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#29 1年で上達度に差が出た2つの趣味を分析してみる

ほぼ同じ時期に2つの趣味を始めたことがありました。1つは絵を描くこと、もう1つはギターを弾くことです。

この2つ、ほとんど同じ学習環境だったにも関わらず、1年後の習熟度にかなりの差が出ました。今日は、この違いが何によって生まれたのか?を考えてみたいと思います。

1年間の取り組みの内容と、できるようになったこと

まずは、2つそれぞれについて、やったこととできたことを振り返ってみます。

絵を描くこと
一応絵の教室にも在籍しているのですが、パンデミック下でほとんど休校状態になっていることもあり、練習方法としては「自宅でデジタルツールを使って描く」ことが大半でした。

まず定量的な成果で言うと、単なるラフ・デッサンだけではなく、着彩・色塗りまで完成させた絵がだいたい30枚以上です。
普段から絵を描く人の中ではけして多くはないとは思いますが、自分が初心者であったことや、めんどくさがりで継続が苦手な性格を考えると、仕事しながら毎月2,3枚ぐらい絵を仕上げられたというのは、過去の自分の趣味の中でもかなり実績を詰めた方といえます。

次に、質の面を振り返ってみます。
練習を始めた頃の自分は、人体・人の顔をまともに描くことができませんでした。たとえば、顔に対する目の大きさはどのくらいとか、腕を曲げたら肘はどの位置に来るかとか、そういう基本的な人体の構造が分かっていなかったので、写真やイラストをそのまま模写するという描き方しかできませんでした。お手本がないと描けない、写真に写っていないものは描けないという状態ですね。
そういう状態からスタートしたものの、現在はある程度人体の構造、人物の周囲の空間パースや、光源の位置・影の落ち方などを考えた上で、背景も含めた絵に挑戦できるようになりました

ギターを弾くこと
一方でギターはどうかというと、弾けるようになった曲がほとんど1,2曲しかありません。というか、その曲さえもスムーズには弾くことができません。自分で振り返ってみても、フレーズが弾ける曲は増えた実感はありますが、ギターを弾く技術自体が3月と比べてすごく伸びたかというとその実感はほとんどない状態です。

上達度に差が出た要因(1)創作か再現かの違い

ここからは、2つの趣味でなぜこんなに差が出てしまったのかを、自分なりに分析していきます。1つ目に、創作と再現の違いです。「何を持って完成とするか?の自由度」と言い換えてもいいかもしれません。

たとえば絵は、もちろん人体の構造の理解などは必要ですが、どこまで描いたら完成か、何色を塗ったら正解なのかを作者自身が決められる自己表現です。一方でギターはというと、私は好きなアーティストの曲をコピーすることを目標にしていたので、そのとおりに再現して弾けない限りは「できた」とは思えないという、ある種の厳しさがありました。
ただ、これは「じゃあギターで自由に作詞作曲してよい状況だったらもっと習熟したのか?」と言われると違うと思うので、あくまで「できたかどうかが分かりやすすぎて、できないときに練習する気が重くなったり、新しいことへ挑戦しづらくなった」という心理的な要因だと思います。

上達度に差が出た要因(2)関連情報に触れる機会の量の違い

2つ目は、練習時間以外で関連する情報に触れる機会の量の違いです。これが、わたしの場合は絵の方が多かったように思います。
たとえば、私は普段からアニメ作品をよく見るので、二次元的な描き方のインプットが結果的にできており、そこからヒントを得て絵を描いたり、そもそもお絵かきをしたいというモチベーションにもつながっていました。

とはいえ、ではギターについて全くインプットがなかったか、というとそうでもありません。私は音楽を聴くことも好きなので、1日に1回は音楽を聴く機会がありましたし、そこから「この曲かっこいい!」と思ってモチベーションが上がることもありました。そのため、この要因2で生まれたわずかな差が、後述する要因3によって拡大してしまった、ということだと思います。

上達度に差が出た要因(3)関連情報→実践のやりやすさの違い

要因2の関連情報への接触量にさほど差がなかったにも関わらず、上達度に差が出た理由が、実践に移すハードルの高さかなと思ってます。
少し感覚的な話になるのですが、たとえば絵は「視覚情報でインプット→視覚情報でアウトプット」する行為です。つまり、お手本となる情報と実践する情報の種類が同じため「真似しやすい」という感覚がありました。

一方で、ギターはわたしにとって「聴覚情報でインプット→視覚情報に置き換え→聴覚情報としてアウトプット」という感じです。
耳で聞いた音をそのまま再現する能力がないため、一度本やYouTubeを使ってコードや指の配置情報に変換し、それを弾くという手間が発生します。この手間がすごくハードルが高く感じてしまい、聴いて「かっこいい!」と思った曲でも結局練習に発展しなかったりしました。

上達度に差が出た要因(4)アウトプットを形に残したかどうか

要因3の話にも通じるのですが、視覚的インプットがしやすい自分にとっては、絵の練習の軌跡や進捗が目に見える形で残っていることが、さらなる動機づけになりました。
絵は定期的にSNSに投稿して友人に見てもらったり、友人の依頼を受けたりしたこともあり、途中経過が結構ログとして残っているのですが、ギターは途中経過を全く記録しておらず、同じ曲をひいたときに自分がどの程度上達したかを自分自身でも把握できない状況になっていました。
これはモチベーションが上がらないという心理的なデメリットだけでなく「次は具体的にどこを練習しよう」といった振り返りができないことで、効果的な練習方法の組み立てができなかったという機能的なデメリットにもつながってしまったかと思います。

終わりに

今日は上達度に差が出た2つの趣味を振り返ってみました。
アウトプットを残してないな…とかは途中からなんとなく気付いてたのですが、しっかり考えてみると腑に落ちるところがありますね。

時間や効率がすべてではありませんが、これからの自分の人生考えると、仕事でも私生活でも色々なイベントがあると予想されます。そうなると、今ほど好きなことに好きなだけ時間を使える期間というのは限られているという意識が年々強まってくるんですよね。だからこそ、トライアンドエラーして、取り組み方それ自体もどんどん変えていきたいと思います。

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