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チェンソーマンにB級ホラー映画オマージュを感じた

人気漫画原作のアニメ「チェンソーマン」をNETFLIXで観ました。

引用:アニメ『チェンソーマン』公式サイト

そしたら、第1話のED曲がめちゃくちゃカッコよくて、その勢いでこれを書いてます。

Vaundyって初めて聴いたんですけど、声がカッコいいし、曲もガッツある感じで、おまけに映像も作品とリンクしてて気合い入ってますね。

現代の人気アニメのテーマ曲がハードロック?

ロックが世界的に下火になったとか何とか言われる昨今、歪んだギターリフのハードロックがこんな人気コンテンツに起用されてる、という組み合わせを、久しぶりに聴いた気がします。

この「CHAINSAW BLOOD」っていう曲、音楽性だけなら70〜90年代ハードロックなんですよね。

その辺の時代のハードロックというと、ギター、ベース、ドラムだけのシンプルな編成でミドルテンポ、イントロのキャッチーなギターリフ、パワフルなボーカルみたいなイメージで、例えば、

まあ、言ってしまうと30年以上前の昔の音楽です。

曲調だけなら時代遅れと言われそうな音楽性がなぜチェンソーマンの主題歌に採用されてるのか。

僕の想像だと、チェンソーマンという作品が80年代以前のB級ホラー映画を意識してると思われるからです。

木材の伐採用具のチェーンソーを武器にする、大量のゾンビ、悪魔に憑依される、とかの要素は「悪魔のいけにえ」や「エルム街の悪夢」、ジョージ・A・ロメロのゾンビ映画とかに通じるものがあります。

(ちなみに、一般的に13日の金曜日のジェイソンがチェーンソーを武器に使ってると思われがちですが、実は作中で1回もチェーンソーを使ったことない、という話があります)

そのころのアメリカ映画、特にホラー映画では当時人気のハードロックバンドがエンディングテーマを担当することがよくありました。

「エルム街の悪夢」の主題歌に起用された、80年代ハードロックバンドDOKKENの曲↑

チェンソーマン1話エンディングの、黒地に白文字のスタッフロールが流れる映像も映画っぽさを意識してそうな演出でした。

そういうイメージで「CHAINSAW BLOOD」は、ハードロックという曲調を採用されてるんじゃないかなと思いました。

「チェンソーマン=呪術廻戦とドロヘドロのパクリ」だと作者がアニメ公式サイトのコメントで言ってたんですが、チェンソーマンはその2作品よりも80年代オマージュみが強いのを感じ、だから、その2作品の単なるパクリには、僕はあまり感じませんでした。

(パワーちゃんの奔放なキャラはドロヘドロのハルちゃんとかの悪魔キャラ、主人公が敵側の力を行使して戦うとか悪魔の造形に呪術っぽさ、など、要所でインスパイアされた部分は感じるけど)

クラシック+今=CHAINSAW BLOOD

CHAINSAW BLOODという曲自体は、音だけなら80〜90年代的、ボーカルスタイルは00年代以降のJ-ROCKという印象です。

一方で、80〜90年代オマージュの割に、HR/HMで華型だったギターソロの間奏はないあたりが今っぽいなと思いました。

作品自体にも、エロ本に血がつくと嫌だからチェーンソーの悪魔の力を使わずに倒したとか、欲望のスケールがやたら小さいとかの主人公のキャラ付けに「自分個人の幸せの基準を満たせるか」という今の若い人っぽさをちょっと感じます。

80年代感なオマージュを背景に、若年ワーキングプアのルサンチマンという、現代っぽいテーマを扱う、今っぽさとクラシックが融合した作品=チェンソーマンという感じで、

一方で、元ネタのドロヘドロなんかはキャラが全員魅力的で謎が謎を上書きする伏線の嵐という巧みさ、呪術廻戦はジャンプの王道エンタメ感があったんで、チェンソーマンが今後どちらの系統で描かれるのかは楽しみです(自分はアニメ派なんで漫画読んでないんです)。

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