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温熱のシミュレーションについて

ここでは、温熱のシミュレーションでなにができるのか、どのような仕事ができるのか書いてみたいと思います。

アウトプットのイメージとしては、ホームページにいくつか例を載せています。ご確認頂ければ幸いです。


 お忙しい中大変恐縮ですが、ぜひ一度、お目通しの程よろしくお願いいたします

①温熱シミュレーションとは

 温熱のシミュレーションとは、住宅や高層ビルの事務所など建築空間の温度や湿度、冷房や暖房の消費エネルギー、快適性の評価など、1つ1つの部屋の熱に関わるデータを予測することです。

②何ができる?

 それでは、具体的になにができるのかといわれると、たくさんありますというのが本音です。

 私の思いつく範囲でいくつか例題を書こうと思いますが、私が想像できないような使い方もあると思います。ですので、建築の熱の関係でこういうことシミュレーションできるのかなと思うことがあれば、ご連絡ください。私のできる限りの知恵と工夫でシミュレーション方法を考えます。

 それでは、具体的になにができるのか。

 まずは、建物の1つ1つの部屋の温度が出せます。

 例えば、住宅の設計でプランAとプランBがあるとき、冬はプランAはリビングの温度が比較的高くなる、プランBはそれぞれの個室の温度が高くなるなど、熱の側面でのプランのプレゼンができるようになります。その部屋に人がいるのかいないのか、どんな行動しておるのかも考慮できるので、生活スケジュールを考慮したり、店舗や事務所であれば営業時間だけを対象にした温度の評価などができます。

 施主さんから「朝起きた時に寒くない家にしたい」などと要望があった時に、「じゃあ年間で15度未満にならないようにしよう」、「それでどのくらい壁を厚くすればいいのか、どのくらいの部屋の広さにすればいいのか」などをシミュレーションして実際の温度を示して提案することができます。

 壁の温度なども出せるので、改善案の提案も比較的容易にできます。

 次に、1つ1つの部屋の冷房・暖房消費エネルギーが出せます。

 最近では、外皮性能を基に建物全体の冷房・暖房消費エネルギーを出すことは可能です。ですが、人の生活スタイルは様々です。冷房が苦手な人は夏に窓を開けることが多いでしょうし、仕事で家にあまりいない人の部屋はその部屋の冷房・暖房消費エネルギーを出されても…という人もいると思います。

 そのような方に対しては、「法律上はAの消費エネルギーですが、生活スタイルを考えるとBくらいの消費エネルギーに減ると思いますよ」などという風に居住者に知らせることもできると思います。また、省エネのための暮らし方を示すこともできるので、その暮らし方を知ること自体が省エネにも繋がると思います。

 最後に、着ている服や行動を考慮した快適性が出せます。

 例えば、寝ているときは布団を着ているので多少は寒くても不快じゃなかったり、動かずに座って作業をしていると寒く感じたり、人の快適性は温度などだけではなく、着ている服や行動によっても左右されます。その衣服や行動を考慮した快適性の評価指標にPMVというものがあります。

 ただ、出てきた温度を基に「リビングの温度が25度なので快適ですね」と伝えるより、「リビングの温度は25度なので、掃除してたらちょっと暑いかもしれないですね。座って作業をしていたら快適ですね」と伝えたほうが生活に寄り添った提案になると思います。

 など、実際に建物を使う人に使い方に合った温度や消費エネルギーを示すことで、使う人に寄り添った建築の環境を作っていますということを施主さんや使用者や対外的なアピールなどになると思います。

③どんなことに使える?

 まず、施主さんとのコミュニケーションが取りやすくなる資料が作れると思います。設計者が「プランAよりプランBのほうが快適な温度ですよ」と言っても、口だけではなかなか伝わらないことはあると思います。そこにシミュレーションの結果があれば、一目でどちらが快適なプランなのか伝わって、結果的に基本設計の工数が短縮できるかもしれません。

 次に、より施主さんの生活に寄り添った建築環境が作ることができると思います。外皮性能や消費エネルギーなど建物全体として性能の良い建物は、エクセル上で計算して建てられるかもしれません。でも、一つ一つの部屋、一人一人の生活スタイルに合った温熱環境を作って、より施主さんの生活に寄り添った建築環境を作るためにはシミュレーションが必要だと思います。法律上定められた性能以上に、一人一人の生活スタイルに寄り添った建築を作ることができると思います。

 次に、植物の管理や展示物などの維持保全のための性能の決定にも役立つと思います。例えば屋内農園で作る植物の適正温度に保つことができるのかをシミュレーションで調べて建物の性能を決定したり、美術館などの常設展示物が劣化しない温度を保つことができているのかをシミュレーションで調べて建物の性能を決定したりなど、用途別に必要な性能を予測することができます。

 最後に、対外的な資料になると思います。例えば、ハウスメーカーの建売住宅の資料として「年間を通して〇度以上を保つことができます!」「冷暖房無しでも年間の〇%は快適に過ごせます!※シミュレーションでPMVを算出」などシミュレーションを基にしたより詳細な温熱環境を示す資料で対外的にアピールできると思います。

 また、設計事務所などは賞に応募をしたり、雑誌に掲載されたり、パンフレットの資料に載せる建物などの対外的にアピールしたい建物は、シミュレーションをして「一人一人の生活スタイルに合った温熱環境を作り出すため、シミュレーションを設計プロセスに採用しました」というのは、建物のアピールだけでなく事務所のアピールにも繋がると思います。

 など、法律上は必要が無いかもしれませんが、シミュレーションをすることでのメリットはいろいろあると思います。

④価格について

 オーファクトリーでは、温熱解析を50,000円~請け負っております。ですが、価格に関しては、柔軟に対応させて頂きます。まずは、こんなシミュレーションできますか?など些細なことでもいいので、ご連絡頂ければ幸いです。

⑤連絡先について

 ホームページのContactからメールを受け付けています。そちらからご連絡頂ければ幸いです。

⑥最後に

 私が予想できないようなシミュレーションの使い方はたくさんあると思います。様々な建築で様々なシミュレーションをしながら、一緒に建築を考えて作ることをお手伝いできればと思っています。

ご連絡お待ちしております。

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