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#21 続「ゾーンに入る」の話 答え合わせ編

みなさんこんにちは、お豆腐です。

普段は音声配信アプリ「Stand.fm」にて「豆腐メンタル会社員が毎日を生き抜くチャンネル」を運営しています。

以下は12月7日配信「#21 続「ゾーンに入る」の話 答え合わせ編」のテキストバージョンです。音声でお聞きになりたい方は、チャンネルに遊びに来てくださいね。

ブルーピリオドの名言から「ゾーンに入る」を考える

またブルーピリオドの話していいですか…?

「ブルーピリオド」っていうのは、絵を描くことの楽しさに目覚めた主人公が美大合格を目指して奮闘するというあらすじの漫画です。

週末続きを読んでたんですけど、また名言を見つけてしまいました…
前回配信でブルーピリオドの話をしたときは、主人公が美大受験のために予備校に通い始めた頃のお話だったんですが、今回はいざ受験に挑んでいる真っ最中の主人公の心理描写のシーンでの名言です。

両立するんだよ 
絶対受かりたいって気持ちとさ
全員殺したいって気持ちとさ
合格なんてどうでもいいから
この絵を描かせてくださいって気持ちが

本当に心理描写が上手ですよね。
漫画でありながら、絵の巧さもさることながら言葉による描写に引き込まれることが多い漫画だなあと思います。

漫画上の演出としては、この受験中のシーンにおいても、
・美大合格という目標への情熱、執着
・自分の能力への自信、自負
・目の前の課題への無我夢中な集中

どれか一つをピックアップして強調して描写することもはできたと思うんです。でもそうせずに、全部の感情がないまぜになって共存する状態こそ描く意味があるって作者の人は思ったんじゃないかなって思うのです。
すべてが異なるベクトルの気持ちで、矛盾しうるものだというのを認識してるからこそ、それでも「両立するんだよ」って表現になるんだと思います。

いわゆる「ゾーンに入る」について深く考えてみよう

前回配信の中でブルーピリオドの話をした際、主人公の「俺の絵で全員殺す」という心理描写に、私自身が「ゾーンに入っている」状態との共通点を見て共感したということをお話したんですけど、今回のこの名言は「ゾーンに入る」をより解像度高く言語化してくれてる感じがします。

この名言にヒントを得まして、私も自分が「ゾーンに入っている」と感じるときの気持ち、状態をもう少しちゃんと定義してみようというのが今回の配信です。

前回の配信で、私は自分が「ゾーンに入る」ときの条件を、
・集中力
・その作品や制作物への執着
・自己顕示欲
・自己効力感

がピークになったとき、っていうふうに表現したのですが、なんとなく間違ってはいないんだけど言い切れていない感じがしていて、いつかちゃんともう一回向き合いたいなと思ってたので、これをアップデートしてみました。

私がゾーンに入る7つの条件

私が「ゾーンに入る」ときの条件(改訂版)は、次の7つです。

1. 活動の意義に納得できること
2. 他の人ではなく自分がやる意義、重要性を感じること
3. 活動のやり方・進め方を自分で決められること

4. できそうだ、と思えること
5. 長すぎず、短すぎない時間的猶予があること
6. 完成形、ゴールイメージが描けること
7. 自分以外の誰かに活動の結果を見せる機会があること

こういう風に自分が「ゾーンに入る」条件を把握しておくといいですね。
皆さんはどんなときに「ゾーンに入り」ますか?

…みたいな配信で締めくくろうかなと下書きを準備していたんですが、ちょっとこの「ゾーンに入る」について、もう一つ話したいことができまして。
もう少しこのお話を続けます。

「ゾーンに入る」は心理学的に「フロー経験」というらしい

先日、シリカさんからレター(※スタエフ内の機能)を頂いたんです。
前回の「ゾーンに入る」の配信を覚えててくださって、この「ゾーンに入る」っていう概念は心理学的には「フロー経験」っていうんですよっていうのを教えてくださったんです。

そういえば、前回の配信ではあんまりよく考えずに「ゾーンに入る」って言葉を使ってたんですけど、この「フロー」って言葉もよく聞きますね。
むしろ、ビジネス系の書籍、自己啓発系の書籍だと、フローという表現の方をよく見る気がします。

さらに、この「フロー経験」の詳細も記載してくださってたので、そのままお借りしてご紹介します。

※レターの内容は、スタエフ内の音声配信をお聞きください

お、と思いまして。
これ、私がなんとなく、感覚的に、帰納法的に定義しようとしてた「ゾーンに入る」条件と近いのでは?と思ったんです。それですごく興味が湧いてきて、この「フロー」について少し調べてみました。

これは余談なんですが、まず驚いたのが「フロー」という表現で検索すると、「ゾーンに入る」という表現で調べたときよりも、体系化された情報がたくさん出てくるんですね。
こうなると「ゾーンに入る」という表現はどこから来たのか?という別の疑問が湧いてきますが、由来や誰が最初に言い始めたか、というような情報は全然出てきませんでした。「フロー」という言葉との棲み分けも明確に定義してる方が見つからなかったので、より感覚的な表現、口語的な表現というふうに捉えるのがいいのかもしれません。

「フロー状態」の7つの構成要素

本題に戻ると、この「フロー経験」を提唱したチクセントミハイという方のTEDの動画を見つけました。この動画の中で、まさにフロー状態の構成要素が紹介されています。

動画は全編英語、かつ他の話も入っているので、下記にフロー状態の構成要素をご紹介していきます。

フロー状態の構成要素は全部で7つあります。
動画内の英語を直訳すると少しまどろっこしい表現になってしまうので、山田太郎さんという方が解説されたnoteの記事を参考にさせていただきながらご紹介します。


フロー状態の7つの構成要素とは、以下のとおりです。

・目標と能力が釣り合っている
・明確な目標がある
・明確なフィードバックがある
・無関係な情報を遮断する
・行為への統制感があり、それ自体が報酬になる
・すべての注意が目の前の行為に集中している
・自意識が消失する
・時間の感覚が変わる

こうして見てみると、私が「自分がゾーンに入る条件」として経験則的に洗い出してみた条件も、チクセントミハイの理論で説明される部分が多くびっくりです。

チクセントミハイの理論にあるが、私が考えた条件にないものとしては、
・すべての注意が目の前の行為に集中している
・自意識が消失する
・時間の感覚が変わる
の3つなんですが、これは自分でコントロールできる要素というより、他の条件によってフローが作り出された結果として起きる状態なのかなと思うので「条件」としては確かに出てこないのが当然という感じもします。

というところからも分かるとおり、このチクセントミハイが提唱した7つの構成要素はあくまで「構成要素」であって、厳密にいうと「フローを作り出すトリガー」ではないんですね。そのため、フローを経験するために7つの要素のすべてが必要というわけではないということらしいです。
1つだけ当てはまる、すべて当てはまるなどは人によって差が出る、という意味では、一般論だけではなく「自分が」フロー状態に入りやすい条件を把握しておくことは依然として意味があるといえそうです。

ということで、
・「自分がフロー状態に入りやすい条件を掴むにはどうすればいいか
・条件を掴めるとどんないいことがあるのか
をお話していきたいところですが、少し配信のお時間が長くなってしまったので、後日続編を配信させていただければと思います。

皆さんも、自分がフロー状態に入っているときのことを思い出すと、新しい発見があるかもしれませんよ。
それでは、本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。お疲れさまでした。

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