年功序列の壁を越えろ!人事考課制度導入への道 後編
完全年功序列の当社に人事考課制度を導入するために奮闘したことを思い出しています。
業務改善は意識改善でもある
先述した3つの案は導入には至りませんでしたが、会社として「何かしらの評価をし、賞与に反映しよう」という考えにはなってきてはいるようでした。
従業員側も、「一律の評価」に対する不満の声も上がるようになってきました。
こういった意識の改善が業務改善の大きなポイントでもあると思います。
そういう意味でも、最初の提案からの話し合いでいい流れを作り、最終的に導入につながったのではないかと思っています。
まずは何事もやってみなければわからないってことですね!
導入が決定した制度について
制度の全容と導入に至るポイント
今回導入できた制度は、『業務改善提案制度』です。
従業員が会社に業務の改善などについてアイデアを提案し、その提案内容をいくつかのカテゴリーに分けた評価基準でポイントをつけ、賞与額に反映するという制度です。
最終的にこの制度を提案したのにはポイントがありました。
今までの改善事例をみても、経営者の考え的に、従業員のみにメリットのある制度は導入されにくいということ。つまり、人事考課制度を導入するにあたっても、会社の利益に寄与するものでないといけないと考えました。
また、自分達の手で改善の提案をし、改善していくことの喜びややりがいを感じてもらいたい。そして当たり前に業務改善ができる組織になってほしいという願いがあったからです。
業務改善によって会社の利益に貢献する、そしてそれを正しく評価してもらう。
こんなにWIN-WINな制度はないだろう、と鼻息を荒くし、提案しました。
改善提案アプリ
この制度を電子で行うためには、kintoneが最適でした。
1提案1レコードで完結できる
プロセス管理で提案〜承認フローを回せる
レコードのコメントで補足や質問のやり取りができる
作成したアプリを見ていきます。
①提案用部分
現状の問題や課題
改善内容と目的
体制・スケジュールや費用・購入物
この3点を入力していきます。
②評価者使用部分
まずは予備判定を行い、A判定を得たものが評価の対象になります。
当初のイメージとしては、B判定とC判定は提案賞のような感じでした。
(予備判定はほぼ形だけにはなっていますが)
A判定を得たものは本評価として効果性、重要度、継続性、必要資金、労力対効果、独創性の6つのカテゴリーで評価していきます。
ラジオボタンで項目ごとに評価を設定し、計算フィールドではIF関数を使いラジオボタンの値を数字に置き換えてポイントを合計します。
合計のポイントで最終評価額を決定します。
③プロセス管理
プロセス管理もシンプルなルートで済ませています。
コメント欄でコミュニケーションをとり、補足事項や不明点を洗い出します。
このようなアプリを作成し、運用をスタートしました。
プラグインも使わず標準機能のみのシンプルですごくないアプリができました。
最後に
最初に人事考課制度を導入してほしいと話し始めてから提案というフェーズに移り、実際に導入し制度が始まるまで2年か3年かかりました。
私個人としては制度の導入よりも、業務改善を提案する正式な箱ができたことがよかったと思っています。
ただし、この制度にもいくつかの問題点と注意点があります。
問題点としては、提案数は必ず減少していくことです。
実際開始した当初から提案数は減っています。
継続した業務改善をしていくため、これからもっと考えていかなくてはいけませんね。
注意点としては、提案をノルマにしないことです。
ノルマを達成しようと、提案することが目的になってしまいます。
それでは真の業務改善にはなりません。
業務を改善するという目的があって、よくなったことに対して評価を得られれば次のモチベーションにもなる、それがこの制度の意義だと思います。
業務改善職が評価されることはとても嬉しいことです。
業務改善に対して積極的に取り組める人が多く出てくるような組織であるように、そういう組織づくりもこれからの課題の一つであります。
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