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ケフェウス座のガーネットスターとIC1396を撮影したよ!

概要

 秋の星座のケフェウス座。季節的には早すぎるのですが、梅雨の合間を縫って新月期間に晴れていた夜を狙って、まずはIC1396という散光星雲を撮影してみました。

構図

 私の撮影機材(焦点距離430mm、センサーサイズAPS-H)なら、ちょっとキツイめのフィット感で全体構造をフレーミングすることができます。なので、基本的には日の丸構図。自然とガーネットスターは写真の上部に黄色い輝星として配置されています。

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撮影データ

 新月を少しだけ過ぎていたために月が沈んだ23~0時ごろから、天文薄明が開始する2時半ごろまでの約3時間を2夜にわけて撮影しています。
 今回もシンプルなLRGB合成。撮影フレーム数としてはL画像が12枚(2時間)と若干頼りない感じです。Lは合計3時間、18枚をコンポジットしたいところですね。G画像も8枚と少な目です。RGBは12枚ずつ(1時間ずつ)欲しいところです。

[Technical Data]
Object Name: IC1396
Date: 2020/06/27, 2020/06/29
Location: Fujigane, Yamanashi, Japan
Scope: ε-130D βSGR
Mount: iOptron CEM60-EC
Autoguider: QHY5L-II, KOWA LM100JC, PHD2
Camera: Moravian G3-16200, -15C
Filter: Astrodon LRGB Gen2 E-Series Tru-Balance Filters
Exposure: L 1x1 600sec x 12, R 2x2 300sec x 15, G 2x2 300sec x 8, B 2x2 300sec x 10, Sequence Generator Pro
Processing: PixInsight 1.8, StellaImage7, Photoshop CC 2020

画像処理

 いつものように以下のフローです。

①PixInsightでコンポジットまでして、L画像、R画像、G画像、B画像の4つのファイルを用意
②ステライメージでL、R、G、Bのそれぞれのカブリ補正を行ったのちにRGB合成、RGB合成画像と、L画像のそれぞれを適切にデジタル現像
③PhotoShopで、RGB画像を開いてLabモードでLチャネルをL画像で置換して、LRGB合成を実施。コントラスト調整、カブリ調整、色調整、ノイズ調整を行って完成

 L画像、R画像、B画像はいつものようにパーフェクトフラットだったんですが、G画像は四隅にカブリが残っており、PhotoShopでシコシコ調整しました。

 天の川のなかにある散光星雲であるので、ちゃんと星々が散りばめられているなかに照らされた散光星雲がぼんやり浮かんでいる感じや、透明感を大切にしてカラーと輝度のバランス(コントラスト)を大切に処理しています。

さいごに

 「ゾウの鼻」、英語では「Elephant's Trunk Nebula」と呼ばれている領域をクローズアップしました。

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 100%の等倍画像なのですが、ちっちゃいゴマ粒の一つ一つが恒星です。クローズアップすると、このような微恒星がたくさんシャープにみられるのが至極の喜び、自己満足です。いろんな色が見えますね。一つひとつちゃんと主張しています。

 このように微恒星がキチンと残るということは、丁寧に画像処理を実施しているからです。ノイズ処理でバックグラウンドをツルツルにすると微恒星は消えちゃいます。星消しソフトで処理した画像を使ってPhotoShopで加算合成すると凄く星雲だけが目立つようになるんですが、星にはダメージが残ります。

 見栄えという点では次第点だと思うんですが、この感じが今の自分のポリシーやマナーです。

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