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未来へ続く「自転車操業」 育児と仕事と趣味の実録

この記事はロードバイク Advent Calendar 2023の9日目の記事です。昨日は NなAおOさんの「韓国のブルベ事情」でした。

さて今回はタイトルの通り、自転車趣味を持つ自分と家族が「子どもが生まれてから今までの約2年半をどう過ごしたか」という実録をざっと書いてみようと思います。

仕事と子育ての両立、趣味と子育ての両立は語られることが多いですが、この2つと子育てをバランスする話ってあまり見かけないですよね。でも「子育ても仕事もやらないといけないけど、趣味もしたいんだ!」って人は多いはずで、そういう人に少しでも実態を伝えて「こういうやり方もあるんだな」と思っていただきたいと思います。



1.準備をしつつまだ日常 (~誕生前)

ひと言に誕生前と言っても人によって・時期によって全然違いますが、我が家の場合、妻が妊娠後期・正産期ともに安定していたこともあって新しい家族を迎える準備をしつつ比較的平穏な日々でした。

出産前後の立ち回り(各種申請などやることの確認)や産院も含めた連絡先の整理、新生児を迎えるための各種アイテムの購入……の話は世の中に腐るほど情報があると思うのでここでは割愛。

届け出系の面倒さはどうにかならないのか。

仕事については、7月後半誕生予定だったこともあって夏季休暇とあわせた約2ヶ月の育休を取る調整をしていました。渡せるタスクはチームメンバーに渡す・難しければ"止める"ということをやっていたので一時的に仕事量は増えていたと思います。
ただこの点、いま自分が勤めている会社は育休に相当な理解と長年の組織としての蓄積があるのでラッキーなパターンだったと思います。(上司も前年に育休取ってたし。)

趣味の自転車については、安定期から妊娠後期に進むにつれ外出を控えて近所のジムやZwift(室内スマートトレーナー)でのトレーニングに絞っていきました。安定期は妻と一緒に旅行もしていたぐらいなので遠出もありましたが、さすがに妊娠後期や妻が産休に入ってくると「生まれるんじゃないか」と気が気じゃなくなります。
これは知り合いの男性の話ですが、富士ヒルクライム参加中に妊娠後期で出産はまだ先だったはずの奥さんが産気づいてしまい、山梨からとんぼ返りしたものの出産に間に合わなかったことがあったそうです。(一生言われるやつだ。)自転車乗り各位はくれぐれも気をつけてください。

育児:★☆☆
仕事:★★★
趣味:★★☆


2.こんにちは赤ちゃん、育休して本当に良かった (誕生~生後2ヶ月)

いよいよ誕生です。初めてのハッピーバースデー。
赤ちゃんの誕生と共に訪れた2ヶ月の期間は、一般に語られる「赤ちゃん育児つらい」が凝縮されたスペシャルタイムになっています。というのも、この時期の赤ちゃんはほぼ眠って過ごすものの2~3時間おきに必ず起きて泣きます。昼夜問わず。

寝てると天使とはよく言ったもの。

「なんとか出産できたけど、これからこの新生児と暮らしていけるのか」と不安になっている妻と、「とりあえず休みは確保したけど、これからこの新生児と暮らしていけるのか」と不安になっている夫という2人で対応するわけですが、さすがに大人が2~3時間の細切れ睡眠に付き合っていたら精神をやられると思っていたので、夜から朝にかけてはシフト制を敷いていました。概ね21時~3時と3時~9時の交代で睡眠を取る形。これは育休を取っていなかったらまず間違いなく不可能なシフトだと思います。

結果として睡眠については「やや上手くいったかも(辛さは軽減されたかも。)」程度でしたが、最大のメリットは「この時間帯は何が起きても自分が対応するんだ」というミッションが明確な時間が生まれたおかげで各種赤ちゃんケアスキルが急速に磨かれたことでした。実際、早期にワンオペで対応できるようになったのは間違いなくこれのおかげです。

育児に専念する一方で、趣味の自転車についてはほぼ時間を取れない現実もありました。実際問題として、この時期は自由な時間を捻出できたとして1日に1~2時間が限界だと思います。(シッターサービスも2ヶ月まではだいたい預かり不可ですし。親戚や祖父母を頼れるなら別。)
ではなんとか捻出した貴重なこの1時間をどう使うかと言われると、「自転車乗ってる場合じゃねえ」となります。

育児:★★★
仕事:☆☆☆
趣味:☆☆☆


3.首がすわって仕事も趣味も再開して (生後3ヶ月~6ヶ月)

さて、ようやく赤ちゃんが夜にまとまって寝るようになってきます。首もすわって、「積極的にお散歩にいきましょう」なんて書いてある育児書もある通り、近場の外出も比較的気軽にできるようになってきます。

ゴロゴロ転がっているうちはまだ安心。

仕事については育休明けからのキャッチアップと育児時間との両立をさぐるタイミングでした。ちょうど感染症対策が敷かれて在宅勤務がメインだったのには大いに助けられましたが(なにしろドアを開ければそこに赤ちゃん&妻がいるのですぐに助けに入れる)、在宅は在宅で元気に泣いていらっしゃる赤子がいることを考えると仕事にがっつり集中できるとは言い難い状況。勤務時間も含めてブレーキを踏まざるを得ない期間だったと思います。

趣味については、この時期から始めた「丸一日お休みデー」のおかげで荒川サイクリングロードあたりのちょこっとサイクリングは再開できるようになっていました。
「丸一日お休みデー」はその名の通り夫婦どちらかが丸一日自由に使える時間をつくる日で、夫婦とも最低月に1度は育児を離れて自由に過ごせるようにしていました。(新生児期にお互いにワンオペできるようになっていたのがここで効いてきます。)

交代で休むので夫婦でデート等ができないのは悲しいところですが、いろんな人におすすめできる仕組みだと思っています。

育児:★★★
仕事:★☆☆
趣味:★☆☆


4.自力で移動し始めるBaby、室内自転車置きへ魔の手が迫る (生後7ヶ月~1歳)

ハーフバースデーも過ぎて、はいはいを始めて立ち歩きへパワーアップしていくのがこの時期。「人間の進化だなー」という気分になります。8ヶ月からは保育園に入園、家以外の時間も増えていきました。

自力での移動が増えるということはそう、室内に保管しているロードバイクの扱いが危うくなるということです。当時から「ぴかぴか格好いいものが飾ってある」的な興味を示していたこともあって、ベビーサークル・ゲートでの囲い込みを厳重にし始めました。
我が家はミノウラのバイクタワーで夫婦それぞれのロードバイクをラッキングしているのですが、下段ははいはいの頃から既に子どもの射程圏内ですし、万が一倒れてきたらと思うと接近すら許す気になれません。

自転車が置かれた部屋に侵入させない、ゼッタイ。

仕事について。妻も職場に復帰して仕事をし始め、こちらも平日日中帯は憂いなく仕事ができる環境に。預け始めたころは可哀想かなーと思っていたんですが、うちの場合は本人がすぐに保育園に慣れて楽しめるようになったのもあって預けて良かったなと考え直しました。
登園・降園の対応は登園を妻、降園を自分で分担する形にしていました。(のちに妻の在宅勤務が終わってからは登園も自分がメインに。)時間の融通がきく仕事でよかったと思いつつ、降園からのお風呂・ご飯対応をして妻にバトンタッチしてから仕事に戻ることになるので気持ちの切り替えの面でなかなか辛いものはあります。

趣味について言うと、平日に有給が取れれば日中帯をフルに使えるので(住んでいる自治体もそういう使い方を推奨と名言しているのがありがたい)がっつり楽しめるまでになりました。
土日については妻と子どもと一緒に遊ぶのが楽しく、逆に趣味をないがしろにしがちだったのはちょっと危ない傾向かなと思っています。たぶんこれがいきすぎると(趣味や仕事の人間関係まで切り始めると)"子どもが趣味"状態になってしまって過干渉などに繋がる気がしています。

育児:★★☆
仕事:★★☆
趣味:★★☆


5.「パパどこ行っちゃったの」に後ろ髪ひかれるイヤイヤ期 (1歳~現在)

1歳から2歳4ヶ月になる現在、離乳食が終わり、ひとりで走り回り、かんたんな会話での意思疎通ができ、自力でAlexaからYoutubeを開いて「はたらくくるま」の曲を再生し、絶賛イヤイヤ期が始まっています。保育園では親友といえる友だちができたようで、親の知らない世界も作っているご様子。

仕事状況は保育園に通い出した頃とあまり変わらず、たまに発生する登園時の「保育園いきたくない」モードや、発熱等によるお呼び出し(早退)がつらいところです。
病気については、保育園から最新の病気が随時輸入されてくるのでこれまで以上に体調に気を使う毎日です。今年の年始は季節外れのアデノウイルス(プール熱)で一家全滅して寝込んで、休みが全部パーになったりしました。先輩パパママいわく「それは小学校まで続く」らしいので長い戦いになりそうです。

「丸一日お休みデー」は継続しているので自由時間は確保できつつ、早朝から家を出ていたりすると子どもが起きぬけに「パパいない!」「パパどこ行っちゃったの」と悲しんだりしているようで後ろ髪をひかれる思いです。
ただ、こういう趣味の時間があるからこそリフレッシュして育児も仕事も頑張れるという実感があります。

子どもが生まれてから初めての遠征だった知床半島。

育児:★★☆
仕事:★★☆
趣味:★★☆


6.おわりに

会社にいる自転車乗りの大先輩から、いつだったか言われた言葉があります。「子どもに時間をかけられるのは今のうちだけだよ」。

曰く「小学校高学年~中学ぐらいになってくると塾やクラブ活動・部活も始まって、土日も友だちと一緒に過ごすことが増えて、そもそも子どもの方が親と遊んでくれなくなるよ」「だから子どもに時間をかけられるのってせいぜい10年ぐらいなんだよ」と。

その大先輩のお子さんは既に大学生になっているので説得力があるなあと思うと同時に、一時的に「育児・仕事・趣味」のいずれかの時間を大きく抑えなければいけない局面はあれど、そのまま何かを諦めてしまうことだけは避けたほうが良いんだろうなと思います。育児も仕事も趣味も楽しむ、と書くとギリギリすぎる印象になりますが、この実録の通り「ある期間はあっちを抑えてこっちに集中する」みたいにバランスを取っていくのが良いんじゃないかと。
いつか「育児」が抜けて仕事と趣味の二輪で走っていくことになったとき、子どもに「仕事も趣味も楽しむ親だなー(自分もこうなりたいな)」と思ってもらいたいですしね。


というわけで、約2年半の実録でした。
子どもがいる人もいない人も、これから生まれる予定がある人も、少しでもなにかの参考になればと思います。

ロードバイク Advent Calendar 2023、明日はりくらいまーさんの「【2023年目標ブルベ】600VT完走についてのまとめ」です。


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