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『BRA★BRA FINAL FANTASY 2024 with Siena Wind Orchestra』~音楽の同窓会~

2024.5/5に『BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2024 with Siena Wind Orchestra』(以下BBFF)に参加してきました。

こちらはFINAL FANTASYのゲームミュージックを吹奏楽で演奏するコンサートの事です。2015年から2019年まで開催され、今年はコロナ前の2019年より実に5年振りの開催となりました。
司会にはFF音楽生みの親、植松伸夫さんと、お馴染み山下まみさんのコンビが担当し、演奏は日本を代表する吹奏楽団シエナ・ウインド・オーケストラが参加しています。

私は2019年の『BRA★BRA FINAL FANTASY みんなdeえらぼー!』に初参加しました。
当時のセットリストはこのようになっています。

2019.5/19 Tokyo, 14:00


サブタイトルが「みんなdeえらぼー!」とありますが予め配布されていたプログラムよりどの曲が聴きたいか観客のブラボーの声で大きさを比べ、より大きい方の曲が演奏されるという演奏者泣かせの手法を取った変わったコンサートでした。

当時は初めての吹奏楽コンサートだったので始まる前までは緊張していたことを覚えています。
いざ始まってみると観客を巻き込んだコンサートで指揮の栗田博文さんのダイナミックな指揮と初めて体感した吹奏楽の厚みのある音と一体感にとても感動しました。
今回はどのようなコンサートになるでしょう。

場所は伝統あるサントリーホール、重厚なエントランスはそれだけで威厳を放っているように感じました。
入って早々館内に流れるSEでVIIIの曲が流れていました。順にIXと、そしてXでは名曲『ザナルカンドにて』も流れていました。
ちょうどどストライクの世代で当時プレイしていたのを思い出して全ての曲で鳥肌が止まりませんでした(もっと早く来て他の曲も聴きたかった!!

ここでひとつエピソードを。

FFIXが発売された当時、私は左腕を負傷して学校を休んでいました。
左腕に力をかけるとヅキヅキ響く痛みに襲われます。しかしこの期間に友達よりストーリーを進めなければと思い、コントローラーを置いてアロハ🤙ポーズでアナログスティックとボタンを押しながら右手一本で巧みに操作していました。
するとプレイ中に病院から電話がかかってきてレントゲンの検査結果を知らされました。

「折れているからゲームなんか絶対やっちゃダメだからね」

と強く言われました。もちろん物分りがよく素直で純粋無垢な私は

「はい!やりません!」

と二つ返事で電話を切り、黙々とアロハプレイ🤙の練度を上げていったのです。

このあたりの作品は思い入れも強いです。
FINAL FANTASY(以下FF)という超大作RPGは当時、特別勉強ができる訳でも、運動神経が優れている訳でもない自分でもクリアすることができました。4枚組のDiscを変える時の高揚感は胸高鳴る特別な瞬間です。クリアしてやり遂げた達成感は子供には格別で、翌日学校へ登校する時には謎の自信を纏い、誇らしげな気分だった思い出があります。
私の人格形成においてFFはかなりの影響を受けています。
やり込んだゲームには想い出の曲も沢山あります。FFはストーリー・システムはもちろんですがゲームミュージックも最高なのです。
ゲームミュージックも最高なのです(大事なので復唱)
途中手を止めて聴き入ってしまう曲が多々あります。
今回BBFFではどんな懐かしい曲に再び会えるのか、どこか同窓会のような気持ちもありました。それではプログラムに沿って一曲一曲感想を書きたい所ではありますが、超長文になるのでいくつか絞って短めに正直感想を書いていきたいと思います。


曲感想(以下ネタバレあり)







1.『FFバトル2メドレー』
FFIV、FFⅤ、FFVI、FFIX、
勝利のファンファーレ

バトル2とはいわゆるボス戦の曲ですね、名曲が多いです。
披露されたのは上記の曲ですが、個人的にはIVはバトル1が至高です。バトル2で言ったらVIIの『更に闘う者達』は外せないんじゃないでしょうか。いやVIIIも良いですねってもう選べません!
みんな名曲!それぞれに思い出があります。
最後は勝利のファンファーレで5年ぶりの開催を祝います。


2.FFVIII『Eyes On Me』

やってくれました!2曲目にしてゲームミュージックの枠を超えた名曲の登場です。
オリコン洋楽シングルチャートでは19週連続1位を記録し、第14回日本ゴールドディスク大賞洋楽部門のソング・オブ・ザ・イヤー曲です。
これは2019年にアンコールでもやってくれましたが、また聴けるとは!!
私の席はP席と言われるステージの後ろでしたので、この曲が流れた瞬間ハンカチで顔を覆う方が何人か見られました。私も同調され貰ってしまいました。
FFVIIIはラブストーリー色強めですが難解でスケールの大きいストーリーは大人でも楽しめるゲームとなっており、こちらもVIIに続いてRemakeを期待している作品です。

植松さんがMCで

「FFVIIIでボーカルを使った曲が使えるようになってゲーム音楽の幅が広がり、作曲するのが楽しくなった」

的な事を仰っていましたが 確かにFFVIIIの選曲が1番多く全部で4曲披露されることになります。


3.FFV『ビッグブリッヂの死闘』

説明不要の名曲。エレクトーンなどの弾いてみた系でも有名で、もしかしたらFFをプレイしたこともない方でも知っているかもしれませんね。
2020年に行われた『全ファイナルファンタジー大投票』人気楽曲部門で数ある楽曲の中から堂々の第2位にランクインされています(ちなみに『Eyes On Me』は第3位)
全ての曲がそうなんですが吹奏楽で聴けるなんて感涙ものです。


6.FFVII『ルーファウス歓迎式典』

The・吹奏楽を感じることができる行進曲ですね。ゲームミュージックの深みというか、こんな曲もあるのかと子供ながら興奮して聴いていたのを覚えています。
当時好きすぎて『ルーファウス歓迎式典』を聴くためだけのセーブデータ作っていた幼き自分に言ってやりたい。

「お前大人になったらシエナ・ウインド・オーケストラが目の前で『ルーファウス歓迎式典』演奏してくれるぞ。と」(唐突のレノ)


8.FFVIII『Fragments of Memories』

入場時に配布された「あなたの5年間を教えてください」のアンケート発表の時にハープの演奏で流れていました。(違うかも)しかし、P席ではこのハープの音がほぼ聴こえませんでした。前回参加した時に素敵な音色で好みだなぁと思っていたので少し残念です。
植松さんがお客さんの声援で演奏する曲が決まる時のMCで

「聞けなかった曲はまた8月に追加公演があるのでそちらに参加して今より大きい声でブラボーと言って聴けるようにしましょう!」

的なことを言っていたのでもう追加公演に行くしかないです笑(抽選申し込み済)


10.FFVIII『Blue Field』

演奏前に植松さんのMCで「好きな曲」と仰っていましたが((FFVIIIでBlue Field??なんじゃそりゃ??))まったく聞いた事がない曲名だったので困惑しましたが、始まって納得、フィールド曲でした。
この曲はトラウマ曲というか、ゲーム序盤でGFの存在に気づかずジャンクション無しでボス戦のイフリートで詰み、フィールドを彷徨っている時に散々聴いた曲だからです。
あれ、気付かなくないですか?私だけじゃないと信じたいです笑


12.FFX『素敵だね』

この曲は植松さんのバンド「植松伸夫 con TIKI」からボーカル担当の暁-Xiao(シャオ)さんが生歌を披露してくれました。
伸びやかで透明感があり、初めて暁-Xiaoさんバージョンを聴いたのに自然と心にスっと入り込んでくるとても魅力的な歌声の方でした。思い出しただけでもまた聴きたいなぁと素直に思います。
これはとんでもないサプライズでした。まさか吹奏楽でボーカルが聴けるなんて。植松さんを始めシエナの方たちがみんなを楽しませたいという気持ちがすごく伝わってくる粋な演出でした。


13.FFX『ザナルカンドにて』

MCを挟んでからのこの曲!怒涛のFFXメドレーでシエナが本気で泣かせにきてるのをヒシヒシ感じました。
『素敵だね』で再び決壊した涙腺ダム、周りに気づかれないように涙を拭いていたのにこの曲のコンボとは!脳内FFXエンディング回想不可避!
ゲーム史上あれほど胸が締め付けられて泣けるエンディングはないのでは。
本当にBBFFは2時間半の間で感情を激しく揺さぶられ、いい意味で情調不安定になりしんどいです(嬉泣)

ちなみに『ザナルカンドにて』が『全ファイナルファンタジー大投票』人気楽曲部門第1位の曲です。

学生の頃に音楽室のピアノで何度もこの曲を練習していたTくんは今も元気にしているだろうか。


14.FFVII『片翼の天使』

『ザナルカンドにて』から続いて披露されたこの曲。

その瞬間指揮者の栗田さんが 一瞬にして形相が変わったのがわかりました。
栗田さんの銀髪も相まってセフィロスが憑依したかのような、プログラムラストを飾るこの曲に望む感情がそのまま表情に現れていて圧倒されました。

もうその顔を見ただけで((セフィロス来るゾ!!))と感じました。
P席は演奏者の動きや指揮者の表情、目線など見れるとんでもなく贅沢な席だ!とこの時初めて理解出来ました。
もしかしたらこの瞬間が個人的に一番のハイライトかもしれません。

そういえば客席に見えたエアリスのコスプレで来ていた方はどういった感情でこの曲を聴いているのだろう、とチラっと見てみるとニッコニコ御満悦な表情で堪能されておられました笑
エアリスが聴いても笑顔になれる曲、
オーケストラの迫力を一番感じられる曲ではないでしょうか。


・まとめ

私は音楽が好きで普段LIVEに行ったりするのですが、好きなアーティストがみんなと同じように手を挙げさせようと煽ったりするのを見て((そういう曲じゃないしなんか違うんだよな))と嫌気が差していた時期がありました。
言われたことを自分の感情・思考ゼロで手を挙げるなんてロボットじゃないし盛り上がってるなら勝手にやるからほっといてくれと感じる時もあったのです。

この日のサントリーホールはそれと真逆のLIVEでした(もうLIVEと言わせて下さい)
BBFF定番の締め曲『マンボdeチョコボ』では観客がステージに上がり自前の楽器でシエナの方たちと一緒に演奏しました。
客席でも拍手であったり、グッズ購入特典のマラカスだったり、「マンボ!」の掛け声(笑)などで各自自由に『自分の音』を鳴らして曲に参加することができるのです。

『自由』それは私がLIVEに求める最大の要素かもしれません。

上の写真(この曲の時は撮影OK)のように私は観客の拍手とブラボーを直撃する席でしたので演奏者側に立ったような気分も味わえました。
観客の熱量は凄まじいパワーで、演奏者にとってはある意味すごいプレッシャーでもありますが、ステージに立つシエナのクルーは観客を巻き込んで「この瞬間の音を楽しもう」という懐深いスタンスで素敵な空間を作り上げてくれました。

観客チョイスの曲で『シーモアバトル』と言っただけで悲鳴が上がるほど熱を持ったファン達とそれに応えるパフォーマンスをする演奏者の方々、こんなにも身構えせずに一体感のあるコンサートを味わえるのは他ではないでしょう。
そりゃ一体感もあるはずです、観客は生まれた場所も国も年齢も違うはずですが、ゲームクリアという大義名分の元、同じ志を抱いた同士なのですから。

もう5年も待たせないで、と音楽界の永遠のナギ節が続くことを願い、また次回のBBFFで同士達との再会を期待したいです。






・最後に今後聴きたい曲。

FFVIII『Overture』
FFVIII『Liberi Fatali』
FFVIII『Fisherman's Horizon』
FFVIII『The Legendary Beast』
FFIX『ローズ・オブ・メイ』
FFX-2『久遠 ~光と波の記憶~』(植松さん作曲じゃないだけど聴きたい笑)

みなさん他にもありましたら教えてください。

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