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自分の『流れ』を掴むことについて。


僕がライフコーチとして長くおつきあいをさせてもらっている人に、為近なおさん(ためなおさん)という方がいます。都心からそれほど離れていない海がきれいな街に住んでいて、愛車はぴかぴかの小さな外車で、僕と同じようにフリーランスのコーチとして活動しながら、おしゃれな日本茶カフェでウェイトレスさんもしている人です。


僕は「帰りたくないよ〜」と言っています


彼女は『流れ』を掴むことがとても上手な人です。ピンときたものに乗っかっていく勇気と、力を入れずに流されることのできる度胸があります。僕は「人は誰しも固有の『流れ』を持っている」と考えていて、彼女は特にその『流れ』の強さが大きい人です。


人は流れに乗っているとき、とてもリラックスしながら大きなパフォーマンスを発揮することができます。物事がそんなに動いていない段階から「これはうまくいくやつだわ」と感じ、うまくいく前から成功することを確信し、迷うことなく標的に向かって突き進んでいく感じ。努力感がなくて、目の前にあるものに夢中になっているような感覚は誰しも感じたことがあるでしょう。


ためなおさんの場合、それが特に顕著に表に現れます。心から「やりたい」と思えたことに対する追い風の吹き方がすごい。「全部仕組まれてるんじゃないの?」と思うようなできごとがリズム良くパンパン起こっていく。それは運がいいとかそういう話ではなく、「彼女が本来持つ流れがそうなっている」としか思えないのです。


僕が彼女とはじめて出会った時、彼女はコーチとしてその時点で月収が60万円くらいあったそうです。通ったスクールや塾の費用くらいは賄えるくらいは稼いでいると言っていました。この業界は学習にやたらお金がかかる割になかなか儲からない世界なので、その中でペイできているというのはすごいことです。


なのに、当時のためなおさんには今の彼女が持つような『力強い流れ』を感じませんでした。本人も「ずっと悩んでいる」「なんか違うなと思っている」と口にしていましたし、何より「こうしなくてはいけない」という義務感に押しつぶされているように見えたのです。あまりビジネスが楽しそうに見えませんでした。稼いでいるのに。


そして当時の僕も今ほど言語化はできていませんでしたが、「この人はもっとこの人にあったやりかたがあるだろうなあ」とは思っていました。そんなこんなで僕とためなおさんとの関わりが始まったのです。


ためなおさんは自分の感覚に敏感な人で、「なんか違う」という表現をよく使いました。それは「やろうとしていることをやりたくない」という意味ではなくて、「やろうとしていることをやってみたけれど、思ったようにいかない」を表現した「なんか違う」でした。


彼女は自分の「何か違う」を「諦め」とか「逃げ」だと思っていたようです。でも冷静に考えると彼女は行動の基準値がすごく高くて、彼女が「なんか違う」と言い出した時にはすでに常人では辿り着けないほどの作業量をこなしていたりします。


彼女が書いた長編のnote(売るために一緒に作っていた)に対して「なんかしっくりこない」と言い出したのは、本文を5万字以上書き上げた後でした。これを「逃げだ」と言えるほど書いている人が何人いるでしょうか。本人が自分のことをどう思っているのかは知りませんが、僕から見た彼女はとにかく行動する人です。


彼女は自分の基準値が普通の世界とかけ離れていることに気づいていませんでした。いや、正しくは「気づいていたけど気づかないふりをしていた」かもしれません。彼女は人と違うがゆえに人と同じになりたかったのだと思います。だって人と違うって寂しいじゃんね。


彼女は一人っ子として育ったそうです。「仲間に入りたいという気持ちはいつだって強い、強くなっちゃう」と本人も語っていました。人と違う気質を持っているからこそ同化する努力をしてしまう。でもどうやっても同化できない。人と違うからですね。


ハリネズミのジレンマという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ハリネズミ2匹がいて、近づきたいけれど、近づけば近づくほど持っている針でお互いを傷つけてしまう。「適切な距離が大事だよ」というお話です。


ためなおさんの場合は別に相手を傷つけるわけではないけれど、近づけば近づくほど他の人と違うことに気づき苦しくなるような、そんな印象を受けました。でも他人と関わりを持ちたい。同化しようとする。でも人と同じようにできない。他の人にはできないことがたくさんできるけど、そこになかなか気づけない。葛藤。


これは僕の想像でしかないですが、こんな経験を長い人生のなかで何度も繰り返されてきたのだと思います。人間誰しもありますよね。自分に持っていないものを追いかけて、それが不毛なことだとどこかわかっているのに、それでも追いかけるのをやめられないこと。僕だってあります。


ちなみに僕はみんなでワイワイするのが大好きなんですけど、集団に入るといつも揉め事の中心に来てしまうタイプなので、個人個人のつながりで生きるように心がけています。でも本当は寂しいんです。人の期待には応えたいし、頑張りは認めてほしいし、滅私奉公で組織に尽くすのもきっと嫌いじゃないんですよ。


ただそれをしてしまうと消耗して争いが起きて、森が枯れてタイ米が流通する世の中になりそうだから、やらないようにしているだけです。タイ米の流通はしょうもないボケですが、「自分が不幸になることはやらない」という考え方の上では、やりたくなるけれどやらないでおこうと自分を抑えることは大切です。


ためなおさんの場合はそれが「他人と同化しようとすること」でした。少なくとも僕にはそう見えました。セッションがはじまって2ヶ月くらいかな。「今一番ほしいもの、何?」という話になって、彼女は「ずっと欲しかった車がある」と言いました。


実際に見に行ってみないとわからないけれど、予算的にはなんとか中古だったら買えるんじゃないかと。そして彼女は手に入れました。欲しかった外車を新車で。あれよあれよと話が進み、たまたま1台だけ現車がある店を見つけ、出資してくれる人が現れ、予算の倍くらいの金額を、キャッシュでポン。「なんですかそれ…」ということがとんとん拍子で起こり、あっという間に。欲しいものを欲しい形で手に入れてしまいました。


これも一つの「他の人と違う成功例」だと僕は思います。これはたまたまなんじゃなくて、起こるべくして起こったことだと思うのです。


そもそも普通の人は外車を持っていないし、よっぽど好きでもない限り持とうとも思いません。「お店で見ていたら欲しくなって契約した」じゃないんです。「欲しいと思ってお店に行ったらあった、お金の工面もできた、ああなんか手に入っちゃった」なんです。これ、普通じゃないですよね。理屈でも説明できないです。


でも僕は確信しました。この人の生き方はこれだと。誰が何と言おうと、この人はこれでいいと。そんな視点で「今までもこういうことなかった?」と聞くと、出てくるわ出てくるわ、過去のとんとん拍子エピソードの山。


引っ越しをしようと思えば一番最初に理想の家に辿り着くし、冒頭で話したようなアルバイト先も一発目で引く。「たまたま目に入ったから」のパンチが強すぎるんよ。理屈で説明できなくても、この人がうまくいくときにいつも同じパターンがあるのなら、この人はこれでいい。だってそうなんだから。僕はそう信じることにしました。


他の人に同じことができるとは思いません。「想いは叶うから、想い続けるんだよ」という気はさらさらなくて。ただこの人はそういう流れを持っているとしか説明がつかないので、ラッキーとかたまたまとかそういうたぐいではなく「そういう性質を持っている人」として生きていくしかないと、ライフコーチの僕は思ったのです。


そしてこの流れを一番妨げる状況はどんなか?そう、「誰かと同化したくなったとき」です。そう考えるとスーッとロジックが通ります。


ためなおさんが今までうまくいかなかったときの話。実際に僕と一緒に何かに取り組んで、「しっくりこない」と手を止めたときの話。うまくいかなかったことのどこかには必ず「誰かと同化しようとした」というポイントがあります。


そして自分の持っているものを最大限に発揮できたときは逆に「自分がそうしたかった」という気持ちからすべてが始まっています。僕は彼女との1年間でそう分析しました。だからためなおさんは「自分はそれをやりたいのか」と自分に問うことを忘れなければ、大きな流れに乗り続けることができる人なのです。


なぜ僕が今回こんな話をしたかというと、僕たち人間には「うまくいく時のパターン」も「うまくいかない時のパターン」もよく見たら絶対あって、それはきっと他の人と違うし理屈で説明できないことかもしれないけれど、自分の人生という一本の線で見たらそれは確実に存在して、そのパターンを知っているか知っていないかで人生は大きく変わるよということが言いたかったんです。


僕はためなおさんを見て「コーチとしての僕のノウハウを叩き込むより、この人が持っている性質を180%発揮できるようにチューニングした方が、よっぽど楽しく遠くまでいけそうだな」と思いました。


だから「年間プロデュース」なんて名前をつけたサービスを提供しているのに、ノウハウを提供することを途中で一切放棄しました。もはやプロデュースというよりプロジェクトです。『おはなし屋なおとのプロデュース』ではなく、『ためなお覚醒プロジェクトWithなおと』といった感覚でした。



これはwithB



この方向転換がためなおさんとの関わりではすごくハマったと思っています。それくらい、一人一人で信じるべき道も進む方向も違います。一概にどうとは言えません。自分に流れている流れがどういうものなのか、それは個人的な話をしてみないと、それも長い時間をかけた対話を通してでないと、見つからないのです。


僕のやっていることは人の心に深く入らせてもらうことなので、挑む側も挑まれる側も真剣でないと意味がありません。だから値段も相場よりだいぶ高く設定させてもらってます。いつでも引き返せる状態の人との対話は面白くないです。個人的に。そういう趣味ですね。


対話で価値を生む状態を成立させるのには色々な条件があります。お互いの熱量、関わりの深さと長さ。クライアント側がかけているコストもその条件のうちの一つです。全て揃ったためなおさんとの1年間は最高でした。必死だからこそ何度も方向転換をして、だからこそ見えてきた独自の流れがありましたね。


そうやって自分の性質を自分のものにしていけば、きっと自分を解放することが少しずつできるようになるのだと思います。今の彼女はまだその性質に気づいて、少しずつ扱えるようになってきた段階。ピークは全然まだ先だと思ってます。ひらきはじめ…たかな?という感覚。


これからが楽しみすぎるし、僕は彼女が何を持ってきてももうびっくりしません。「想像を超えてくる」ということだけ理解しているつもりです。でも方向性はバチっと決まりました。方向性に1年です。1年。まあ長い人生を考えると、自分という人間の扱い方を知るためにお金と時間と労力をかけることは決して悪い投資ではないと思います。


自分の特性を知って生活を作り直すことは、家を建てる時の土台をきちんと地面に打ち込む作業のようなものです。


ここが曲がってしまうと全てがダメになる。土台が歪んだ家をいくらリフォームしたところで、強度は弱いままです。むしろ悪化することさえある。土台を打ち直すことは時間もお金もかかるし、パッとしないし、効果が分かりにくい。


それでも長く快適に住める家を手に入れようと思ったなら、絶対にとりかからないといけない部分ですよね。ちなみにためなおさんは大学で建築について研究していたそうです。この家の例え話も彼女の受け売りです。なんとわかりやすい。いただいてます。ありがとう。


話がそれましたが、多くの人は「今の自分は変えたくない、成功はしたい、時間とお金はかけたくない」と考えています。そして本来の方向とはずれているところにお金と時間をかけ、キラキラした幻想を追い、しまった!と思いふりだしに戻ろうとします。


ふりだしに戻れればいい方ですが、多くのケースでは戻ることすらできず、ずるずると悪化し続けていきます。それは目先の利益やわかりやすくて見栄えのいいものに飛びつくからです。


自分を理解することには痛みが伴い、決して1人でできることではありません。自分を客観的に見ることには限界があります。自分で自分を信じるには勇気が必要です。だから自分を自分より信じてくれる人に、近くにいてもらうしかないのです。勇気は聖火リレーのように、誰かにわけてもらえばいいのです。



そしてあなたもいつか誰かに渡してあげてね



伴走者を探すにも雇うにも時間・労力・お金もかかります。1回で自分とぴったりフィットする相手を見つけることも難しいでしょう。「この人だ!」と思う人に出会えた人は幸運です。その幸運に恵まれることすらなく、どうしていいかわからず、誰にも本音を打ち明けることなく、ただなんとなく多くの人が選ぶ道を生き、同化し、とびつき、ふりだしに戻れなくなっている人もたくさんいます。


何が言いたいかというと、土台を作るというのは並大抵なことではないけれど、それ以上にやる価値があるものだよということです。土台を作りなおすためには信頼できる相手との対話しかない。1回や2回ではなく、定期かつ長期間のものの力を、個人的にとても信じています。僕はそこに価値を感じるから、この商売をやっています。



自分の生き方を客観視して、共通項を見つけて、仮定を立てて、検証して、パターンを見つけて、また検証して…その繰り返しで自分らしさは見つけられると思っています。時間をかけて自分と向き合うからこそ見えてくるもの、それが土台です。土台が出来上がればあとはもう流れに身を任せるのみです。


もしこの文章を読んで強く心が動かされた人がいるのなら、公式LINEから簡単な自己紹介と一緒にメッセージを送ってください。あなたが何を感じたのか僕に教えて欲しいです。僕もお返事書きます。やりとりがめちゃめちゃ楽しいかもしれない。


そこに『流れ』があるかも。この出会いがきっかけで一緒に森を歩くことになるひともいるでしょう。ぜひ。いつも見てくれているあなた、強い何かをかんじてくれたあなた、ここで一歩を。前のめりな人が好きです。ラブコール待ってます。


最後に。ためなおさんへ。あなたの持っている性質はあなただけのものです。存分に使い倒して、のびのびと、疲れたらちょっと休んで、また気が向いたら走り出して、あなたの魅力をあなたの周りにいる人にわけてあげてください。その姿に勇気をもらったと感じる人がたくさんいると思います。これからも応援しています!おはなし屋なおと



次は九州に遊びにおいでね〜待ってるよ〜



色々登録特典をつけているのですが、近々リニューアルするつもりなので、今日は特典の紹介はしません。おはなし屋なおとの情報を受け取ろう。頼みます。「note読みました」と一言添えてくれると、返信確率30%UP。ぜひに。



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