ビジネスマネジャー #5
手に入れる経験値は、皆同じとは限らない
多くの人は、日常の業務から通じて経験から得ます。しかし、その多くの人が全く同じ業務をしていたとしても、同じ経験値を得るとは限りません。
経験を知識に、そして知恵に替えていく。その個人差があるからです。
日々、何気ない繰り返しの中から、何を学んでいくかが重要であり、これはマネジャー、メンバーのどちらにもいえることです。
できる人をさらに伸ばしていくか。
思うようにできない人を積極的にフォローしていくか。
この選択を間違えてしまうと、モチベーションや職場の雰囲気づくりに直結し、やがて人は離れていきます。そして、新しい人材が来なくなる、または受け入れが難しくなると考えます。
メンバーのやる気、職場の雰囲気は、選考判断を狂わせてしまうことになりかねません。
ある製造業から、作業者教育・管理のご依頼をいただいた時のこと。
パート従業員が多く、職場は女性で多く占められている。日々、決められた時間内のなかで、決められた量を決められた手順で作業にあたっている。
現場の様子をみている限り、何も問題はないと感じていたのですが、この日ご対応いただいた部長が作業者を指しながら、
「あの人、いつも手が遅いんだよね」
ーどうして遅いのですか?(私にはそう見えなかった)
「仕事に興味がないからだろ」
ーそうなんですか?
「やっぱり興味をもってもらわないと、手は早くならないんだよね」
「できない人は、目の前の仕事に興味をもたない」
…。
冒頭にも書いていますが、
経験値の得方には個人差がある
相手をきちんと理解し、その相手にあった教え方で理解をしてもらう。この相互理解を積み上げることにより、相互信頼を築いていくことが重要です。
「聞いてもらえた ≠ 理解してもらえた」
「教えたつもり」、「教えてやった」になっていないか
コミュニケーション能力は、話し手ではなく、聞き手が評価する
つまり、
「部下からの評価が低ければ、あなたのコミュニケーション能力は低い」ということになります。
日々、自己の行動を内省し、マネジャーとしての適切なコミュニケーションを心がけることが最も重要です。
経験から多くを学ぶのは、部下ではなく、マネジャーです。
その後
「あの作業者は本当に話にならないですよ」
ー私はそう思えませんでしたが、まあ、そうなんですね
と、その場を後にして
専務に部長の話の真意を確かめにいったところ、
「ウチはこういうやり方なんです!」
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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