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天体写真のPhotoShopの画像処理は??(IC1396)

はじめに

 私、ずっと、この企画やりたかったんです。撮影した天体写真をブログとかに掲載することは昔からやってきたんですが、その処理過程の詳細について公表したことはありませんでした。

 天体写真をやられる方でブログされている方や、SNSで公開されている方々で処理過程の詳細までを公開されている方はほとんどみません。やっぱり、裸をみられているみたいで恥ずかしいからかも。それにみんなが上手くなったら入選しにくくなりますからね〜〜(汗)。

 今回からは、ノウハウ?が詰まっているPhotoShopのレイヤー構造を公開することで、どのような処理をしているのかを見せていこうと思ってます。今回はその企画の第一弾、先日アップした記事の「ケフェウス座のガーネットスターとIC1396」のレイヤー公開です。

2段階での工程管理

 PhotoShopの作業工程については、だいたい完成版(95%完成ファイル)最終版(フィニッシュワーク用ファイル)の2つのファイルで管理しています。正確にいうと、レベル調整やコントラスト調整のようなレイヤーごとの数値をいじることで調整可能な処理用のファイルと、CameraRawのように画像に対して直接処理し、後戻りが面倒な工程に分けています。

95%完成ファイルの中身

 とりあえず、こちらが前者の「だいたい完成版」です。主にコントラスト補正によるカラーバランス調整と、ステライメージで取りきれなかった細やかなカブリ補正を実施するところまでやっています。

 今回の対象であるIC1396については、梅雨シーズンの晴間を縫って撮影していたことから、一部のファイルでは薄雲通過やモヤが発生していたと思われます。数十ショットも撮影しているのであれば、きちんと選別してコンポジットするのですが、G画像やB画像は10枚以下ということもあって、軽くしか選別しませんでした。
 それによる影響で、G画像については四隅がカブっている状態になっているところからのリカバリーを頑張った感がレイヤー構造から滲み出てますね。G画像は光の影響を受けやすいので、月明かりのない澄んだ空の時に撮影するべきだと学びました。

 フラットについては自分の方法について別の記事でまとめようと思うのですが、ちゃんとバイアスと秒数合わせたフラットダークを減算したフラットファイルを使えばパーフェクトフラットになります。フラットだけでも10本ほど記事を書く自信があります。

スクリーンショット 2020-07-07 8.56.34

 レイヤーの下から順番に処理を積み重ねていっているのですが、グループごとにどのような経過をたどっているのかをアニメGIFにしてみました。

IC1396処理

 それぞれのレイヤーのテクニックについては別記事にしようと思ってますが、こんな感じの調整レイヤーとかマスクかけたりしているんだなあと分かると思います。元画像→コントラスト調整→光害カブリ調整→彩度調整→微調整→星の色置換の順番のアニメGIFになっております。

フィニッシュワーク用ファイルの中身

 そして、次のこちらが、完成版となります。主にノイズ補正、シャープ化などの元素材に影響があるものを実施して、最後に最終的なカブリ補正とコントラスト調整やレベル調整を実施しています。

スクリーンショット 2020-07-07 9.03.34

 こちらもアニメGIFを用意してみました。元画像→ノイズ処理→シャープ化処理→カブリ補正→コントラスト調整の順番となっています。

IC1396処理f

さいごに

 特にマジックのようなこととか、塗ったり貼ったりしたりとか、星無しの画像を用意して合成したりしてません。ほとんどのレイヤーがレベル補正レイヤーで、マスク使ってカブリを引き算しているだけなんです。

 次からも作品が完成したらPhotoshopの過程については公開していこうと思ってます。その中でのレイヤーごとの細かいテクニックについては別記事として用意していこうと考えています。

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