってきて心躍りましたもん」
P「それが金額に負けてるってことだ。そこで贅沢するのはまだいい。満足してその先の売上を取りにいく熱量が無くなるのが一番まずい」
僕「確かに、しか言えないです。別にまだ利益出てないのに、手元の現金が増えるから気が大きくなっちゃうんですね」
〜〜
僕「でもなんで、満足する方が最悪で贅沢するのはまだいいと言えるんですか?」
P「贅沢する奴はまた贅沢したいから稼ぎたいと思うだろ?形はどうあれ事業は続くから、その過程で学んで成長していけばいい」
僕「まあそれはそれで破滅に向かってる気はしますけどね」
P「とにかく、お前に必要なことは」
僕「僕に必要なことは」
P「今回の成功を何回でも再現できるようにすることだ」
僕「この間セミナーで言ってた『再現性』ってやつですか?」
P「それ」
〜〜
僕「僕は1件売れましたけど、また次も売れるって決まったわけじゃないですもんね」
P「そう。今のお前は本当に実力がついたとは言えない。マグレだ。それを実力に変えるには、あと最低でも10回はバックエンドを売ること」
僕「10回も?!多くないですか???」
P「お前なあ、冷静に考えてみろ。10回売っても450万だろ。そこから今までの経費とこれからの税金も払うんだぞ」
僕「うわ、さっき言われたばっかりなのにもう金額に負けてた」
P「そう、これはもう仕方ないことで何度も繰り返して自分に刷り込んでいくしかないんだよ」
〜〜
僕「そう言われたら、個人で月収100万とか普通って言われる理由もわかりますね」
P「月100万円くらい稼げないと個人で食っていくのは無理だよ。毎月稼げるわけじゃないんだから。個人の月100万で給料30万円くらいの感覚だね」
僕「今僕がやるべきことはまずそこですね」
P「そう。個人ビジネスの感覚に慣れろ。月に3本売れば月収135万」
〜〜
P「もちろん集客もあるし関係性構築もあるから、毎月売り続けるのは難しいだろう。3ヶ月に1回135万の月があれば、それでやっと年収500万の計算だな」
僕「そのためにはまず何回でも売れる、という再現性を取らなくちゃいけないわけですね」
P「そしてお前は今初めて高単価で売れて、波に乗っている。この波を逃すと辛いぞ」
僕「いけるときにいっとけ、ってやつですね」
P「そうだ。別に1ヶ月に200万稼いだっていいんだぞ」
僕「うわあ、がんばろう」
P「勢いを止めないようにな。何人でも売っておいで。今のお前ならいけると思うよ」
僕「わかりました!いってきます!!!」
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この時プロデューサーが教えてくれたことはまさに『個人で生きるための知恵』で、この話を聞けなかったら8年もビジネスを続けられなかったと本当に思います。
会社員としてもらっていた給料は「引くもん引いといたからあとは自由に使っていいよ」のお金。
それに対してコーチとして僕がお客さんから受け取ったお金は、意味が全然違う。
そこに辿り着くまでの経費と、これから使う経費と税金、トラブル対応に必要な資金。全てを含んだ『45万円』であるということ。
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受け取るお金の意味が『給料』と『売上』では全く違うんですよね。
同じ物差しで考えていたら、僕もきっとこのタイミングで満足してしまっていたことでしょう。
会社員も事業主も「ビジネスプレイヤー」という意味では同じなんだけど、プレイしているスポーツが違うイメージ。
野球選手とサッカー選手では、必要な運動能力もルールも戦略も文化だって違いますよね。
でも、スポーツという意味では共通する『基礎体力』はある。
だから形はどうであれ「仕事を一生懸命してきた経験がある人」は大丈夫だと思うんです。最初はルールの違いに戸惑うけれど。
お客さんを喜ばせる、という点では会社員だろうが個人事業主だろうがやることは同じです。
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だから今までの経験は決して無駄になりません。
自分のやってきたことを、個人事業という新しいルールの世界でどう活かすか。
そんなふうに考えてみたら、起業への挑戦も少しはハードルが下がるのではないでしょうか!
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これは余談ですが、ここから僕は怒涛の『売りまくり期』を約1年半続けることになります。
1000万近くの売上を出し、借金も返し、小さな賃貸マンションを借りられるくらいに。
ただこの時はプロデューサーの教えに従って「いけるところまでいく」を実践していたに過ぎないので、今の僕が大事にしている『生活との両立』『無理なく続けられる』などは全く意識していませんでした。
それによって僕は燃え尽き、そこそこ溜まっていた貯金もそこを尽き、アルバイトからやり直すことになるのですが… またその話は後日。
いつもコラムにリアクションくれるみなさん、本当に励みになっています。ありがとう✌️
それでは!また続き書きます✍️
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