見出し画像

「最高の夏」標高2716mを駆け上る 乗鞍・奥飛騨でサイクリング 前編

日本道路最高地点。ほぼイコール、自転車で到達できる国内最高の地点が、長野県と岐阜県の県境・乗鞍エコーラインにあります。その高さは実に2716m。富士山で言うなら七合目ぐらい。

標高2700mともなると下界で「猛暑!35度!」みたいな状態でも普通に気温は20度切り。涼しい風と真っ青な空、湧き上がる雲、夏に行かずしてどうしようという場所なわけですよ。
というわけで、8月初頭の晴れた日に休みをとって夏の乗鞍を満喫してきました。

乗鞍・奥飛騨平湯温泉 - ルートラボ - LatLongLab

長野県・松本駅を出発してそのまま乗鞍までひたすらヒルクライム。天空の世界を堪能したあとは一気に下って、滋賀県・奥飛騨にある平湯温泉で一泊。翌日は逆方向から乗鞍を登って降りて、乗鞍高原からバス輪行で松本駅までワープしちゃうという一粒で二度美味しい感じに仕上がってます。


というわけで長野県、松本駅です。8時発のあずさを使って10時過ぎごろに到着。さすがになかなか遠いですね。真新しい西口駅舎からすぐのところで輪行を解いて出発します。

最初は高山・上高地方面を目指します。
国道158号野麦街道をひたすら西に走り、乗鞍の"最寄り駅"である新島々駅を過ぎたあたりから山が深くなっていきます。ちなみに新島々手前のコンビニが「ラストコンビニ」なので、買いたいものがあれば買っておきましょう。

最初から夏全開の景色。

このルートで一番厄介なのが、乗鞍高原手前に連続する狭隘なトンネルです。観光バスの車体で道幅ギリギリになるので、自転車はまったく逃げ場がありません。
ちょうどこのあたりですれ違ったロード乗りのおじさんに「この先グレーチング外れてるところあるから気をつけて!」とありがたい情報を貰ったんですが、要はそれくらい路面も荒れています。要注意です。

松本市街が33度くらいだったので、すでにちょっと涼しい。

凶悪なトンネル内分岐。ここを轢かれないように気をつけながら右側へ。
まあ、だいたいの車は上高地方面(右)へ流れていくので、「自分も右に行きます!」とアピールしていれば大丈夫だと思います。

ここを抜けて奈川渡ダムを越えたら、乗鞍はもうすぐです。

乗鞍エリアに突入。


乗鞍岳のふもとにある乗鞍高原は温泉と小さいな宿の多い、良い宿泊地だと思います。すでに結構な登りなので、じゃんじゃか脚をまわします。

しばらく走って乗鞍観光センターに到着。
ここの食堂が小さいながらも地元名物っぽい食事を出してくれるので、来るたびに愛用してます。

今回は名物?ソースカツ丼をチョイス。うま。

この観光センターを出てすぐのところに「START 坂馬鹿チャレンジ」の目印が。実はこの観光センターはヒルクライム大会のスタート地点であり、常設タイムアタックイベントである坂馬鹿チャレンジのスタート地点だったりします。
アプリで計測した結果を観光案内所に提出すると完走証がもらえたりするので、気になる人はどーぞ。


本格的な登りに入る最後の補給なので、2本のボトルを満タンにして再び走り出します。

はるか遠くに乗鞍岳の山頂。「え、あそこまで登るの?」という絶望感がたまらないですね。

最初から斜度に容赦がない。

三本滝レストハウス。ここからマイカー規制区間なので、自転車としては俄然登りやすくなります。(バスには気をつけましょう。)
ゲートのおじさんに「いってらっしゃーい」と見送られて、さらなる登りへ。

ここのグレーチングはタイヤをとられると死ぬので注意。

さわやかに見えるだろ?かなり登りがきつい。あの水に飛び込みたい。

突然の豪雨。ただ、真上は晴れていたので気にせず走り続けます。

5分ほどで快晴に。良いシャワーだった。

冷泉小屋前を通過。通年で4度前後の湯花を含んだ冷泉が湧き出ているそうで、確かに硫黄のような香りがします。

さらに登り続けて見えてきたのは位ヶ原山荘。標高2350m地点にあるオアシスです。こちらの山小屋は営業しており、コーヒーなどの飲み物のほか、タイヤキやお汁粉などの軽食も売っています。特にここのお汁粉が好きで、今回もお目当てにしていたんですよねー。

ギリギリ15時過ぎだったのでお休み中でした……8時 - 15時営業なので気をつけましょう。

このあたりから森林限界を抜けて、道路沿いの植生も変化が見られます。

雪渓。万年雪だそうです。

そして容赦のない登り。

いよいよ最高地点が見えてきました。やや頭痛がするのが高山病でないことを祈りつつ、深めに呼吸しながらラストスパート。

位ヶ原山荘の赤屋根と、遠く乗鞍高原が小さく見えています。

到着!ここが道路日本最高地点!
途端に高山市側から雲が湧き上がってきて視界が灰色に閉ざされました。おいおい。だらだらと2時間半近くかけて登ったので疲れはありませんでしたが、ちょっと天候が気になってきます。

ぜ、絶景ポイント……。

最高点である畳平には、鶴ヶ池という大きな池と2つの山小屋、郵便局、神社。そして大きなバスターミナルがあります。

17度。松本市街の気温を考えると、寒いぐらいの気温です。

微妙な天気なのでりんごサイダーを飲んだらさっさと出発。

バスターミナルを出た直後、大粒の雨が降ってきてしまいました。今度は通り雨ではなく夕立ち・ゲリラ豪雨という雰囲気。雷雨になると落雷という意味でもシャレにならないので、速攻で下っていきます。

岐阜側のゲートに到着。

本日の宿である奥飛騨温泉郷・平湯方面へ。
ここでいったん雨がやんでいたんですが、直後に土砂降りに変わってしまいました。視界が閉ざされてレインウェアが浸水するほどの雨だったので当然カメラは出せず、森の中をひたすら下っていきました。

なんとか平湯温泉に到着。ぎりぎり雷も回避できたようで、遠くでゴロゴロ鳴っているのが聞こえてきます。もはや何もできないので本日の宿へ。

「奥飛騨温泉・山がの湯」さん。自転車もしっかり施錠されている屋内(倉庫?)に置いてくださり、ありがとうございました。
超巨大露天風呂をほぼ独り占めできたのが最高でした。それほど混んでいなかったうえに、あの雨で露天に入ろうとする酔狂が少なかったのが良かったですね。
夕食は近くにあった定食屋さんで飛騨牛の鉄板焼を食べたんですが、これも温泉に負けず劣らず最高でしたね……。

後編は、岐阜側からの乗鞍登り返し&頂上付近の快晴・夏の絶景をご覧ください。


記事を気に入っていただけたら、ぜひ ♡ スキ・シェアをお願いします