年功序列の壁を越えろ!人事考課制度導入への道
当社は完全な年功序列制でした。
否、今もまだ完全な年功序列制です。
そんな当社に、何年もかけて話し合い、まず第一弾の人事考課制度が導入され、kintoneでアプリを作成したというお話です。
プロローグ
決まった賃金テーブルから、毎年決まった額の昇給と決まった賞与。
業績によって冬の賞与の増額があるものの、先に入社した者が多い賞与。
どれだけ頑張ろうと、またどれだけ怠けていようと平等に評価(?)されていく、そんな会社でした。
そうなるとやはり仕事に対して積極的に向き合う人がいなくなってきますよね、必然的に。
経営者もある意味楽だったと思います。業務や経営に対して意見する人はいなかったわけです。
それが企業風土、文化として長く根付いていたわけですね・・・
それはそれでよかったんです、今までは。
人事考課制度導入を目指して
あるときから、それに納得しない従業員が出てきたのです。
業務の電子化を進め効率化しペーパーレス化を進め、超アナログだった会社にテレワークまでもたらした人物が出てきたのです。
「成果に対しては評価してもらうべき」
目に見える成果を出しているならこう考えるのも当然のことです。
成果を出して評価をもらい、評価のためにまた成果を出そうと努力する、これが組織にとってのいいサイクルではないか、そう思います。
だからこそ評価制度を導入しましょう!
と、最初に提案したのは何年前のことになるでしょうか。
導入の提案
というわけで提案に進むわけです。
「人事考課制度を導入してください!よろしくお願いします!!」
「よっしゃわかった導入しよ!」
・・・なんていくわけがありませんし、もちろん私も丸腰で挑んだわけでもありません。
とりあえず3つの案を持って導入に向けて話し合いました。
①出勤率による評価
これは知り合いの会社で実際にやっている制度で、
所定労働日数に対する有給休暇を除く実際の出勤日数の割合、「実際の出勤率」を賞与額に掛けるという制度です。
当時はまだテレワークもなかったので、シンプルな計算方法として提案しました。
②数字による評価
製造部に関して、製造高によって評価しようという制度です。
「数字」というのがやはり個人の仕事として1番評価しやすいところであり、またそこを評価されるなら個人個人の仕事がよりよくなっていくのではないかと思い、提案しました。
③人事評価シートによる評価
一般的によく見る人事評価シートに基いて、それぞれの項目を5段階評価し、ポイントをつけていくという評価制度です。
これは私が以前勤めていた会社ではこれをまず自己評価し、上長とミーティングして最終評価をしてもらうという制度でした。
いきなりこれを導入するのは難しいと思いましたが、一般的な人事考課として提案しました。
それぞれの問題点
やはりそれぞれに問題があり、どれも積極的に導入、とまではいきませんでした。
①出勤率による評価の問題
一点は、まずマイナスの評価にしかならないことが、私の中でもあまり好印象ではありませんでした。
もう一点は、出勤率を上げようとして実質的に有給休暇の取得を抑制してしまうのではないか、それは労働基準法的によろしくないと考えたからです。
②数字による評価の問題
数字による評価はよかったのですが、製造品目によって収率のばらつきは発生し、担当する品目も指図者によってコントロールされるため、公正な評価に繋がらないという懸念がありました。
また経理部門や品質管理部門など、数字では表れにくい部署では評価ができないと判断し、この制度も断念しました。
③人事評価シートによる評価の問題
この制度の問題は、評価する側にありました。
こういうことをしたことがない者にとって、たとえ役職を与えられ上に立つ者であっても人を評価するという事は難しい事ですし、自分の評価がその人の賞与額に直接影響するとなるとやはり評価することがストレスになってしまう。
いきなりこの制度はハードルが高いということで、断念せざるを得ませんでした。
そして・・・
用意した3つの案は全てダメな結果になりました。
ここまででもなかなかの期間を要しましたが。
人事考課制度導入もやはり夢と消えるのか…誰しもがそう思いました。
しかし、そこで終わるわけはありませんでした。
実は用意していた案がもう一つあったのです。
しっかり自分の中で考えをまとめ、じっくり寝かしてから満を辞して提案に向かうのでした。
そして・・・
つづく。
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